ユキチャン（2005年生、母シラユキヒメ）

ユキチャン（2005年3月28日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「愛称。白毛のお嬢さん」。2010年にNARグランプリ最優秀牝馬を受賞した。毛色は白毛。種牡馬のクロフネ（当時7歳）と交配したシラユキヒメが10歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地7戦2勝、地方10戦3勝2着2回。2008年の関東オークス(牝Jpn2)に勝利した他、2010年のTCK女王盃(牝Jpn3)を制するなど、重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

後藤由之厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2007年）

7月8日、デビュー戦は吉田隼人騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（福島芝1200m 晴/良）に出走。馬体重は492kg。16頭立ての2番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線では鋭い末脚を繰り出せず14着に敗れた。

12月8日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた2戦目は、2歳未勝利（中山ダート1200m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で吉田隼人騎手（1戦0勝）。16頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のソシアルグレイシーに2馬身の差をつけて未勝利勝ちを決めた。

3歳（2008年）

3月29日、約3か月半の休み明けで迎えた3戦目は、牝馬限定3歳500万下のミモザ賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で吉田隼人騎手（2戦1勝）。12頭立ての8番人気で9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一完歩ずつ前との差を詰めて先頭に立ち、最後は2着のハイカックウをクビ差振り切って制した。

4月27日、中3週で迎えた4戦目は、牝馬限定3歳G2のフローラステークス（東京芝2000m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で吉田隼人騎手（3戦2勝）。18頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では見所を作れず7着に敗れた。

6月18日、中6週で迎えた5戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳Jpn2の関東オークス（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。14頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。主導権を握る恰好となり、少し緩いペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のプロヴィナージュに8馬身の差をつけて初の重賞タイトルを手に入れた。

8月17日、中8週で迎えた6戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 晴/良）に出走。13頭立ての4番人気で9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では脚を伸ばせず9着に敗れた。

10月4日、中6週で馬体重を前走から14kg減らして迎えた7戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のシリウスステークス（阪神ダート2000m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。最後はスピードが落ちてしまい8着に敗れた。

10月19日、中1週で迎えた8戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。18頭立ての9番人気で8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。最後は脚が止まってしまい17着に敗れた。

12月10日、中6週で迎えた9戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定のハンデJpn3のクイーン賞（船橋ダート1800m 晴/不良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では素晴らしい伸びを見せたが、ヤマトマリオンにアタマ差交わされて2着に甘んじた。

4歳（2009年）

1月21日、中5週で迎えた10戦目は、牝馬限定Jpn3のTCK女王盃（大井ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（2戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では印象的な伸び脚を見せたが、ヤマトマリオンに交わされて1馬身差の2着に敗北した。

2月25日、中4週で迎えた11戦目は、牝馬限定Jpn2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（3戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では決め手が足りず6着に敗れた。

6月10日、約3か月半の休み明けで迎えた12戦目は、牝馬限定Jpn3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（4戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では目立つような脚を使えず6着に敗れた。

10月21日、約4か月半の休み明けで迎えた13戦目は、今野忠成騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定S3のTCKディスタフ（大井ダート1800m 晴/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。16頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では瞬発力に富んだ末脚を披露したが、3着に終わった。

12月9日、中6週で迎えた14戦目は、牝馬限定のハンデJpn3のクイーン賞（船橋ダート1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で今野忠成騎手（1戦0勝）。14頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線に入ると、前で粘るテイエムヨカドーをクビ差だけ差し切って2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

5歳（2010年）

1月20日、中5週で馬体重を前走から11kg増やして迎えた15戦目は、牝馬限定Jpn3のTCK女王盃（大井ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で今野忠成騎手（2戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線ではグイグイと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のウェディングフジコをクビ差振り切って3つ目の重賞タイトルをゲットした。

4月14日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から10kg絞って迎えた16戦目は、牝馬限定Jpn3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 晴/重）に出走。鞍上は4戦連続で今野忠成騎手（3戦2勝）。13頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを先頭で通過。直線では脚勢がやや鈍り、3着に終わった。

5月12日、中3週で馬体重を前走から15kg戻して迎えた17戦目は、S3の川崎マイラーズ（川崎ダート1600m 晴/重）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は5戦連続で今野忠成騎手（4戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では全く伸びず9着に敗れた。