オーバーザウォール（1994年生、母アンデスレディー）

オーバーザウォール（1994年4月11日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。毛色は栗毛。種牡馬のドクターデヴィアス（当時5歳）と交配したアンデスレディーが9歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地15戦5勝。1998年の福島記念(ハンデG3)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

社台サラブレッドクラブにて総額1,400万円（70万×20口）で一口馬主が募集された。

佐々木晶三厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1997年）

5月11日、デビュー戦は四位洋文騎手を鞍上に据えて、牝馬限定の4歳未勝利（京都ダート1800m 晴/良）に出走。馬体重は484kg。12頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では詰めが甘くなり、4着に終わった。

6月1日、中2週で迎えた2戦目は、常石勝義騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の4歳未勝利（中京芝1800m 晴/良）に50kgの軽斤量で出走。芝レースへの出走は初となった。16頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るマイバレンタインを次元の違う末脚で半馬身差し切って初勝利を挙げた。

6月28日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、牝馬限定4歳500万下の野苺賞（阪神芝2000m 雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で常石勝義騎手（1戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では驚異的な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のエアリバティーを半馬身振り切って制した。

7月26日、中3週で迎えた4戦目は、ハンデ戦で4歳以上900万下の九州スポーツ新聞杯（小倉芝2000m 雨/不良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で常石勝義騎手（2戦2勝）。11頭立ての3番人気で2番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るサワノフラッシュを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて3勝目を掴み取った。

4歳（1998年）

10月4日、約14か月半の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた5戦目は、福島民報杯（福島芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で常石勝義騎手（3戦3勝）。12頭立ての9番人気で8番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを12番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず12着に終わった。

10月17日、中1週で迎えた6戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上900万下の山中湖特別（東京芝2000m 雨/不良）に出走。9頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では一歩一歩確実に終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のワールドカップをクビ差振り切って1着ゴールを果たした。

11月8日、中2週で迎えた7戦目は、的場均騎手を鞍上に迎えて、4歳以上1600万下の清水ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。17頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では脚を伸ばせず9着に敗れた。

11月22日、中1週で迎えた8戦目は、中舘英二騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の福島記念（福島芝2000m 曇/良）に51kgの軽斤量で出走。重賞競走への出走は初となった。11頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線ではぐんぐんと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のインターライセンスをクビ差振り切って重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

5歳（1999年）

1月5日、中5週で迎えた9戦目は、ハンデG3の京都金杯（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で中舘英二騎手（1戦1勝）。13頭立ての7番人気で2番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、4着に終わった。

2月28日、中7週で迎えた10戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で中舘英二騎手（2戦1勝）。11頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では伸びあぐねて9着に終わった。

4月17日、中6週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた11戦目は、吉田豊騎手を鞍上に迎えて、エイプリルステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。12頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では伸びを欠き8着に敗れた。

10月17日、約6か月の休養明けで馬体重を前走から12kg戻して迎えた12戦目は、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は四位洋文騎手（1戦0勝）。14頭立ての11番人気で13番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後は脚色が鈍り10着に終わった。

11月6日、中2週で馬体重を前走からさらに14kg増やして迎えた13戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、カシオペアステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。15頭立ての11番人気で6番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで頑張り、4着を確保した。

11月21日、中1週で迎えた14戦目は、ハンデG3の福島記念（福島芝2000m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は中舘英二騎手（3戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では鋭い脚を使えず10着に敗れた。

12月12日、中2週で迎えた15戦目は、ディセンバーステークス（中山芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（1戦0勝）。11頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで力戦し、4着を確保した。