ヒコーキグモ（1994年生、母Bahrain Star）

ヒコーキグモ（1994年2月18日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬。牡馬。毛色は鹿毛。種牡馬のKeen（当時13歳）と交配したBahrain Starが13歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地35戦4勝2着1回。1997年のNHKマイルカップ(G1)で4着に入った他、1997年のきさらぎ賞(G3)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

谷潔厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1996年）

11月30日、デビュー戦はC.ナカタニ騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（阪神芝1600m 晴/良）に出走。馬体重は486kg。8頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。先陣を切る形となり、緩みのないペースでレースを進める。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線では末脚が続かず、3着に終わった。

12月8日、連闘で迎えた2戦目は、幸英明騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（阪神芝1400m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、厳しいペースで馬群を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のビッグサンデーに3馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（1997年）

2月2日、中7週で迎えた3戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、3歳G3のきさらぎ賞（京都芝1800m 外回り曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。10頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。ハナに立つ恰好となり、やや遅いペースで馬群を引っ張る。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線では不屈のスロトングスピリットで渋太く末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のテイエムトップダンをアタマ差振り切って重賞初挑戦初制覇を果たした。

2月23日、中2週で迎えた4戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、3歳G3のアーリントンカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。8頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、伸びてきたブレーブテンダー決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

4月20日、中7週で迎えた5戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、3歳G2のニュージーランドトロフィー4歳ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。最後は脚色が衰えて12着に敗れた。

5月11日、中2週で迎えた6戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、3歳G1のNHKマイルカップ（東京芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての9番人気で16番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では天稟の敢闘精神でゴールまで力走し、4着に入った。

6月29日、中6週で迎えた7戦目は、3歳G3のラジオたんぱ賞（福島芝1800m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（1戦0勝）。9頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。端に立つ形となり、平均ペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線に入ると、馬群に沈み4着に沈んだ。

11月16日、約4か月半の休養明けで馬体重を前走から20kg増やして迎えた8戦目は、後藤浩輝騎手を鞍上に迎えて、日本・メキシコ移民100周年記念メキシコカップ（東京芝1800m 曇/良）に出走。9頭立ての8番人気で1番ゲートからスタート。先手を奪う恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を先導。しかし、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを4番手で通過。最後は一杯になって8着に終わった。

12月7日、中2週で迎えた9戦目は、熊沢重文騎手を鞍上に迎えて、ポートアイランドステークス（阪神芝1600m 曇/良）に出走。13頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

4歳（1998年）

9月13日、約9か月半の休養明けで迎えた10戦目は、G3の朝日チャレンジカップ（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で熊沢重文騎手（1戦0勝）。10頭立ての9番人気で5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは、大外に持ち出して3番手で通過。最後は失速してしまい9着に終わった。

5歳（1999年）

3月21日、約6か月半の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた11戦目は、菊沢隆徳騎手を鞍上に迎えて、東風ステークス（中山芝1600m 外回り雨/不良）に出走。14頭立ての12番人気で12番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では伸びあぐねて10着に終わった。

4月17日、中3週で迎えた12戦目は、G3のプロキオンステークス（阪神ダート1400m 曇/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は松永幹夫騎手（1戦1勝）。16頭立ての13番人気で2番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。最後は脚を失くしてしまい13着に終わった。

6月5日、中6週で迎えた13戦目は、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は菊沢隆徳騎手（1戦0勝）。18頭立ての16番人気で6番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では天資の勝負根性でゴールまで力戦し、5着を確保した。

7月11日、中4週で迎えた14戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。12頭立ての9番人気で2番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。直線では最後まで息が続かず10着に終わった。

8月8日、中3週で迎えた15戦目は、中舘英二騎手を鞍上に迎えて、G3の関屋記念（新潟芝1600m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての7番人気で16番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後はバテてしまい14着に敗れた。

9月12日、中4週で迎えた16戦目は、大西直宏騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京成杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に54kgの軽斤量で出走。15頭立ての9番人気で1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線に入ると、粘り切れず6着に敗れた。

10月24日、中5週で迎えた17戦目は、北村宏司騎手を鞍上に迎えて、アイルランドトロフィー（東京芝1600m 晴/良）に出走。12頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。先手を奪う恰好となり、平均ペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では伸びが甘くなり、4着に終わった。

11月27日、中4週で迎えた18戦目は、江田照男騎手を鞍上に迎えて、G3の富士ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。18頭立ての12番人気で11番ゲートからスタート。ハナに立つ形となり、厳しいペースで馬群を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は失速してしまい11着に終わった。

12月25日、中3週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた19戦目は、クリスマスステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は大西直宏騎手（1戦0勝）。9頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。端に立ち、若干緩いペースで一団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではゴールまでジンワリと伸び、3着を確保した。

6歳（2000年）

1月16日、中2週で迎えた20戦目は、ハンデ戦でオープンのニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り曇/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で大西直宏騎手（2戦0勝）。14頭立ての10番人気で9番ゲートからスタート。逃げる形となり、緩みのないペースでレースを牽引。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線では天性の勝負根性でゴールまで力闘し、4着を確保した。

2月6日、中2週で迎えた21戦目は、秋山真一郎騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の小倉大賞典（小倉芝1800m 曇/良）に54kgの軽斤量で出走。16頭立ての10番人気で4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは、大外に持ち出して7番手で通過。最後はガス欠状態になり14着に終わった。

3月19日、中5週で迎えた22戦目は、ハンデ戦でオープンの東風ステークス（中山芝1600m 外回り曇/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は後藤浩輝騎手（1戦0勝）。15頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では、そのまま渾身の走りで持ち堪えて、最後は2着のエアガッツに1馬身1/4の差をつけて久々に美酒を浴びた。

4月15日、中3週で迎えた23戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 雨/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（2戦1勝）。18頭立ての13番人気で14番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は力尽きて14着に終わった。

5月7日、中2週で迎えた24戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、都大路ステークス（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。16頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。ハナを奪い、平均的なペースで一団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は力尽きて8着に敗れた。

6月11日、中4週で迎えた25戦目は、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 雨/不良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（1戦0勝）。15頭立ての13番人気で9番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、やや厳しいペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は勢いを失って8着に終わった。

12月24日、約6か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた26戦目は、角田晃一騎手を鞍上に迎えて、カウントダウンステークス（阪神芝1600m 晴/良）に出走。16頭立ての10番人気で8番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。最後は脚が止まってしまい13着に終わった。

7歳（2001年）

3月18日、約3か月の間隔を開けて迎えた27戦目は、ハンデ戦でオープンの東風ステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は後藤浩輝騎手（2戦1勝）。14頭立ての8番人気で1番ゲートからスタート。先手を奪い、若干速いペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では最後まで息が続かず7着に終わった。

4月21日、中4週で迎えた28戦目は、オーストラリアトロフィー（京都芝1800m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は幸英明騎手（1戦1勝）。14頭立ての6番人気で12番ゲートからスタート。端を奪い、ミドルペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一歩一歩確実に差を詰めて、最後は2着のセンターフレッシュをクビ差振り切って優勝

5月13日、中2週で迎えた29戦目は、都大路ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で幸英明騎手（2戦2勝）。16頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。先手を取り、平均的なペースで一団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では余力が残っておらず8着に敗れた。

6月10日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた30戦目は、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（2戦0勝）。18頭立ての8番人気で13番ゲートからスタート。ハナを奪う恰好となり、やや遅いペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では天性の負けん気を発揮してゴールまで力闘し、4着に入った。

6月23日、中1週で迎えた31戦目は、ハンデ戦でオープンの米子ステークス（阪神芝1600m 雨/良）に出走。鞍上は幸英明騎手（3戦2勝）。12頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。果敢にハナを奪い、少し速いペースで一団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では脚色がやや鈍り、3着に終わった。

7月29日、中4週で迎えた32戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、NSTオープン（新潟芝1800m 外回り晴/良）に出走。12頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。主導権を奪う恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は一杯になって9着に敗れた。

8歳（2002年）

11月2日、約15か月半の休み明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた33戦目は、カシオペアステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は角田晃一騎手（1戦0勝）。16頭立ての14番人気で8番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを10番手で通過。最後は脚勢が鈍り16着に終わった。

11月23日、中2週で迎えた34戦目は、飯田祐史騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京阪杯（京都芝1800m 外回り晴/良）に54kgの軽斤量で出走。15頭立ての14番人気で2番ゲートからスタート。果敢に端をきり、ミドルペースで一団を引っ張る。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。最後はガス欠状態になり15着に終わった。

12月22日、中3週で迎えた35戦目は、小林徹弥騎手を鞍上に迎えて、2002ファイナルステークス（阪神芝1600m 晴/稍重）に出走。16頭立ての15番人気で13番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後は一杯になって13着に終わった。