アスクビクターモア（2019年生、母カルティカ）

アスクビクターモア（2019年4月1日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「冠名+勝者+より多くの」。毛色は鹿毛。種牡馬のディープインパクト（当時17歳）と交配したカルティカが13歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道千歳市、生産者は社台ファーム。2022年の菊花賞(G1)に勝利した他、2022年の弥生賞(G2)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

1歳のとき、社台ファームから「セレクトセールサラブレッド1歳」に上場され、廣崎利洋HDによって1億8,700万円で落札された。

田村康仁厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2021年）

6月26日、デビュー戦は戸崎圭太騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京芝1800m 曇/良）に出走。馬体重は468kg。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では脚色がやや衰え、3着に終わった。

9月20日、約3か月の間隔を開けて迎えた2戦目は、2歳未勝利（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で戸崎圭太騎手（1戦0勝）。13頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のアサヒに1馬身半の差をつけて未勝利戦を制した。

10月23日、中4週で迎えた3戦目は、2歳オープンのアイビーステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で戸崎圭太騎手（2戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では切れ味光る末脚を繰り出したが、3着に終わった。

3歳（2022年）

1月5日、約2か月半の間隔を開けて馬体重を前走から10kg増やして迎えた4戦目は、田辺裕信騎手を鞍上に迎えて、3歳1勝クラス（中山芝2000m 晴/良）に出走。9頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るレヴァンジルを豪快な末脚でクビ差だけ差し切って単勝一倍台の評価に応えた。

3月6日、中8週で迎えた5戦目は、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で田辺裕信騎手（1戦1勝）。11頭立ての3番人気で10番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では生得の持続力で渋太く末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のドウデュースをクビ差振り切って重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

4月17日、中5週で迎えた6戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で田辺裕信騎手（2戦2勝）。18頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。果敢に端を奪い、かなり遅いペースで一団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では末脚を持続できず、5着に終わった。

5月29日、中5週で迎えた7戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で田辺裕信騎手（3戦2勝）。18頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では長くいい脚を使ってゴールまで走り切り、3着に入った。

9月19日、約4か月の休み明けで迎えた8戦目は、3歳G2のセントライト記念（中山芝2200m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は5戦連続で田辺裕信騎手（4戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では印象的な伸び脚で驀進したが、伸びてきたガイアフォース決め手に屈してアタマ差の2着に甘んじた。

10月23日、中4週で迎えた9戦目は、3歳G1の菊花賞（阪神芝3000m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は6戦連続で田辺裕信騎手（5戦2勝）。18頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では猛烈な末脚を爆発させて、最後は2着のボルドグフーシュをハナ差振り切って最後の一冠を獲得した。

4歳（2023年）

3月25日、約5か月の休み明けで迎えた10戦目は、G2の日経賞（中山芝2500m 曇/不良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は7戦連続で田辺裕信騎手（6戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では他馬と同じ脚勢になってしまい9着に敗れた。

4月30日、中4週で迎えた11戦目は、横山武史騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り曇/稍重）に出走。17頭立ての4番人気に推されて6番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線ではいい脚を見せられず11着に敗れた。

6月25日、中7週で迎えた12戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山武史騎手（1戦0勝）。17頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。最後は失速してしまい11着に敗れた。