ダイイチルビー（1987年生、母ハギノトツプレデイ）

ダイイチルビー（1987年4月15日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。1991年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬及び最優秀スプリンターを受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のトウシヨウボーイ（当時14歳）と交配したハギノトツプレデイが11歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡荻伏村、生産者は（有）荻伏牧場。戦績は、中央平地18戦6勝2着6回。1991年の安田記念(G1)に勝利した他、1991年のスプリンターズステークス(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤雄二厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1990年）

2月25日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（阪神芝1600m 小雨/重）に出走。馬体重は468kg。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。逃げを打ち、緩みのないペースでレースを進める。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のヒダカアルテミスに5馬身の差をつけて初白星を挙げた。

3月24日、中3週で迎えた2戦目は、4歳500万下のアネモネ賞（阪神芝1600m 小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のマキハタグロリーに2馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

4月8日、中1週で迎えた3戦目は、牝馬限定3歳オープンの忘れな草賞（阪神芝2000m 曇/重）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦2勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったトーワルビーに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

4月29日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた4戦目は、増沢末夫騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G2のサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別（東京芝2000m 曇/良）に出走。重賞競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではものすごい伸び脚で猛進したが、伸びてきたキョウエイタップ決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

5月20日、中2週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は武豊騎手（3戦2勝）。20頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では天稟のガッツでゴールまで力走したが、5着に終わった。

10月21日、約5か月の休み明けで迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（京都芝2000m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（4戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では脚勢がやや鈍り、5着に終わった。

4歳（1991年）

1月7日、約2か月半の間隔を開けて迎えた7戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、洛陽ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では卓出した伸び脚で急追したが、抜け出したプリティハットに半馬身届かず2着に敗北した。

1月27日、中2週で迎えた8戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（1戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では豪快な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のユーセイフェアリーを半馬身振り切って初の重賞タイトルを掴み取った。

2月24日、中3週で迎えた9戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/良）に牝馬ながら56kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で河内洋騎手（2戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4月21日、中7週で迎えた10戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で河内洋騎手（3戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて16番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では自慢の末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のユキノサンライズに1馬身3/4の差をつけて2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

5月12日、中2週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた11戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で河内洋騎手（4戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では鮮烈な末脚を爆発させて前にいた12頭をごぼう抜きし、最後は2着のダイタクヘリオスに1馬身1/4の差をつけて上半期マイル王の座に就いた。

7月7日、中7週で迎えた12戦目は、G2の高松宮杯（中京芝2000m 曇/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は6戦連続で河内洋騎手（5戦3勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外8番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では迫力のある伸び脚で猛追したが、抜け出したダイタクヘリオスにハナ差届かず2着に甘んじた。

10月26日、約3か月半の休み明けで迎えた13戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り曇/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は7戦連続で河内洋騎手（6戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。直線では迫力十分の伸びを見せたが、伸びてきたケイエスミラクル決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

11月17日、中2週で迎えた14戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で河内洋騎手（7戦3勝）。15頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では勝負根性が光る走りを見せたが、勝ったダイタクヘリオスに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

12月15日、中3週で迎えた15戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で河内洋騎手（8戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた10頭をごぼう抜きし、最後は2着のナルシスノワールに4馬身の差をつけて秋のスプリント王の座を手にした。

5歳（1992年）

3月1日、約2か月半の間隔を開けて迎えた16戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 曇/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。鞍上は10戦連続で河内洋騎手（9戦4勝）。11頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。壮絶なハイペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線ではいい脚を見せられず6着に敗れた。

4月25日、中7週で迎えた17戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は11戦連続で河内洋騎手（10戦4勝）。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位争いには加われず5着に敗れた。

5月17日、中2週で迎えた18戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で河内洋騎手（11戦4勝）。18頭立ての4番人気に推されて16番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは、大外に持ち出して7番手で通過。最後は勢いを失って15着に敗れた。