パッシングショット（1985年生、母タカヨシピツト）

パッシングショット（1985年4月26日）は、日本の競走馬。牝馬。1990年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のトウシヨウボーイ（当時12歳）と交配したタカヨシピツトが14歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡浦河町、生産者は（有）浦河小林牧場。戦績は、中央平地27戦5勝2着10回。1990年のマイルチャンピオンシップ(G1)に勝利した他、1990年のCBC賞(G2)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

橋田満厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1987年）

11月29日、デビュー戦は南井克巳騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中京ダート1000m 曇/良）に出走。馬体重は450kg。12頭立ての2番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、やや緩いペースで馬群を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では矢のような伸びを見せたが、スリーリバティーに交わされて2馬身半差の2着に敗北した。

12月13日、中1週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた2戦目は、楠孝志騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（中京芝1200m 曇/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。9頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のウメノチャンプに1馬身3/4の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（1988年）

2月20日、中9週で馬体重を前走から16kg戻して迎えた3戦目は、牝馬限定の4歳400万下（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（1戦0勝）。9頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では鋭い脚を使えず5着に終わった。

3月5日、中1週で迎えた4戦目は、牝馬限定4歳400万下の初雛賞（阪神芝1600m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（2戦0勝）。13頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で猛追したが、勝ったアラホウトクに詰め切れず、1馬身差の2着に敗北した。

9月3日、約6か月の休養明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた5戦目は、田原成貴騎手を鞍上に迎えて、4歳以上400万下（函館芝1200m 曇/重）に出走。14頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では素晴らしい伸び脚で急追したが、抜け出したコミニュケーションにハナ差届かず2着に甘んじた。

9月17日、中1週で迎えた6戦目は、4歳以上400万下の横津岳特別（函館芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で田原成貴騎手（1戦0勝）。7頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち前のスタミナでしぶとく走り抜いたが、サンデーホストに3/4馬身交わされて2着に敗北した。

10月16日、中3週で馬体重を前走から14kg減らして迎えた7戦目は、4歳以上400万下の堀川特別（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は楠孝志騎手（1戦1勝）。16頭立ての5番人気で13番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始2番手を追走。直線ではゴールまでじわりじわりと伸び、3着に入った。

11月6日、中2週で迎えた8戦目は、4歳以上400万下の逢坂山特別（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（3戦0勝）。18頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のマルイチテイオーに7馬身の差をつけて2勝目を掴み取った。

11月13日、連闘で迎えた9戦目は、松本達也騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1のエリザベス女王杯（京都芝2400m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての7番人気で16番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら3番手で通過。直線では見せ場を作れず9着に敗れた。

12月4日、中2週で迎えた10戦目は、柴田政人騎手を鞍上に迎えて、4歳以上900万下の’88ゴールデンサドルトロフィー（阪神芝1600m 小雨/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では豪脚を爆発させてあっさりと抜け出し、最後は2着のセンターシュアに4馬身の差をつけて3勝目をつかんだ。

4歳（1989年）

1月29日、中7週で迎えた11戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（京都芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は南井克巳騎手（4戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で追い上げたが、抜け出したリキアイノーザンを捕まえ切れず、クビ差の2着に甘んじた。

2月26日、中3週で迎えた12戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（5戦1勝）。11頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では物凄い伸び脚で急追したが、抜け出したミスティックスターに半馬身届かず2着となった。

4月23日、中7週で迎えた13戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 雨/稍重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（6戦1勝）。17頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では鋭さ光る末脚を繰り出したが、3着に終わった。

5月14日、中2週で迎えた14戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で南井克巳騎手（7戦1勝）。17頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では末脚を持続できず、6着に終わった。

11月5日、約6か月の休み明けで迎えた15戦目は、G3の根岸ステークス（東京ダート1400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は楠孝志騎手（2戦1勝）。14頭立ての8番人気で9番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。最後はスピードが落ちてしまい13着に終わった。

11月26日、中2週で迎えた16戦目は、牝馬限定オープンのトパーズステークス（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で楠孝志騎手（3戦1勝）。10頭立ての5番人気で4番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったマロングラッセに詰め切れず、1馬身半差の2着となった。

12月24日、中3週で迎えた17戦目は、牝馬限定のハンデG3のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で楠孝志騎手（4戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを10番手で通過。直線では切れる脚を使えず12着に敗れた。

5歳（1990年）

1月7日、中1週で迎えた18戦目は、洛陽ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（8戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では見事な伸び脚を見せたが、勝ったスカイジャイアントにねじ伏せられて3馬身差の2着に敗北した。

1月28日、中2週で迎えた19戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（阪神芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は楠孝志騎手（5戦1勝）。14頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では息の長い末脚を披露したが、4着に終わった。

2月17日、中2週で迎えた20戦目は、ポートアイランドステークス（阪神芝1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は南井克巳騎手（9戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では末脚が続かず、3着に終わった。

5月5日、約2か月半の間隔を開けて迎えた21戦目は、シルクロードステークス（京都芝1200m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（10戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では持ち前の粘り強さで最後まで脚を伸ばしたが、抜け出したエーコーシーザーを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

6月3日、中3週で迎えた22戦目は、須貝尚介騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の阪急杯（阪神芝1400m 晴/良）に出走。18頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。タフなペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では脚勢がやや鈍り、5着に終わった。

6月24日、中2週で迎えた23戦目は、G2のCBC賞（中京芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は楠孝志騎手（6戦1勝）。16頭立ての6番人気で11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では別次元の末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のバンブーメモリーを3/4馬身振り切って念願の重賞初制覇を果たした。

7月8日、中1週で迎えた24戦目は、G2の高松宮杯（中京芝2000m 小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で楠孝志騎手（7戦2勝）。14頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。最後は減速してしまい10着に終わった。

10月28日、約3か月半の休養明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた25戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で楠孝志騎手（8戦2勝）。16頭立ての8番人気で8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは、大外に持ち出して5番手で通過。直線では堅実に脚を伸ばしたが、抜け出したナルシスノワールに半馬身届かず2着となった。

11月18日、中2週で迎えた26戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で楠孝志騎手（9戦2勝）。18頭立ての10番人気で7番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを14番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた13頭をごぼう抜きし、最後は2着のバンブーメモリーに1馬身1/4の差をつけて下半期マイル王の座を勝ち取った。

12月16日、中3週で迎えた27戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で楠孝志騎手（10戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線では上がり1位の伸び脚を披露したが上位争いには参加できず8着に敗れた。