イブロン（2002年生、母デザートビューティー）

イブロン（2002年5月12日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬。牡馬。馬名の意味は「シラクーザの山の王の名（ギリシア）」。毛色は鹿毛。種牡馬のMachiavellian（当時15歳）と交配したデザートビューティーが9歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地30戦7勝2着2回、地方7戦0勝2着1回。2007年のオアシスステークス(オープンハンデ)に勝利した他、2009年の京葉ステークス(オープンハンデ)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

田村康仁厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（2005年）

4月24日、デビュー戦はK.デザーモ騎手を鞍上に据えて、3歳未勝利（東京ダート1600m 晴/良）に出走。馬体重は494kg。12頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では堅実に脚を伸ばしたが、伸びてきたワンダータイガー決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

5月15日、中2週で迎えた2戦目は、3歳未勝利（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続でK.デザーモ騎手（1戦0勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のオンリーワンクロスに9馬身の差をつけて初白星を挙げた。

6月5日、中2週で迎えた3戦目は、3歳500万下（東京芝1600m 晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は3戦連続でK.デザーモ騎手（2戦1勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、目の覚めるような末脚を弾けさせて、最後は2着のトーセンアダンに1馬身1/4の差をつけて断然人気に応えた。

10月30日、約5か月の休み明けで迎えた4戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1000万下の紅葉特別（東京芝1600m 晴/良）に出走。11頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では力強いフットワークでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

11月19日、中2週で迎えた5戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1000万下の相模湖特別（東京芝1400m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では息の長い末脚を繰り出したが、3着に終わった。

12月11日、中2週で迎えた6戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1000万下の初霜特別（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず最後はビッグサウンドと並んで5着同着となった。

4歳（2006年）

1月29日、中6週で迎えた7戦目は、後藤浩輝騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1000万下の立川特別（東京ダート1600m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では豪脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のウルフボーイに3馬身半の差をつけて3勝目を手にした。

2月25日、中3週で迎えた8戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、4歳以上1600万下の内外タイムス杯（中山ダート1800m 曇/重）に出走。16頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では豪快に末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のタイキヴァンベールをクビ差振り切って4勝目を手中に収めた。

3月26日、中3週で迎えた9戦目は、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 晴/良）に54kgの軽斤量で出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は藤田伸二騎手（1戦0勝）。13頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では全く伸びず6着に敗れた。

12月24日、約9か月の休み明けで迎えた10戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下の2006フェアウェルステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は内田博幸騎手（1戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。かなりのハイペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを15番手で通過。直線では他馬と同じような脚勢になり7着に敗れた。

5歳（2007年）

1月14日、中2週で迎えた11戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1600万下の雅ステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では伸びが鈍く7着に敗れた。

2月25日、中5週で迎えた12戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1600万下のなにわステークス（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では圧巻の末脚を繰り出したが、3着に終わった。

3月17日、中2週で迎えた13戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下の内外タイムス杯（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は後藤浩輝騎手（1戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではしぶとく脚を使って伸び続けたが、抜け出したメイショウホウオウを捕まえ切れず、3/4馬身差の2着に敗北した。

4月8日、中2週で迎えた14戦目は、4歳以上1600万下（中山ダート1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で後藤浩輝騎手（2戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るシルクウィザードを上がり3位タイの末脚で半馬身差し切って5勝目を奪取した。

5月6日、中3週で迎えた15戦目は、ハンデ戦でオープンのオアシスステークス（東京ダート1600m 雨/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で後藤浩輝騎手（3戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では息長く末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のゼンノストライカーをハナ差振り切って雨中の大激戦を制した。

9月17日、約4か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた16戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で後藤浩輝騎手（4戦3勝）。12頭立ての7番人気で10番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで頑張り、4着を確保した。

10月27日、中5週で迎えた17戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 雨/不良）に出走。鞍上は5戦連続で後藤浩輝騎手（5戦3勝）。14頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では詰めが甘くなり、5着に終わった。

11月17日、中2週で迎えた18戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのトパーズステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では終いの伸びを欠き、5着に終わった。

6歳（2008年）

3月30日、約4か月半の休養明けで迎えた19戦目は、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 小雨/良）に出走。鞍上は後藤浩輝騎手（6戦3勝）。16頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線ではジワジワとしか伸びず10着に敗れた。

5月17日、中6週で迎えた20戦目は、左海誠二騎手を鞍上に迎えて、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。17頭立ての13番人気で8番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では今ひとつ伸びが無く8着に終わった。

7月5日、中6週で迎えた21戦目は、藤岡佑介騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの大沼ステークス（函館ダート1700m 晴/良）に出走。13頭立ての5番人気で大外13番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではいい脚を見せられず6着に敗れた。

7月20日、中1週で迎えた22戦目は、マリーンステークス（函館ダート1700m 晴/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（1戦0勝）。13頭立ての7番人気で10番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを10番手で通過。直線ではいい脚を見せられず11着に敗れた。

7歳（2009年）

2月14日、約7か月の休養明けで迎えた23戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのアルデバランステークス（京都ダート1800m 晴/重）に出走。16頭立ての13番人気で6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では天授の負けん気を発揮してゴールまで頑張り、3着を確保した。

3月8日、中2週で迎えた24戦目は、仁川ステークス（阪神ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で池添謙一騎手（1戦0勝）。13頭立ての9番人気で3番ゲートからスタート。端を奪い、かなり遅いペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後はバタバタになってしまい7着に終わった。

4月4日、中3週で迎えた25戦目は、コーラルステークス（阪神ダート1400m 雨/良）に出走。鞍上は藤岡佑介騎手（1戦0勝）。16頭立ての10番人気で2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では強靭な末脚を発揮し、5着に入り込んだ。

4月19日、中1週で迎えた26戦目は、ハンデ戦でオープンの京葉ステークス（中山ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は藤田伸二騎手（2戦0勝）。16頭立ての10番人気で4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では凄まじい末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のスリーアベニューをクビ差振り切って久しぶりに白星を挙げた。

5月30日、中5週で迎えた27戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、欅ステークス（東京ダート1400m 曇/不良）に出走。16頭立ての6番人気で大外16番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では息の長い末脚を披露したが、5着に終わった。

8歳（2010年）

4月18日、約11か月の休養明けで迎えた28戦目は、ハンデ戦でオープンの京葉ステークス（中山ダート1200m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で三浦皇成騎手（1戦0勝）。16頭立ての11番人気で7番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では上がり2位の伸び脚を披露したが上位には食い込めず10着に終わった。

5月16日、中3週で迎えた29戦目は、川田将雅騎手を鞍上に迎えて、栗東ステークス（京都ダート1400m 晴/良）に出走。16頭立ての8番人気で10番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では上がり3位の末脚を繰り出したが上位には届かず7着に敗れた。

11月14日、約6か月の休養明けで迎えた30戦目は、田中博康騎手を鞍上に迎えて、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。16頭立ての16番人気で3番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。最後は力尽きて16着に終わった。

9歳（2011年）

6月1日、約6か月半の休み明けで迎えた31戦目は、森泰斗騎手を鞍上に迎えて、Jpn2のさきたま杯（浦和ダート1400m 曇/良）に出走。12頭立ての10番人気で6番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では鋭い脚を使えず10着に終わった。

6月22日、中2週で迎えた32戦目は、水野貴史騎手を鞍上に迎えて、S3のグランドマイラーズ（船橋ダート1600m 晴/良）に出走。13頭立ての12番人気で1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では脚を伸ばせず9着に終わった。

12月7日、約5か月半の休み明けで迎えた33戦目は、総の国オープン（船橋ダート1600m 晴/不良）に出走。鞍上は森泰斗騎手（1戦0勝）。13頭立ての9番人気で7番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では末脚にキレが無く6着に終わった。

12月23日、中1週で馬体重を前走から11kg減らして迎えた34戦目は、服部茂史騎手を鞍上に迎えて、S3のゴールドカップ（浦和ダート1500m 晴/良）に出走。12頭立ての9番人気で6番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では持ち前のしぶとさで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったナイキマドリードに詰め切れず、8馬身差の2着となった。

10歳（2012年）

6月20日、約6か月の休み明けで迎えた35戦目は、S3のグランドマイラーズ（船橋ダート1600m 曇/重）に出走。鞍上は森泰斗騎手（2戦0勝）。14頭立ての10番人気で大外14番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では伸びが劣勢になり10着に終わった。

12月6日、約5か月半の休養明けで迎えた36戦目は、総の国オープン（船橋ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は服部茂史騎手（1戦0勝）。13頭立ての10番人気で12番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では全く伸びず6着に終わった。

12月31日、中3週で馬体重を前走から13kg減らして迎えた37戦目は、ハンデ戦でオープンのおおとりオープン（大井ダート1600m 内回り晴/不良）に出走。鞍上は2戦連続で服部茂史騎手（2戦0勝）。16頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。競走中止となった。