エアエミネム（1998年生、母Kissagram）

エアエミネム（1998年5月21日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。毛色は鹿毛。種牡馬のデインヒル（当時12歳）と交配したKissagramが9歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地17戦8勝2着1回。2003年のオールカマー(G2)に勝利した他、2001年の札幌記念(G2)を制するなど、重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤雄二厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（2001年）

2月25日、デビュー戦はM.デムーロ騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（阪神ダート1800m 晴/稍重）に出走。馬体重は518kg。13頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ハナに立ち、平均的なペースで集団を引っ張る。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線では見せ場を作れず6着に敗れた。

3月4日、連闘で馬体重を前走から10kg減らして迎えた2戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（阪神芝2000m 晴/重）に出走。芝レースへの出走は初となった。13頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のプレシャスソングに2馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3月24日、中2週で迎えた3戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下（阪神芝2200m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のアデレードシチーに1馬身3/4の差をつけてファンの支持に応えた。

4月14日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた4戦目は、3歳オープンの若草ステークス（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線では最後まで息が続かず8着に敗れた。

5月27日、中5週で迎えた5戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの駒草賞（東京芝2000m 小雨/重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。8頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線に入ると、前で粘るメイクマイデイを次元の違う末脚で交わし去り、最後は4馬身の差をつけて先頭ゴールを果たした。

7月8日、中5週で迎えた6戦目は、巴賞（函館芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（1戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るアンブラスモアを自慢の末脚で交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて先頭ゴールを果たした。

8月19日、中5週で迎えた7戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。9頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではグイグイと終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のファイトコマンダーに2馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

9月23日、中4週で迎えた8戦目は、3歳G2の神戸新聞杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（2戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一完歩ずつ着実に末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のサンライズペガサスをクビ差振り切って4連勝で重賞2勝目を挙げた。

10月21日、中3週で迎えた9戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り小雨/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（3戦3勝）。15頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4歳（2002年）

11月2日、約12か月半の休養明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた10戦目は、カシオペアステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で松永幹夫騎手（4戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後はバテてしまい12着に敗れた。

12月8日、中4週で迎えた11戦目は、ハンデG3の鳴尾記念（阪神芝2000m 小雨/良）に出走。鞍上は4戦連続で松永幹夫騎手（5戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線ではもうワンパンチ足りず、5着に終わった。

5歳（2003年）

1月19日、中5週で迎えた12戦目は、ハンデG2の日経新春杯（京都芝2400m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で松永幹夫騎手（6戦3勝）。13頭立ての3番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線ではいい脚を見せられず6着に敗れた。

4月26日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から14kg減らして迎えた13戦目は、ハンデ戦でオープンの東京競馬場リニューアル記念（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では天稟の闘志でゴールまで力走したが、3着に終わった。

5月31日、中4週で迎えた14戦目は、G2の金鯱賞（中京芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（1戦1勝）。14頭立ての7番人気で1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで頑張り、3着に入った。

7月27日、中7週で迎えた15戦目は、ハンデG3の函館記念（函館芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（2戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るヒマラヤンブルーを猛烈な末脚で交わし去り、最後は2馬身の差をつけて重賞3勝目をマークした。

8月24日、中3週で迎えた16戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（3戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では迫力十分の伸びを見せたが、伸びてきたサクラプレジデント決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

9月28日、中4週で迎えた17戦目は、G2のオールカマー（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で蛯名正義騎手（4戦2勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では不屈のファイティングスピリットで渋太く末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のファストタテヤマを3/4馬身振り切って4つ目の重賞タイトルをゲットした。