アベルクイーン（1992年生、母ブライダルディナー）

アベルクイーン（1992年4月24日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のStar de Naskra（当時17歳）と交配したブライダルディナーが7歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡浦河町、生産者は（有）杵臼牧場。戦績は、中央平地32戦5勝2着7回。1997年のアンドロメダステークス(オープンハンデ)で2着に入った他、1997年の小倉日経オープン(オープン)で3着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

新川恵厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1995年）

3月26日、デビュー戦は安田康彦騎手を鞍上に据えて、4歳未出走（京都ダート1200m 晴/良）に出走。馬体重は444kg。11頭立ての3番人気で大外11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のメイショウヒノトリに4馬身の差をつけて初白星を挙げた。

4月16日、中2週で迎えた2戦目は、4歳500万下の君子蘭賞（京都芝1600m 小雨/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は2戦連続で安田康彦騎手（1戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では圧巻の末脚を発揮したが、3着に終わった。

5月6日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、牝馬限定4歳500万下の矢車賞（京都芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安田康彦騎手（2戦1勝）。13頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では上がり2位タイの末脚を繰り出したが上位争いには参加できず9着に敗れた。

6月18日、中5週で馬体重を前走から10kg戻して迎えた4戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の4歳500万下（中京芝2000m 曇/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線ではビュッとキレる脚を見せたが、勝ったメジロエルナスにねじ伏せられてクビ差の2着に甘んじた。

7月2日、中1週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた5戦目は、牝馬限定4歳500万下のなでしこ賞（中京芝1800m 小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。15頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではビュッと切れる脚で追い上げたが、抜け出したクイーンソネットを捕まえ切れず、ハナ差の2着に甘んじた。

9月23日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から12kg増やして迎えた6戦目は、4歳以上500万下（京都ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦0勝）。11頭立ての1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。先頭に立つ形となり、若干遅いペースでレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではグングンと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のインターフランクに1馬身3/4の差をつけて1着ゴールを果たした。

12月3日、中9週で迎えた7戦目は、D.ビードマン騎手を鞍上に迎えて、4歳以上900万下の’95ゴールデンサドルトロフィー（阪神芝1600m 曇/良）に出走。12頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では見せ場なく7着に終わった。

12月17日、中1週で迎えた8戦目は、4歳以上900万下の夙川特別（阪神ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（3戦1勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったワイルドブラスターにねじ伏せられて2馬身半差の2着に敗北した。

4歳（1996年）

1月14日、中3週で迎えた9戦目は、5歳以上900万下の八坂特別（京都ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（4戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一際目立つ伸び脚で追い上げたが、抜け出したボヘミアンドリームを差し切れず、1馬身差の2着に敗北した。

2月11日、中3週で迎えた10戦目は、5歳以上900万下の大和特別（京都ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（5戦1勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではシャープな伸び脚で追い上げたが、抜け出したメイショウタイシにハナ差届かず2着に甘んじた。

3月17日、中4週で迎えた11戦目は、5歳以上900万下の伊丹特別（阪神ダート1200m 曇/不良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（6戦1勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るクイックイナオーを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて断トツ人気に応えた。

4月21日、中4週で迎えた12戦目は、高瀬川ステークス（京都ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（7戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では目を引く伸び脚で猛追したが、抜け出したエイシンオーガスタにクビ差届かず2着に甘んじた。

5月19日、中3週で迎えた13戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、欅ステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。15頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力強いフットワークでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

6月15日、中3週で迎えた14戦目は、ハンデ戦の安芸ステークス（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（8戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では総身の力で末脚を持続させて先頭をうかがい、最後は2着のシンキャロルを3/4馬身振り切って下馬評通りの実力を証明した。

10月13日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた15戦目は、田中勝春騎手を鞍上に迎えて、秋嶺ステークス（東京ダート1400m 晴/稍重）に出走。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では末脚のキレが鈍く8着に敗れた。

11月3日、中2週で迎えた16戦目は、清水ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（9戦3勝）。15頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では伸びあぐねて6着に敗れた。

12月8日、中4週で迎えた17戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、元町ステークス（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線ではキレのいい末脚を繰り出したが、5着に終わった。

5歳（1997年）

1月19日、中5週で迎えた18戦目は、羅生門ステークス（京都ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（10戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを11番手で通過。直線では出色の末脚を発揮したが、3着に終わった。

2月15日、中3週で迎えた19戦目は、橿原ステークス（京都ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（11戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では圧倒的な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のイーアシオーンをクビ差振り切って先頭ゴールを果たした。

3月9日、中2週で迎えた20戦目は、コーラルステークス（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（12戦4勝）。15頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では切れ味鋭い末脚を発揮したが、4着に終わった。

4月20日、中5週で迎えた21戦目は、村本善之騎手を鞍上に迎えて、G3のシルクロードステークス（京都芝1200m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。16頭立ての15番人気で大外16番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では決め手に欠いて8着に終わった。

5月11日、中2週で迎えた22戦目は、栗東ステークス（京都ダート1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で村本善之騎手（1戦0勝）。12頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では末脚にキレが無く6着に敗れた。

6月15日、中4週で迎えた23戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、福島競馬場スタンド改築記念バーデンバーデンカップ（福島芝1200m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。15頭立ての12番人気で大外15番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では脚が残っておらず13着に終わった。

8月24日、中9週で馬体重を前走から16kg増やして迎えた24戦目は、古川吉洋騎手を鞍上に迎えて、小倉日経オープン（小倉芝1200m 晴/良）に出走。10頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始4番手を追走。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

9月13日、中2週で迎えた25戦目は、ギャラクシーステークス（阪神ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で古川吉洋騎手（1戦0勝）。11頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では天性の負けじ心を発揮してゴールまで力闘したが、4着に終わった。

10月18日、中4週で迎えた26戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの神無月ステークス（東京ダート1400m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。7頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では上がり2位の伸び脚を披露したが上位には割り込めず4着に敗れた。

11月1日、中1週で迎えた27戦目は、ハンデ戦でオープンのアンドロメダステークス（京都芝1200m 晴/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は古川吉洋騎手（2戦0勝）。13頭立ての10番人気で10番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では目を引く伸び脚で猛追したが、抜け出したメガミゲランを差し切れず、1馬身半差の2着となった。

12月14日、中5週で迎えた28戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G2のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝1600m 晴/良）に出走。16頭立ての11番人気で12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず11着に終わった。

12月20日、連闘で迎えた29戦目は、ハンデ戦でオープンの摩耶ステークス（阪神芝1200m 曇/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は古川吉洋騎手（3戦0勝）。15頭立ての10番人気で3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では末脚がパッとせず11着に終わった。

6歳（1998年）

1月31日、中5週で迎えた30戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で古川吉洋騎手（4戦0勝）。13頭立ての9番人気で11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず5着に終わった。

2月22日、中2週で迎えた31戦目は、銀嶺ステークス（東京ダート1400m 晴/重）に出走。鞍上は柴田善臣騎手（1戦0勝）。13頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では脚が上がってしまい12着に敗れた。

3月28日、中4週で迎えた32戦目は、陽春ステークス（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は安田康彦騎手（3戦1勝）。10頭立ての8番人気で3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では伸びが鈍く9着に終わった。