ニシノナースコール（2002年生、母ノーブルドノール）

ニシノナースコール（2002年4月24日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「冠名＋ナースコール。早く来て欲しい」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のブライアンズタイム（当時17歳）と交配したノーブルドノールが10歳のときに産んだ4番仔が本馬である。産地は北海道勇払郡鵡川町、生産者は（株）西山牧場。戦績は、中央平地30戦6勝2着2回、地方3戦1勝2着1回。2005年の秋華賞(牝G1)で3着に入った他、2009年のエンプレス杯(牝Jpn2)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

尾形充弘厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2004年）

10月30日、デビュー戦は吉田豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京芝1400m 雨/良）に出走。馬体重は430kg。12頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のバブルエスティームに3馬身半の差をつけて初白星を挙げた。

3歳（2005年）

1月23日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から10kg減らして迎えた2戦目は、3歳500万下の若竹賞（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で吉田豊騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では末脚がパッとせず6着に敗れた。

4月30日、約3か月の休養明けで馬体重を前走から6kg戻して迎えた3戦目は、3歳500万下の八重桜賞（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で吉田豊騎手（2戦1勝）。15頭立ての2番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始5番手を追走。直線ではいい脚を見せられず9着に敗れた。

6月11日、中5週で迎えた4戦目は、牝馬限定の3歳500万下（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で吉田豊騎手（3戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のエアコムローに2馬身半の差をつけて2勝目を手にした。

7月3日、中2週で迎えた5戦目は、横山義行騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳以上1000万下の三春駒特別（福島芝1800m 曇/良）に出走。12頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では上がり2位の末脚を繰り出したが上位争いには加われず6着に敗れた。

7月30日、中3週で迎えた6戦目は、3歳以上1000万下の五頭連峰特別（新潟芝1600m 外回り晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は吉田豊騎手（4戦2勝）。13頭立ての5番人気で9番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では鮮烈な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のムーンシャインを3/4馬身振り切って先頭ゴールを果たした。

10月16日、約2か月半の間隔を開けて迎えた7戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、17番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを14番手で通過。直線では瞬発力に富んだ末脚を披露し、3着に入った。

4歳（2006年）

3月12日、約5か月の休養明けで迎えた8戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、4歳以上1600万下のサンシャインステークス（中山芝2200m 外回り曇/良）に出走。9頭立ての3番人気で大外9番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線ではイマイチ伸び切れず7着に敗れた。

4月16日、中4週で迎えた9戦目は、4歳以上1600万下の卯月ステークス（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（1戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

4月30日、中1週で迎えた10戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下の晩春ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は吉田豊騎手（5戦3勝）。15頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では上がり1位タイの伸び脚を披露したが上位には食い込めず6着に敗れた。

5月28日、中3週で迎えた11戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1600万下のむらさき賞（東京芝1800m 晴/稍重）に出走。15頭立ての3番人気に推されて16番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

7月1日、中4週で迎えた12戦目は、勝浦正樹騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳以上1000万下の三春駒特別（福島芝1800m 曇/稍重）に出走。16頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で猛追したが、抜け出したヤマニンメルベイユにアタマ差届かず2着に惜敗した。

7月30日、中3週で迎えた13戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1000万下の五頭連峰特別（新潟芝1800m 外回り晴/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のメジロベネットに2馬身の差をつけて制した。

8月27日、中3週で迎えた14戦目は、ハンデG3の新潟記念（新潟芝2000m 外回り晴/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は吉田豊騎手（6戦3勝）。17頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線ではジリ脚になってしまい10着に敗れた。

10月7日、中5週で迎えた15戦目は、3歳以上1600万下のアイルランドトロフィー（東京芝1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で吉田豊騎手（7戦3勝）。16頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では自慢の末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のシンボリウエストを3/4馬身振り切って制した。

11月12日、中4週で迎えた16戦目は、ハンデ戦でオープンのオーロカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で吉田豊騎手（8戦4勝）。18頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、16番手を追走し、4コーナーは17番手で通過。直線では上がり2位タイの末脚を繰り出したが上位争いには絡めず12着に敗れた。

5歳（2007年）

7月22日、約8か月半の休み明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた17戦目は、関越ステークス（新潟ダート1800m 晴/稍重）に出走。ダート戦への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で吉田豊騎手（9戦4勝）。12頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで力走し、3着に入った。

8月5日、中1週で迎えた18戦目は、G3の関屋記念（新潟芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で吉田豊騎手（10戦4勝）。18頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線では上がり4位タイの末脚を繰り出したが上位争いには絡めず13着に敗れた。

8月26日、中2週で迎えた19戦目は、北村宏司騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の新潟記念（新潟芝2000m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての6番人気で8番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、18番手を追走し、4コーナーは17番手で通過。直線では今一つ伸び切れず13着に敗れた。

6歳（2008年）

2月27日、約6か月の休養明けで迎えた20戦目は、牝馬限定Jpn2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/重）に出走。鞍上は吉田豊騎手（11戦4勝）。11頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では弾けるような伸び脚で追い上げたが、勝ったサヨウナラに詰め切れず、1馬身半差の2着となった。

4月6日、中5週で馬体重を前走から13kg減らして迎えた21戦目は、田中博康騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り晴/良）に52kgの軽斤量で出走。16頭立ての14番人気で6番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを15番手で通過。直線では他馬と同じ脚色になってしまい13着に終わった。

4月26日、中2週で迎えた22戦目は、牝馬限定G3の福島牝馬ステークス（福島芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で田中博康騎手（1戦0勝）。16頭立ての9番人気で12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始15番手を追走。直線ではジワジワとしか伸びず12着に終わった。

5月11日、中1週で迎えた23戦目は、ハンデ戦でオープンのオアシスステークス（東京ダート1600m 曇/不良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は吉田豊騎手（12戦4勝）。16頭立ての11番人気で15番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では上がり2位の末脚を繰り出したが上位争いには絡めず最後はオフィサーと並んで8着同着となった。

6月14日、中4週で迎えた24戦目は、浜中俊騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのブリリアントステークス（東京ダート2100m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。13頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで力戦したが、4着に終わった。

7月16日、中4週で迎えた25戦目は、牝馬限定Jpn3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は吉田豊騎手（13戦4勝）。14頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では閃光のような末脚を発揮したが、3着に終わった。

8月23日、中4週で迎えた26戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのしらかばステークス（札幌ダート1700m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。11頭立ての6番人気で9番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

9月13日、中2週で馬体重を前走から14kg増やして迎えた27戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（2戦0勝）。12頭立ての11番人気で大外12番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを7番手で通過。直線では脚が残っておらず8着に終わった。

10月19日、中4週で馬体重を前走から10kg絞って迎えた28戦目は、北村友一騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。18頭立ての16番人気で9番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを16番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず15着に終わった。

11月1日、中1週で迎えた29戦目は、ハンデ戦でオープンのブラジルカップ（東京ダート2100m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は吉田豊騎手（14戦4勝）。16頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では一際目立つ伸び脚で追い上げたが、抜け出したマイネルアワグラスにクビ差届かず2着となった。

12月27日、中7週で迎えた30戦目は、ハンデ戦でオープンの師走ステークス（中山ダート1800m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で吉田豊騎手（15戦4勝）。10頭立ての8番人気で8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線ではジリジリとしか伸びず7着に終わった。

7歳（2009年）

1月11日、中1週で迎えた31戦目は、大野拓弥騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの名鉄杯（中京ダート1700m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。16頭立ての8番人気で5番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のメイショウサライをクビ差振り切って久しぶりに勝利を挙げた。

2月1日、中2週で迎えた32戦目は、G3の根岸ステークス（東京ダート1400m 晴/重）に出走。鞍上は吉田豊騎手（16戦4勝）。16頭立ての12番人気で12番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線ではイマイチ伸び切れず10着に終わった。

2月25日、中2週で迎えた33戦目は、牝馬限定Jpn2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で吉田豊騎手（17戦4勝）。14頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線に入ると、前で粘るシスターエレキングを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身の差をつけて念願の重賞初制覇を果たした。