テルツェット（2017年生、母ラッドルチェンド）

テルツェット（2017年4月20日）は、日本の競走馬。牝馬。馬名の意味は「三重奏、三重唱(音楽用語)。本馬が母の3番仔より連想」。毛色は鹿毛。種牡馬のディープインパクト（当時15歳）と交配したラッドルチェンドが8歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。2021年のダービー卿チャレンジトロフィー(ハンデG3)に勝利した他、2022年のクイーンステークス(牝G3)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

1歳のとき、ノーザンファームから「セレクトセールサラブレッド1歳」に上場され、シルク・ホースクラブによって5,400万円で落札された。

シルクホースクラブにて総額5,600万円（11.2万×500口）で一口馬主が募集された。

和田正一郎厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2019年）

12月7日、デビュー戦は柴山雄一騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（中山芝1800m 雨/稍重）に出走。馬体重は422kg。15頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では凄まじい末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のルヴェルソーに2馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（2020年）

3月31日、約4か月の休養明けで迎えた2戦目は、牝馬限定3歳1勝クラスのミモザ賞（中山芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で柴山雄一騎手（1戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始4番手を追走。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走したが、3着に終わった。

8月15日、約4か月半の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた3戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1勝クラスの村上特別（新潟芝1600m 外回り曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。17頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のリーディングパートに3馬身の差をつけて久々の一戦をモノにした。

11月1日、約2か月半の間隔を開けて迎えた4戦目は、戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、3歳以上2勝クラスの国立特別（東京芝1600m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では圧倒的な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のレッドヴァールをクビ差振り切ってファンの期待に応えた。

4歳（2021年）

1月31日、約3か月の休養明けで迎えた5戦目は、4歳以上3勝クラスの節分ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で戸崎圭太騎手（1戦1勝）。12頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線ではグングンと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のオールイズウェルをハナ差振り切って4勝目を掴み取った。

4月3日、中8週で迎えた6戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。15頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、強烈な末脚を爆発させて、最後は2着のカテドラルに1馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を達成した。

5月16日、中5週で迎えた7戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続でM.デムーロ騎手（1戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線ではジリ脚になってしまい14着に敗れた。

8月1日、約2か月半の間隔を開けて迎えた8戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3の北海道新聞杯クイーンステークス（函館芝1800m 雨/良）に出走。12頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線ではグングンと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のマジックキャッスルをクビ差振り切って重賞2勝目をマークした。

11月14日、約3か月半の休み明けで迎えた9戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上はM.デムーロ騎手（2戦1勝）。17頭立ての4番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを9番手で通過。直線では脚が残っておらず11着に敗れた。

5歳（2022年）

3月12日、約4か月の休み明けで迎えた10戦目は、田辺裕信騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、15番手を追走し、4コーナーは16番手で通過。直線ではパワフルな末脚を繰り出したが、5着に終わった。

5月15日、中8週で迎えた11戦目は、D.レーン騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 曇/良）に出走。18頭立ての8番人気で大外18番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始18番手を追走。直線では上がり1位タイの末脚を見せたが上位争いには加われず13着に敗れた。

7月31日、約2か月半の間隔を開けて迎えた12戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 晴/良）に出走。14頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線ではグングンと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のサトノセシルをハナ差振り切って重賞3勝目を挙げた。

11月13日、約3か月半の休み明けで迎えた13戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（阪神芝2200m 曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で池添謙一騎手（1戦1勝）。18頭立ての16番人気で16番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では切れる脚を使えず12着に終わった。

2022年12月8日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。