フィルードヴォン（1989年生、母Sunny Smile）

フィルードヴォン（1989年4月2日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。毛色は鹿毛。種牡馬のDanzig（当時12歳）と交配したSunny Smileが17歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地17戦4勝2着4回。1993年のオータムスプリントステークス(オープン)で2着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

鈴木清厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（1992年）

7月19日、デビュー戦は田中勝春騎手を鞍上に据えて、4歳未勝利（新潟ダート1700m 曇/重）に出走。馬体重は496kg。12頭立ての3番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではしぶとく脚を使って伸び続けたが、勝ったコクサイバーンズに詰め切れず、6馬身差の2着に敗北した。

8月2日、中1週で迎えた2戦目は、4歳未勝利（新潟ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で田中勝春騎手（1戦0勝）。12頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。端をきり、平均的なペースで一団を牽引。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では、そのまま渾身の粘り腰で末脚を持続させて、最後は2着のドラゴンダンサーに2馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

9月12日、中5週で馬体重を前走から14kg減らして迎えた3戦目は、4歳以上500万下の葛飾特別（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は3戦連続で田中勝春騎手（2戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではしっかりと終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のユーコーハイレディに1馬身1/4の差をつけて2勝目を奪取した。

12月20日、約3か月半の休み明けで馬体重を前走から8kg戻して迎えた4戦目は、4歳以上900万下の千葉テレビ杯（中山ダート1200m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で田中勝春騎手（3戦2勝）。14頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを14番手で通過。直線では他馬と同じような脚勢になり11着に敗れた。

4歳（1993年）

5月16日、約5か月の休み明けで迎えた5戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、5歳以上900万下の金峰山特別（東京芝1600m 晴/良）に出走。13頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。敢然と端をきり、若干緩いペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では伸びが続かず、4着に終わった。

6月5日、中2週で迎えた6戦目は、柴田政人騎手を鞍上に迎えて、5歳以上900万下の石和特別（東京芝1600m 曇/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では息長く末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のフミノアモールを3/4馬身振り切ってファンの支持に応えた。

7月17日、中5週で迎えた7戦目は、4歳以上900万下の弥彦特別（新潟芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は田中勝春騎手（4戦2勝）。12頭立ての2番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では持ち前のしぶとさで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったマイスタージンガーに詰め切れず、4馬身差の2着に敗北した。

8月1日、中1週で迎えた8戦目は、ハンデ戦で4歳以上900万下のNST賞（新潟芝1400m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で田中勝春騎手（5戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではしっかりと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のキクノエリザベスに1馬身の差をつけて単勝一倍台の評価に応えた。

10月2日、中8週で迎えた9戦目は、オータムスプリントステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で田中勝春騎手（6戦3勝）。12頭立ての6番人気で11番ゲートからスタート。かなり厳しいペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したサクラバクシンオーに半馬身届かず2着となった。

11月14日、中5週で迎えた10戦目は、牝馬限定戦のユートピアステークス（東京芝1400m 晴/重）に出走。鞍上は4戦連続で田中勝春騎手（7戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸びたが、4着に終わった。

12月4日、中2週で迎えた11戦目は、仲冬ステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で田中勝春騎手（8戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。タフなペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では強靭な末脚を繰り出したが、4着に終わった。

5歳（1994年）

4月17日、約4か月半の休養明けで迎えた12戦目は、卯月ステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で田中勝春騎手（9戦3勝）。13頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを10番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位には食い込めず9着に敗れた。

6月12日、中7週で迎えた13戦目は、フリーウェイステークス（東京芝1400m 雨/良）に出走。鞍上は7戦連続で田中勝春騎手（10戦3勝）。9頭立ての2番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、伸びてきたベストダージリン決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

7月17日、中4週で迎えた14戦目は、坂井千明騎手を鞍上に迎えて、朱鷺ステークス（新潟芝1400m 晴/良）に出走。11頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では今一つ伸び切れず5着に敗れた。

6歳（1995年）

7月8日、約12か月の休養明けで馬体重を前走から22kg増やして迎えた15戦目は、安達太良ステークス（福島芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で坂井千明騎手（1戦0勝）。16頭立ての13番人気で大外16番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを10番手で通過。直線では長くいい末脚でゴールまで走り切り、4着に入り込んだ。

8月12日、中4週で迎えた16戦目は、新潟競馬場開設30周年記念天の川ステークス（新潟芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で坂井千明騎手（2戦0勝）。14頭立ての6番人気で7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では天性の闘志でゴールまで力闘したが、5着に終わった。

9月2日、中2週で迎えた17戦目は、ハンデ戦の新潟日報賞（新潟芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で坂井千明騎手（3戦0勝）。17頭立ての6番人気で14番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では上がり3位の末脚を繰り出したが上位には届かず9着に敗れた。