トーセンジョウオー（2001年生、母アナスミラビリス）

トーセンジョウオー（2001年3月25日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「冠名＋女王」。2007年にNARグランプリ最優秀牝馬、2008年にNARグランプリ最優秀牝馬を受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のティンバーカントリー（当時9歳）と交配したアナスミラビリスが11歳のときに産んだ5番仔が本馬である。産地は北海道三石郡三石町、生産者はヒサイファーム。戦績は、中央平地10戦2勝2着2回、地方18戦7勝2着2回。2007年のエンプレス杯(牝Jpn2)に勝利した他、2008年のスパーキングレディーカップ(牝Jpn3)を制するなど、重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

1歳のとき、ヒサイファームから「北海道セレクションセールサラブレッド1歳」に上場され、島川隆哉によって1,260万円で落札された。

国枝栄厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（2004年）

1月17日、デビュー戦は北村宏司騎手を鞍上に据えて、牝馬限定の3歳新馬（中山ダート1800m 曇/良）に出走。馬体重は496kg。10頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のコパノニキータに4馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

1月31日、中1週で迎えた2戦目は、後藤浩輝騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳500万下（東京ダート1600m 晴/良）に出走。15頭立ての8番人気で3番ゲートからスタート。端を奪う恰好となり、少し緩いペースで集団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では迫力のある伸びを見せたが、セカンドノホシに3/4馬身交わされて2着となった。

3月6日、中4週で迎えた3戦目は、3歳500万下（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で後藤浩輝騎手（1戦0勝）。12頭立ての1番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったスマートストリームに詰め切れず、4馬身差の2着に敗北した。

4月4日、中3週で迎えた4戦目は、3歳500万下（中山芝1800m 小雨/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は3戦連続で後藤浩輝騎手（2戦0勝）。11頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後はタレてしまい8着に敗れた。

4月24日、中2週で迎えた5戦目は、牝馬限定の3歳500万下（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で後藤浩輝騎手（3戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では自慢の末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のリッチスマイルをアタマ差振り切って1着ゴールを果たした。

6月9日、中6週で迎えた6戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G3の関東オークス（川崎ダート2100m 雨/重）に出走。重賞競走への出走は初となった。14頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のアクイレジアをクビ差振り切って重賞初挑戦初制覇を達成した。

7月20日、中5週で迎えた7戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（1戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではあとひと踏ん張りが利かず、5着に終わった。

11月21日、約4か月の休養明けで馬体重を前走から10kg減らして迎えた8戦目は、勝浦正樹騎手を鞍上に迎えて、霜月ステークス（東京ダート1400m 晴/稍重）に出走。13頭立ての12番人気で1番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では末脚が冴えず9着に終わった。

12月15日、中2週で迎えた9戦目は、牝馬限定G3のクイーン賞（船橋ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（2戦1勝）。14頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では脚が上がってしまい9着に敗れた。

4歳（2005年）

1月23日、中5週で迎えた10戦目は、小牧太騎手を鞍上に迎えて、G3の平安ステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての15番人気で11番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、16番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では決め手に欠いて15着に終わった。

2月9日、中1週で迎えた11戦目は、牝馬限定G2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 曇/稍重）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（3戦1勝）。12頭立ての6番人気で7番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では伸びが鈍く6着に敗れた。

5月15日、約3か月の休養明けで馬体重を前走から11kg増やして迎えた12戦目は、加藤士津八騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の新潟大賞典（新潟芝2000m 外回り晴/良）に51kgの軽斤量で出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての16番人気で6番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後は力尽きて15着に終わった。

6月1日、中1週で馬体重を前走からさらに10kg増やして迎えた13戦目は、牝馬限定G3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 晴/重）に出走。鞍上は後藤浩輝騎手（4戦1勝）。11頭立ての7番人気で9番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では鋭く末脚を伸ばして、最後は2着のグラッブユアハートをクビ差振り切って2つ目の重賞タイトルを掴み取った。

7月6日、中4週で迎えた14戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で後藤浩輝騎手（5戦2勝）。14頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るオルレアンを目の覚めるような末脚で交わし去り、最後は1馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

5歳（2006年）

4月5日、約9か月の休み明けで迎えた15戦目は、牝馬限定G3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 雨/不良）に出走。鞍上は3戦連続で後藤浩輝騎手（6戦3勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。前に出て、ミドルペースでレースを引っ張る。他馬と先頭を併走しながら4コーナーを通過。最後は脚勢が悪くなり8着に敗れた。

5月7日、中4週で迎えた16戦目は、ハンデ戦でオープンのサウジアラビアロイヤルカップ（東京ダート1600m 雨/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（4戦1勝）。16頭立ての11番人気で13番ゲートからスタート。果敢に端を奪い、ミドルペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後はバタバタになってしまい11着に終わった。

7月5日、中7週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた17戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 雨/不良）に出走。鞍上は後藤浩輝騎手（7戦3勝）。14頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではもうひと伸びが足りず、4着に終わった。

8月13日、中5週で馬体重を前走から12kg絞って迎えた18戦目は、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は北村宏司騎手（1戦1勝）。14頭立ての12番人気で10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では末脚が振るわず10着に終わった。

12月6日、約4か月の休養明けで馬体重を前走から33kg戻して迎えた19戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定のハンデG3のクイーン賞（船橋ダート1800m 晴/稍重）に出走。14頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では持ち前の粘り強さで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったレマーズガールに詰め切れず、6馬身差の2着となった。

6歳（2007年）

1月24日、中6週で迎えた20戦目は、牝馬限定Jpn3のTCK女王盃（大井ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で内田博幸騎手（1戦0勝）。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では堅実な伸びを見せたが、伸びてきたサウンドザビーチ決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

2月28日、中4週で迎えた21戦目は、牝馬限定Jpn2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で内田博幸騎手（2戦0勝）。12頭立ての4番人気で10番ゲートからスタート。敢然と先頭に立ち、非常に遅いペースでレースを引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のフサイチパンドラに1馬身半の差をつけて4つ目の重賞タイトルを掴み取った。

4月4日、中4週で迎えた22戦目は、牝馬限定Jpn3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 晴/不良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で内田博幸騎手（3戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、やや緩いペースで馬群を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では猛烈な末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のクリムゾンルージュに1馬身半の差をつけて重賞5勝目をマークした。

5月23日、中6週で迎えた23戦目は、酒井忍騎手を鞍上に迎えて、S2の大井記念（大井ダート2600m 晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。主導権を握り、非常に緩いペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では詰めが甘くなり、4着に終わった。

6月27日、中4週で迎えた24戦目は、Jpn1の帝王賞（大井ダート2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は内田博幸騎手（4戦2勝）。15頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。果敢に端を奪い、かなり遅いペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では余力が残っておらず10着に敗れた。

9月19日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から15kg増やして迎えた25戦目は、牝馬限定のハンデS2のトゥインクルレディー賞（大井ダート1600m 内回り曇/良）に牝馬ながら58.5kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で内田博幸騎手（5戦2勝）。13頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では末脚が振るわず6着に敗れた。

10月17日、中3週で迎えた26戦目は、S3の埼玉新聞杯（浦和ダート1900m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で内田博幸騎手（6戦2勝）。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のコアレスデジタルに4馬身の差をつけて8勝目を奪取した。

7歳（2008年）

7月16日、約9か月の休み明けで迎えた27戦目は、戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定Jpn3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。14頭立ての4番人気で10番ゲートからスタート。果敢に端をきり、若干緩いペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のメイショウバトラーに4馬身の差をつけて6つ目の重賞タイトルを獲得した。

9月17日、中8週で馬体重を前走から11kg増やして迎えた28戦目は、今野忠成騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定のハンデS2のトゥインクルレディー賞（大井ダート1600m 内回り晴/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。16頭立ての1番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。最後はバテてしまい15着に敗れた。