リスグラシュー（2014年生、母リリサイド）

リスグラシュー（2014年1月18日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「優美な百合（仏）。母名より連想」。2018年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬、2019年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のハーツクライ（当時13歳）と交配したリリサイドが8歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地15戦3勝2着6回。2019年のコックスプレート(豪・G1)に勝利した他、2019年の有馬記念(G1)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

キャロットクラブにて総額3,000万円（7.5万×400口）で一口馬主が募集された。

矢作芳人厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2016年）

8月27日、デビュー戦は中谷雄太騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（新潟芝1600m 外回り曇/良）に出走。馬体重は432kg。18頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では印象的な伸び脚で急追したが、抜け出したルートディレクトリにクビ差届かず2着に甘んじた。

9月10日、中1週で迎えた2戦目は、2歳未勝利（阪神芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で中谷雄太騎手（1戦0勝）。18頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のガンサリュートに4馬身の差をつけて初白星を挙げた。

10月29日、中6週で迎えた3戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定2歳G3のアルテミスステークス（東京芝1600m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。18頭立ての1番人気に推されて16番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のフローレスマジックを半馬身振り切って重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

12月11日、中5週で迎えた4戦目は、戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定2歳G1の阪神ジュベナイルフィリーズ（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての2番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では卓抜な伸び脚で猛追したが、抜け出したソウルスターリングを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

3歳（2017年）

3月4日、約3か月の間隔を開けて迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G3のチューリップ賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。12頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では力感溢れるフットワークでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4月9日、中4週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。17頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では持ち前のしぶとさで最後まで脚を伸ばしたが、抜け出したレーヌミノルに半馬身届かず2着に敗北した。

5月21日、中5週で迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（3戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線では力感溢れるフットワークでゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

9月17日、約4か月の休み明けで迎えた8戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（阪神芝1800m 外回り曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（4戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを15番手で通過。直線では切れ味鋭い末脚を繰り出したが、3着に終わった。

10月15日、中3週で迎えた9戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 雨/重）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（5戦1勝）。18頭立ての4番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では矢のような伸びで驀進したが、勝ったディアドラにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着に敗北した。

11月12日、中3週で迎えた10戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを14番手で通過。直線では上がり1位タイの末脚を見せたが上位争いには参加できず8着に敗れた。

4歳（2018年）

2月4日、約3か月の間隔を開けて迎えた11戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（6戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、きちんと終いの脚を伸ばして、最後は2着のサトノアレスに1馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手にした。

4月7日、中8週で迎えた12戦目は、牝馬限定G2の阪神牝馬ステークス（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（7戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線ではキレのいい末脚を発揮したが、3着に終わった。

5月13日、中4週で迎えた13戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 雨/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（8戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて16番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では印象的な伸び脚で追い上げたが、抜け出したジュールポレールにハナ差届かず2着に甘んじた。

6月3日、中2週で迎えた14戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（9戦2勝）。16頭立ての6番人気で14番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず8着に敗れた。

10月13日、約4か月半の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた15戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G2の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。11頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。直線ではビュッとキレる脚で猛進したが、伸びてきたディアドラ決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

11月11日、中3週で迎えた16戦目は、J.モレイラ騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。17頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線に入ると、前で粘るクロコスミアを鬼脚でクビ差だけ差し切って中距離女王の座を奪取した。

12月9日、G1の香港ヴァーズ（香港・シャティン芝2400m）に出走。鞍上は2戦連続でJ.モレイラ騎手（1戦1勝）。14頭立ての4番人気で12番ゲートからスタート。最後は、勝ったExultantからクビ差の2着に惜敗した。

5歳（2019年）

3月10日、約3か月の休養明けで迎えた18戦目は、A.シュタルケ騎手を鞍上に迎えて、G2の金鯱賞（中京芝2000m 雨/稍重）に出走。13頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では卓出した伸び脚で急追したが、勝ったダノンプレミアムに詰め切れず、1馬身1/4差の2着となった。

4月28日、O.マーフィー騎手を鞍上に迎えて、G1のクイーンエリザベス2世カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。13頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。3着に終わった。

6月23日、中7週で迎えた20戦目は、D.レーン騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。12頭立ての3番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るキセキを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけてグランプリホースの称号を手中に収めた。

10月26日、G1のコックスプレート（オーストラリア・ムーニーバレー芝2040m）に出走。14頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。最後は、2着のCastelvecchioに1馬身半の差をつけて3つ目のG1タイトルを奪取した。

12月22日、中7週で迎えた22戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。鞍上はD.レーン騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のサートゥルナーリアに5馬身の差をつけて春秋グランプリ連覇を成し遂げた。

2020年1月22日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。