ヴリル（2001年生、母ファントムクリーク）

ヴリル（2001年9月26日）は、オーストラリアで生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。馬名の意味は「友人の名」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のサンデーサイレンス（当時15歳）と交配したファントムクリークが9歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地24戦6勝2着1回、中央障害5戦2勝2着1回。2008年の東京オータムジャンプ(ハンデJG3)で2着に入った他、2007年のテレビ愛知オープン(オープン)で3着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

国枝栄厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（2004年）

2月1日、デビュー戦はD.バルジュー騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（東京芝1800m 晴/良）に出走。馬体重は476kg。10頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線に入ると、前で粘るハイパーディライトを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて初白星を挙げた。

2月29日、中3週で迎えた2戦目は、3歳500万下の水仙賞（中山芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続でD.バルジュー騎手（1戦1勝）。11頭立ての3番人気で8番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線ではしぶとく脚を伸ばしたが、抜け出したニチリンコトブキに半馬身届かず2着となった。

3月21日、中2週で迎えた3戦目は、3歳500万下（中山芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続でD.バルジュー騎手（2戦1勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。直線では一完歩ずつ着実に末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のマイネルポロネーズに1馬身半の差をつけて断然の支持に応えた。

8月15日、約5か月の休養明けで迎えた4戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1000万下の日高特別（札幌芝2000m 雨/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では伸びあぐねて9着に敗れた。

9月11日、中3週で迎えた5戦目は、ハンデ戦で3歳以上1000万下の藻岩山特別（札幌芝1500m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤田伸二騎手（1戦0勝）。14頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では長く末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のミエノサンデーを半馬身振り切って勝利をモノにする

10月11日、中3週で迎えた6戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1600万下のアイルランドトロフィー（東京芝1600m 曇/稍重）に出走。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一歩一歩着実に差を詰めて先頭をうかがい、最後は2着のダイワレイダースを3/4馬身振り切って圧倒的人気に応えた。

4歳（2005年）

1月15日、約3か月の休み明けで迎えた7戦目は、ハンデ戦でオープンのニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り雨/稍重）に出走。鞍上はD.バルジュー騎手（3戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では末脚に勢いがなく9着に敗れた。

10月8日、約9か月の休み明けで馬体重を前走から22kg増やして迎えた8戦目は、3歳以上1600万下のアイルランドトロフィー（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（1戦1勝）。10頭立ての2番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。先手を奪い、平均的なペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではやや伸びを欠き、3着に終わった。

10月30日、中2週で迎えた9戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下の白秋ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（2戦1勝）。13頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るマルターズホビーをクビ差だけ差し切って5勝目を挙げた。

11月20日、中2週で迎えた10戦目は、3歳以上1600万下の奥多摩ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（3戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではグイグイと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のタイキラファエロを半馬身振り切って単勝一倍台の評価に応えた。

5歳（2006年）

10月1日、約10か月半の休み明けで迎えた11戦目は、角田晃一騎手を鞍上に迎えて、ポートアイランドステークス（中京芝1800m 雨/稍重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。11頭立ての6番人気で9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では切れる脚を使えず7着に敗れた。

10月21日、中2週で迎えた12戦目は、L.イネス騎手を鞍上に迎えて、G3の富士ステークス（東京芝1600m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。18頭立ての7番人気で9番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。最後は一杯になって11着に敗れた。

11月12日、中2週で迎えた13戦目は、松岡正海騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのオーロカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。18頭立ての3番人気に推されて16番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では余力が残っておらず10着に敗れた。

12月10日、中3週で迎えた14戦目は、ギャラクシーステークス（阪神ダート1400m 曇/稍重）に出走。ダート戦への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は角田晃一騎手（1戦0勝）。16頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では全く伸びず14着に敗れた。

6歳（2007年）

5月6日、約5か月の休養明けで迎えた15戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの都大路ステークス（京都芝1600m 外回り雨/重）に出走。15頭立ての11番人気で12番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始3番手を追走。直線では末脚を伸ばせず7着に終わった。

5月19日、中1週で迎えた16戦目は、幸英明騎手を鞍上に迎えて、テレビ愛知オープン（中京芝1200m 晴/良）に出走。18頭立ての7番人気で14番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では天稟の闘志でゴールまで力走し、3着に入った。

6月10日、中2週で迎えた17戦目は、ハンデG3のCBC賞（中京芝1200m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で幸英明騎手（1戦0勝）。18頭立ての9番人気で8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。最後は脚勢が鈍り16着に敗れた。

9月9日、約3か月の休養明けで迎えた18戦目は、田中博康騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京成杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての12番人気で1番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位には届かず6着に終わった。

10月7日、中3週で迎えた19戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で田中博康騎手（1戦0勝）。14頭立ての13番人気で大外14番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは14番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず10着に終わった。

11月10日、中4週で迎えた20戦目は、津村明秀騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の福島記念（福島芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての11番人気で7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では伸びあぐねて6着に終わった。

11月23日、中1週で迎えた21戦目は、キャピタルステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で津村明秀騎手（1戦0勝）。18頭立ての7番人気で8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では天性の負けじ魂を発揮してゴールまで力闘したが、6着に終わった。

7歳（2008年）

4月13日、約4か月半の休み明けで迎えた22戦目は、木幡初広騎手を鞍上に迎えて、福島民報杯（福島芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての13番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では末脚が振るわず9着に終わった。

4月26日、中1週で迎えた23戦目は、オーストラリアトロフィー（京都芝1800m 外回り曇/良）に出走。鞍上は池添謙一騎手（1戦0勝）。15頭立ての11番人気で8番ゲートからスタート。主導権を握り、非常に緩いペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では最後まで息が続かず9着に終わった。

5月11日、中1週で迎えた24戦目は、飯田祐史騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの都大路ステークス（京都芝1600m 外回り晴/稍重）に出走。18頭立ての14番人気で6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後はタレてしまい9着に終わった。

7月5日、中7週で迎えた25戦目は、穂苅寿彦騎手を鞍上に迎えて、障害3歳以上未勝利（福島障害芝2770m 晴/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。最後は、2着のニケダイヤモンドに1馬身3/4の差をつけて久しぶりに美酒を浴びた。

9月6日、中8週で迎えた26戦目は、障害3歳以上オープン（新潟障害芝2850m 外→内晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で穂苅寿彦騎手（1戦1勝）。13頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、2着のメテオバーストに2馬身半の差をつけて制した。

10月18日、中5週で迎えた27戦目は、ハンデJ・G3の東京オータムジャンプ（東京障害芝3300m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で穂苅寿彦騎手（2戦2勝）。14頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。最後は、勝ったタイキレーザーから1馬身1/4差の2着に敗北した。

8歳（2009年）

9月27日、約11か月半の休み明けで迎えた28戦目は、障害3歳以上オープン（中山障害芝3210m 晴/良）に62kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で穂苅寿彦騎手（3戦2勝）。14頭立ての4番人気で13番ゲートからスタート。4着に終わった。

10月17日、中2週で迎えた29戦目は、J・G2の東京ハイジャンプ（東京障害芝3300m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で穂苅寿彦騎手（4戦2勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。競走中止となった。