エルカーサリバー（1989年生、母アマゾンレツド）

エルカーサリバー（1989年4月7日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。毛色は鹿毛。種牡馬のバンブーアトラス（当時10歳）と交配したアマゾンレツドが11歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡荻伏村、生産者は猿橋義昭。戦績は、中央平地25戦6勝2着3回。1993年の日経新春杯(G2)に勝利した他、1992年のローズステークス(牝G2)を制するなど、重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

田中良平厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1991年）

7月13日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（札幌ダート1000m 曇/良）に出走。馬体重は456kg。6頭立ての3番人気で2番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではじわじわとしか伸びず6着に敗れた。

7月27日、中1週で迎えた2戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（札幌芝1200m 小雨/稍重）に出走。芝レースへの出走は初となった。11頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

8月17日、中2週で迎えた3戦目は、3歳未勝利（函館芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（1戦0勝）。7頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前のタフネスでしぶとく脚を伸ばしたが、勝ったフィッツバルディを3/4馬身捉え切れず2着となった。

12月1日、約3か月半の休み明けで迎えた4戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、3歳未勝利（阪神芝1400m 晴/良）に出走。11頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では圧倒的な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のトキオカルメンを半馬身振り切って初白星を挙げた。

12月14日、中1週で迎えた5戦目は、安田隆行騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下の千両賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。16頭立ての14番人気で1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを13番手で通過。直線では上がり1位の伸び脚を披露したが上位には割り込めず6着に終わった。

3歳（1992年）

1月5日、中2週で迎えた6戦目は、山田泰誠騎手を鞍上に迎えて、4歳500万下の福寿草特別（京都芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線ではビュッと切れる脚で追い上げたが、抜け出したジョージティムスに半馬身届かず2着となった。

2月1日、中3週で迎えた7戦目は、4歳500万下のつばき賞（京都芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で山田泰誠騎手（1戦0勝）。10頭立ての3番人気で1番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線では豪脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のサークルワンダーに2馬身半の差をつけて2勝目を手中に収めた。

3月8日、中4週で迎えた8戦目は、3歳G3のアーリントンカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で山田泰誠騎手（2戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るテイエムチカラを交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

4月12日、中4週で迎えた9戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で山田泰誠騎手（3戦2勝）。18頭立ての4番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。激烈なハイペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では終いの伸びを欠き、5着に終わった。

5月24日、中5週で迎えた10戦目は、柴田政人騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての9番人気で17番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線ではゴールまでじわりじわりと伸びたが、5着に終わった。

10月4日、約4か月半の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた11戦目は、牝馬限定3歳G3のサファイヤステークス（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は山田泰誠騎手（4戦2勝）。14頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では末脚が冴えず6着に敗れた。

10月25日、中2週で馬体重を前走から10kg絞って迎えた12戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（京都芝2000m 外回り晴/良）に出走。鞍上は柴田政人騎手（1戦0勝）。13頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、自慢の末脚を炸裂させて、最後は2着のサンエイサンキューに2馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルを掴み取った。

11月15日、中2週で迎えた13戦目は、牝馬限定3歳G1のエリザベス女王杯（京都芝2400m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で柴田政人騎手（2戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸びたが、6着に終わった。

12月20日、中4週で迎えた14戦目は、牝馬限定のハンデG3のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝2000m 雨/稍重）に出走。鞍上は山田泰誠騎手（5戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では持ち前の忍耐力で最後まで脚を伸ばしたが、ユーセイフェアリーにクビ差交わされて2着に甘んじた。

4歳（1993年）

1月5日、中1週で迎えた15戦目は、ハンデG3の金杯（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で山田泰誠騎手（6戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。主導権を奪い、遅いペースで一団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では不屈の闘争本能で渋太く末脚を持続させて、最後は2着のエイシンテネシーを3/4馬身振り切って3つ目の重賞タイトルを獲得した。

1月24日、中2週で迎えた16戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で山田泰誠騎手（7戦3勝）。12頭立ての6番人気で1番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では勢いよく末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のナイスネイチャをクビ差振り切って4つ目の重賞タイトルを手に入れた。

3月14日、中6週で迎えた17戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では長くいい末脚でゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4月4日、中2週で迎えた18戦目は、G2の産經大阪杯（阪神芝2000m 雨/良）に出走。鞍上は山田泰誠騎手（8戦4勝）。16頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では速い脚を持続できず、4着に終わった。

11月21日、約7か月半の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた19戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り雨/不良）に出走。鞍上は2戦連続で山田泰誠騎手（9戦4勝）。15頭立ての14番人気で6番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。最後は脚色が悪くなり12着に終わった。

12月26日、中4週で迎えた20戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。14頭立ての14番人気で1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では他馬と同じ脚色になってしまい12着に終わった。

5歳（1994年）

1月23日、中3週で迎えた21戦目は、南井克巳騎手を鞍上に迎えて、ハンデG2の日経新春杯（阪神芝2500m 曇/良）に出走。16頭立ての12番人気で7番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位争いには加われず6着に終わった。

3月6日、中5週で迎えた22戦目は、G2のマイラーズカップ（中京芝1700m 晴/良）に出走。鞍上は山田泰誠騎手（10戦4勝）。11頭立ての8番人気で大外11番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線ではジリ脚になってしまい7着に終わった。

4月3日、中3週で迎えた23戦目は、G2の産經大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で山田泰誠騎手（11戦4勝）。14頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では天稟の負けん性を発揮してゴールまで力走したが、5着に終わった。

5月14日、中5週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた24戦目は、G3の京阪杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で山田泰誠騎手（12戦4勝）。14頭立ての5番人気で12番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では末脚のキレが鈍く12着に敗れた。

7月10日、中7週で馬体重を前走から10kg絞って迎えた25戦目は、上村洋行騎手を鞍上に迎えて、G2の高松宮杯（中京芝2000m 晴/良）に出走。13頭立ての9番人気で4番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線ではじわじわとしか伸びず7着に終わった。