プロヴィナージュ（2005年生、母ボーンスター）

プロヴィナージュ（2005年2月3日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「伝統的な葡萄の木の植樹法」。毛色は鹿毛。種牡馬のフレンチデピュティ（当時13歳）と交配したボーンスターが10歳のときに産んだ5番仔が本馬である。産地は北海道千歳市、生産者は社台ファーム。戦績は、中央平地28戦4勝2着6回、地方2戦0勝2着1回。2008年の秋華賞(牝G1)で3着に入った他、2010年の阪神牝馬ステークス(牝G2)で2着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

当歳のとき、社台ファームから「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、林邦良によって945万円で落札された。

小島茂之厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2007年）

12月2日、デビュー戦は蛯名正義騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。馬体重は520kg。11頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったロールオブザダイスに詰め切れず、3馬身差の2着に敗北した。

3歳（2008年）

2月2日、中8週で迎えた2戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳未勝利（東京ダート1400m 曇/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。果敢に端を奪い、少々速いペースで一団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のヒロアンジェロに3馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

2月17日、中1週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、牝馬限定の3歳500万下（京都ダート1400m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（1戦1勝）。14頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では伸びが甘くなり、3着に終わった。

4月13日、中7週で馬体重を前走から10kg戻して迎えた4戦目は、的場勇人騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳500万下（中山ダート1800m 曇/不良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では末脚を伸ばせず7着に敗れた。

4月26日、中1週で迎えた5戦目は、田中勝春騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳500万下（東京ダート1600m 曇/良）に出走。13頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のウインクに8馬身の差をつけて1着ゴールを果たした。

6月18日、中7週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳Jpn2の関東オークス（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で田中勝春騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったユキチャンに詰め切れず、8馬身差の2着に敗北した。

7月6日、中2週で迎えた7戦目は、田中博康騎手を鞍上に迎えて、3歳ハンデG3のラジオNIKKEI賞（福島芝1800m 雨/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。16頭立ての13番人気で12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。最後は脚勢が鈍り9着に終わった。

10月4日、約3か月の休み明けで迎えた8戦目は、酒井学騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のシリウスステークス（阪神ダート2000m 晴/良）に48kgの軽斤量で出走。16頭立ての11番人気で12番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。最後はスピードが落ちてしまい16着に終わった。

10月19日、中1週で迎えた9戦目は、佐藤哲三騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての16番人気で15番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では天資の負けじ魂を発揮してゴールまで力戦し、3着を確保した。

12月13日、中7週で迎えた10戦目は、3歳以上1600万下の元町ステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で佐藤哲三騎手（1戦0勝）。11頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では末脚を持続できず、4着に終わった。

4歳（2009年）

1月10日、中3週で迎えた11戦目は、4歳以上1600万下の寿ステークス（京都芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で佐藤哲三騎手（2戦0勝）。14頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。主導権を握る形となり、やや緩いペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち味の強靭な心肺能力で最後まで奮戦したが、チョウサンデイに半馬身交わされて2着に敗北した。

2月22日、中5週で迎えた12戦目は、牝馬限定の4歳以上1600万下の初音ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で佐藤哲三騎手（3戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、スローペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前のタフネスでしぶとく脚を伸ばしたが、ダンスオールナイトにクビ差交わされて2着に甘んじた。

3月15日、中2週で迎えた13戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下のサンシャインステークス（中山芝2500m 晴/稍重）に出走。鞍上は田中勝春騎手（2戦1勝）。11頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4月25日、中5週で迎えた14戦目は、ハンデ戦でオープンのメトロポリタンステークス（東京芝2400m 雨/不良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で田中勝春騎手（3戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。最後はバタバタになってしまい15着に敗れた。

10月25日、約6か月の休養明けで迎えた15戦目は、牝馬限定の3歳以上1000万下の三春駒特別（福島芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は佐藤哲三騎手（4戦0勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では一寸刻みに前との差を詰めて、最後は2着のクロカンブッシュを半馬身振り切ってファンの期待に応えた。

11月15日、中2週で迎えた16戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1600万下のドンカスターステークス（京都ダート1800m 晴/稍重）に出走。16頭立ての4番人気に推されて14番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では詰めが甘くなり、4着に終わった。

12月26日、中5週で迎えた17戦目は、3歳以上1600万下の元町ステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は佐藤哲三騎手（5戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、一歩一歩確実に末脚を伸ばして、最後は2着のレッドシューターに1馬身1/4の差をつけて4勝目を手にした。

5歳（2010年）

1月30日、中4週で迎えた18戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で佐藤哲三騎手（6戦2勝）。16頭立ての9番人気で14番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始4番手を追走。直線では脚が残っておらず8着に終わった。

3月21日、中6週で迎えた19戦目は、藤岡佑介騎手を鞍上に迎えて、六甲ステークス（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4月10日、中2週で迎えた20戦目は、牝馬限定G2の阪神牝馬ステークス（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は佐藤哲三騎手（7戦2勝）。18頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、勝ったアイアムカミノマゴに詰め切れず、2馬身差の2着となった。

5月16日、中4週で迎えた21戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で佐藤哲三騎手（8戦2勝）。18頭立ての5番人気で大外18番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では見せ場を作れず9着に敗れた。

8月15日、約3か月の休み明けで迎えた22戦目は、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で佐藤哲三騎手（9戦2勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では我慢強くタフに走り抜いたが、勝ったアプリコットフィズに詰め切れず、1馬身差の2着に敗北した。

9月11日、中3週で迎えた23戦目は、G3の朝日チャレンジカップ（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で佐藤哲三騎手（10戦2勝）。9頭立ての3番人気で大外9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったキャプテントゥーレに詰め切れず、2馬身差の2着となった。

10月10日、中3週で迎えた24戦目は、G2の京都大賞典（京都芝2400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で佐藤哲三騎手（11戦2勝）。10頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では力強い脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

6歳（2011年）

2月13日、約4か月の休み明けで迎えた25戦目は、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で佐藤哲三騎手（12戦2勝）。12頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では脚が上がってしまい8着に終わった。

4月2日、中6週で迎えた26戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（阪神芝1800m 外回り曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で佐藤哲三騎手（13戦2勝）。18頭立ての3番人気に推されて13番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では末脚のキレが鈍く10着に敗れた。

4月9日、連闘で迎えた27戦目は、牝馬限定G2の阪神牝馬ステークス（阪神芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で佐藤哲三騎手（14戦2勝）。18頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切り、4着に入った。

6月19日、中9週で迎えた28戦目は、牝馬限定のハンデG3のマーメイドステークス（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で佐藤哲三騎手（15戦2勝）。13頭立ての5番人気で大外13番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始4番手を追走。最後はタレてしまい13着に敗れた。

11月12日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた29戦目は、ハンデ戦でオープンのアンドロメダステークス（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で佐藤哲三騎手（16戦2勝）。12頭立ての8番人気で8番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚色が悪くなり9着に終わった。

7歳（2012年）

1月18日、中9週で迎えた30戦目は、牝馬限定Jpn3のTCK女王盃（大井ダート1800m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は11戦連続で佐藤哲三騎手（17戦2勝）。11頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では末脚が冴えず7着に敗れた。