ジンクライシス（2001年生、母デアリングヴァース）
Gene Crisis
2001.04.27
ジンクライシス（2001年4月27日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬。牡馬。馬名の意味は「遺伝子＋危機。遺伝子（血統）を打ち破るほど強いという意味」。毛色は鹿毛。種牡馬のSubordination（当時7歳）と交配したデアリングヴァースが9歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地21戦4勝2着7回、地方10戦3勝2着1回。2004年のジャパンカップダート(G1)で3着に入った他、2006年のマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)で3着に入るなどの活躍をした。
経歴
デビュー前
土田稔厩舎（美浦）へ入厩。
2歳（2003年）
11月2日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京ダート1400m 晴/良）に出走。馬体重は490kg。16頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではシャープな伸び脚で猛進したが、伸びてきたアントニオマグナム決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。
11月23日、中2週で迎えた2戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（東京ダート1400m 晴/稍重）に出走。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。先陣を切る形となり、少々速いペースでレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアドマイヤベッカムに約13馬身の大差をつけて初白星を挙げた。
12月21日、中3週で迎えた3戦目は、2歳500万下（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（1戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したスパークルキャットにハナ差届かず2着に甘んじた。
3歳（2004年）
1月12日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた4戦目は、3歳500万下の黒竹賞（中山ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（2戦1勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。先手を奪う恰好となり、壮絶なハイペースで集団を先導。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のダブルブラザーに5馬身の差をつけて断トツの支持に応えた。
2月22日、中5週で馬体重を前走から8kg戻して迎えた5戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンのヒヤシンスステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では矢のような伸びを見せたが、勝ったカフェオリンポスにねじ伏せられて2馬身差の2着に敗北した。
6月13日、約3か月半の休養明けで迎えた6戦目は、3歳1000万下のエーデルワイスステークス（東京芝1600m 曇/稍重）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦0勝）。18頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線ではあとひと押しが足りず、3着に終わった。
7月3日、中2週で迎えた7戦目は、3歳以上1000万下の猪苗代特別（福島ダート1700m 晴/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（3戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。先頭に立ち、ややハイペースでレースを引っ張る。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のボエームに9馬身の差をつけて順当に勝利した。
10月16日、約3か月半の休み明けで迎えた8戦目は、3歳以上1600万下の神無月ステークス（東京ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（4戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではスパッと切れる脚で追い上げたが、抜け出したサイモンセッズに半馬身届かず2着に敗北した。
11月6日、中2週で迎えた9戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下のブラジルカップ（東京ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（5戦3勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では鮮烈な末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のリンガスローレルに1馬身3/4の差をつけて圧倒的人気に応えた。
11月28日、中2週で迎えた10戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で蛯名正義騎手（6戦4勝）。16頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では力強いフットワークでゴールまで走り切り、3着に入った。
4歳（2005年）
1月23日、中7週で迎えた11戦目は、G3の平安ステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は5戦連続で蛯名正義騎手（7戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。
3月6日、中5週で迎えた12戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの仁川ステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では末脚を持続できず、5着に終わった。
4月3日、中3週で迎えた13戦目は、ハンデG3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り 晴/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（8戦4勝）。16頭立ての6番人気で8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では伸びが鈍く13着に敗れた。
9月3日、約5か月の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた14戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（9戦4勝）。13頭立ての4番人気で10番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では持ち前の強靭な心肺能力でしぶとく走り抜いたが、パーソナルラッシュにハナ差交わされて2着に惜敗した。
10月15日、中5週で馬体重を前走から8kg絞って迎えた15戦目は、3歳以上1600万下の神無月ステークス（東京ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（10戦4勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では目を引く伸びを見せたが、伸びてきたタイキエニグマ決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。
11月26日、中5週で迎えた16戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。16頭立ての14番人気で13番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では末脚にキレが無く12着に終わった。
5歳（2006年）
1月15日、中6週で迎えた17戦目は、4歳以上1600万下の雅ステークス（京都ダート1800m 晴/重）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら10番手で通過。直線では伸びを欠き15着に敗れた。
2月25日、中5週で迎えた18戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、4歳以上1600万下の内外タイムス杯（中山ダート1800m 曇/重）に出走。16頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では伸びが甘くなり、4着に終わった。
3月26日、中3週で迎えた19戦目は、小林淳一騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。13頭立ての9番人気で4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。最後は脚勢が衰えて10着に終わった。
5月5日、中5週で迎えた20戦目は、山口竜一騎手を鞍上に迎えて、地方重賞の赤レンガ記念（札幌(地)ダート1700m 曇/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線に入ると、前で粘るタイギャラントを上がり1位の末脚で交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて久々に白星を挙げた。
6月22日、中6週で迎えた21戦目は、地方重賞のステイヤーズカップ（札幌(地)ダート2400m 雨/重）に出走。鞍上は2戦連続で山口竜一騎手（1戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。前に出て、でレースを引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では脚勢がやや衰え、3着に終わった。
7月20日、中3週で迎えた22戦目は、地方重賞の星雲賞（旭川ダート1600m 雨/不良）に出走。鞍上は3戦連続で山口竜一騎手（2戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のタイギャラントに4馬身の差をつけて6勝目を掴み取った。
8月17日、中3週で迎えた23戦目は、G2のブリーダーズゴールドカップ（旭川ダート2300m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で山口竜一騎手（3戦2勝）。12頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。3着に入った。
9月18日、中4週で迎えた24戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で山口竜一騎手（4戦2勝）。13頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では迫力十分の伸び脚で猛追したが、抜け出したヒシアトラスにクビ差届かず2着となった。
10月9日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた25戦目は、五十嵐冬樹騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 晴/良）に出走。14頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。でレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸び、3着に入った。
11月25日、中6週で迎えた26戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で五十嵐冬樹騎手（1戦0勝）。15頭立ての11番人気で5番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを10番手で通過。直線では伸びが劣勢になり11着に終わった。
6歳（2007年）
5月10日、約5か月半の休み明けで馬体重を前走から36kg増やして迎えた27戦目は、地方重賞の赤レンガ記念（門別ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で五十嵐冬樹騎手（2戦0勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。逃げを打ち、でレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、ギルガメッシュに交わされて3馬身差の2着に敗北した。
6月6日、中3週で迎えた28戦目は、地方重賞のステイヤーズカップ（旭川ダート2300m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で五十嵐冬樹騎手（3戦0勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。9着に敗れた。
8月30日、約3か月の間隔を開けて迎えた29戦目は、ディープインパクト・プレミアムIII（旭川ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で五十嵐冬樹騎手（4戦0勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。5着に敗れた。
10月8日、中5週で馬体重を前走から19kg減らして迎えた30戦目は、宮崎光行騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 小雨/重）に出走。14頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。でレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では今一つ伸び切れず6着に敗れた。
11月13日、中4週で迎えた31戦目は、地方重賞の道営記念（札幌(地)ダート2485m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で宮崎光行騎手（1戦0勝）。13頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。端を奪う形となり、で馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてあっさりと抜け出し、最後は2着のギルガメッシュに3馬身の差をつけて久方ぶりに白星を挙げた。