ニシノフラワー（1989年生、母デユプリシト）

ニシノフラワー（1989年4月19日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。1991年にJRA賞最優秀2歳牝馬、1992年にJRA賞最優秀3歳牝馬及び最優秀スプリンターを受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のMajestic Light（当時16歳）と交配したデユプリシトが5歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡鵡川町、生産者は（株）西山牧場。戦績は、中央平地16戦7勝2着1回。1992年のスプリンターズステークス(G1)に勝利した他、1992年の桜花賞(牝G1)を制するなど、G1級競走3勝を含む重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

松田正弘厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1991年）

7月7日、デビュー戦は佐藤正雄騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（札幌ダート1000m 晴/良）に出走。馬体重は424kg。10頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。先手を取り、若干速いペースで一団を先導。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて突き抜け、最後は2着のマイネルザグレートに4馬身の差をつけて初白星を挙げた。

7月28日、中2週で迎えた2戦目は、2歳G3の札幌3歳ステークス（札幌芝1200m 曇/良）に出走。芝レース及び重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で佐藤正雄騎手（1戦1勝）。14頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では異次元の末脚を弾けさせて突き抜け、最後は2着のディスコホールに3馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

11月2日、約3か月の休み明けで迎えた3戦目は、田原成貴騎手を鞍上に迎えて、2歳G2のデイリー杯3歳ステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では圧倒的な末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のユートジェーンに3馬身半の差をつけて無傷の3連勝で2つ目の重賞タイトルを獲得した。

12月1日、中3週で迎えた4戦目は、牝馬限定2歳G1の阪神3歳牝馬ステークス（阪神芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は佐藤正雄騎手（2戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では猛烈な末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のサンエイサンキューを3/4馬身振り切ってG1初挑戦初制覇を果たした。

3歳（1992年）

3月15日、約3か月半の休み明けで迎えた5戦目は、牝馬限定3歳オープンのチューリップ賞（阪神芝1600m 雨/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で佐藤正雄騎手（3戦3勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを8番手で通過。直線では印象的な伸び脚で急追したが、勝ったアドラーブルに詰め切れず、3馬身半差の2着に敗北した。

4月12日、中3週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた6戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。凄まじいハイペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では別次元の末脚を爆発させてあっさりと抜け出し、最後は2着のアドラーブルに3馬身半の差をつけて桜の女王の称号を手に入れた。

5月24日、中5週で馬体重を前走から8kg戻して迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（1戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では伸びを欠き7着に敗れた。

10月25日、約5か月の休み明けで迎えた8戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（京都芝2000m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で河内洋騎手（2戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では伸びが続かず、4着に終わった。

11月15日、中2週で迎えた9戦目は、牝馬限定3歳G1のエリザベス女王杯（京都芝2400m 外回り曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で河内洋騎手（3戦1勝）。18頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では切れ味鋭い末脚を披露し、3着に入った。

12月20日、中4週で迎えた10戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で河内洋騎手（4戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを9番手で通過。直線では豪脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のヤマニンゼファーをクビ差振り切って秋のスプリント王の称号を勝ち取った。

4歳（1993年）

2月28日、中9週で迎えた11戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で河内洋騎手（5戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では別次元の末脚を爆発させて悠々と抜け出し、最後は2着のヤマニンゼファーに3馬身半の差をつけて6つ目の重賞タイトルを手に入れた。

5月16日、約2か月半の間隔を開けて迎えた12戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で河内洋騎手（6戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では末脚がパッとせず10着に敗れた。

6月13日、中3週で迎えた13戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 雨/良）に出走。鞍上は8戦連続で河内洋騎手（7戦3勝）。11頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は力尽きて8着に敗れた。

10月30日、約4か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた14戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り雨/重）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は9戦連続で河内洋騎手（8戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

11月21日、中2週で迎えた15戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り雨/不良）に出走。鞍上は10戦連続で河内洋騎手（9戦3勝）。15頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始8番手を追走。直線では脚を伸ばせず13着に敗れた。

12月19日、中3週で迎えた16戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は11戦連続で河内洋騎手（10戦3勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。