タケノベルベット（1989年生、母タケノダンサー）

タケノベルベット（1989年3月13日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のパドスール（当時10歳）と交配したタケノダンサーが19歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道静内郡静内町、生産者は（有）武岡牧場。戦績は、中央平地11戦5勝2着1回。1992年のエリザベス女王杯(牝G1)に勝利した他、1992年の鳴尾記念(ハンデG2)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

小林稔厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1992年）

2月2日、デビュー戦は河内洋騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（京都ダート1800m 晴/重）に出走。馬体重は438kg。9頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。主導権を奪い、非常に緩いペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では鮮やかな末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のアイパラミッタに2馬身半の差をつけて初白星を挙げた。

3月15日、中5週で迎えた2戦目は、牝馬限定3歳オープンのチューリップ賞（阪神芝1600m 雨/稍重）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（1戦1勝）。14頭立ての6番人気で12番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切り、3着に入った。

4月26日、中5週で迎えた3戦目は、田中勝春騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳オープンのスイートピーステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では他馬と同じような脚勢になり8着に敗れた。

5月24日、中3週で迎えた4戦目は、塩村克己騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定4歳500万下の野苺賞（阪神芝2000m 晴/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では凄まじい末脚を弾けさせて、最後は2着のキタシバリヨンをクビ差振り切って先頭ゴールを果たした。

6月21日、中3週で迎えた5戦目は、4歳900万下のひめゆりステークス（中京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で塩村克己騎手（1戦1勝）。14頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では豪快な末脚を爆発させて、最後は2着のシクレノングルームをクビ差振り切って勝利を手中に収めた。

7月5日、中1週で迎えた6戦目は、3歳G3の中日スポーツ賞4歳ステークス（中京芝1800m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で塩村克己騎手（2戦2勝）。14頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では切れる脚を使えず7着に敗れた。

11月15日、約4か月半の休養明けで迎えた7戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1のエリザベス女王杯（京都芝2400m 外回り曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての17番人気で12番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のメジロカンムリに3馬身半の差をつけて中距離女王の称号を射止めた。

12月13日、中3週で迎えた8戦目は、ハンデG2の鳴尾記念（阪神芝2500m 曇/稍重）に牝馬ながら55kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で藤田伸二騎手（1戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、目の覚めるような末脚を炸裂させて、最後は2着のエイティボレーに1馬身の差をつけて重賞2勝目をマークした。

4歳（1993年）

1月24日、中5週で迎えた9戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で藤田伸二騎手（2戦2勝）。12頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで力走したが、3着に終わった。

3月14日、中6週で迎えた10戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 晴/良）に牝馬ながら56kgの斤量を背負って出走。11頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したメジロパーマーに半馬身届かず2着に敗北した。

4月25日、中5週で迎えた11戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は河内洋騎手（2戦1勝）。15頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを9番手で通過。直線では鋭い脚を使えず10着に敗れた。