パッシングスルー（2016年生、母マイティースルー）

パッシングスルー（2016年3月21日）は、日本の競走馬。牝馬。馬名の意味は「抜き去る。ライバルを華麗に交わすシーンをイメージして」。毛色は鹿毛。種牡馬のルーラーシップ（当時9歳）と交配したマイティースルーが11歳のときに産んだ5番仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。2019年の紫苑ステークス(牝G3)に勝利した他、2020年のエンプレス杯(牝Jpn2)で3着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

キャロットクラブにて総額2,000万円（5万×400口）で一口馬主が募集された。

黒岩陽一厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2018年）

10月13日、デビュー戦は池添謙一騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京芝1600m 曇/良）に出走。馬体重は460kg。18頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線に入ると、前で粘るワイドファラオを次元の違う末脚でクビ差だけ差し切って初白星を挙げた。

3歳（2019年）

1月6日、約3か月の間隔を開けて迎えた2戦目は、3歳G3のシンザン記念（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。重賞競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で池添謙一騎手（1戦1勝）。12頭立ての5番人気で9番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで力戦したが、4着に終わった。

4月21日、約3か月半の休み明けで迎えた3戦目は、石橋脩騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G2のフローラステークス（東京芝2000m 晴/良）に出走。18頭立ての6番人気で8番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では出色の末脚を披露し、4着に入った。

7月7日、約2か月半の間隔を開けて迎えた4戦目は、戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1勝クラス（福島芝2000m 曇/稍重）に出走。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて難なく抜け出し、最後は2着のハギノカエラに3馬身の差をつけて断トツの支持に応えた。

9月7日、中8週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G3の紫苑ステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で戸崎圭太騎手（1戦1勝）。15頭立ての2番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一気に末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のフェアリーポルカをハナ差振り切って初の重賞タイトルを獲得した。

10月13日、中4週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/稍重）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で戸崎圭太騎手（2戦2勝）。17頭立ての9番人気で16番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では末脚がパッとせず10着に敗れた。

4歳（2020年）

1月18日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた7戦目は、牝馬限定のハンデG3の愛知杯（小倉芝2000m 小雨/重）に出走。鞍上は池添謙一騎手（2戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず7着に敗れた。

3月5日、中6週で迎えた8戦目は、森泰斗騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定Jpn2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/稍重）に出走。ダート戦への出走は初となった。13頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では切れ味光る末脚を披露したが、3着に終わった。

4月2日、中3週で迎えた9戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定Jpn3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 晴/重）に出走。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では鋭い脚を使えず9着に敗れた。

2020年4月9日付で地方競馬の競走馬登録を抹消した。

7月12日、約3か月半の休み明けで迎えた10戦目は、ハンデG3の七夕賞（福島芝2000m 曇/重）に出走。鞍上は戸崎圭太騎手（3戦2勝）。16頭立ての10番人気で4番ゲートからスタート。先陣を切る恰好となり、後続を2馬身以上離して、ミドルペースでレースを牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線に入ると、粘りを欠いて6着に敗れた。

12月20日、約5か月半の休み明けで迎えた11戦目は、丸山元気騎手を鞍上に迎えて、ディセンバーステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。15頭立ての5番人気で14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを9番手で通過。直線では他馬と同じ脚勢になってしまい9着に敗れた。

5歳（2021年）

4月24日、約4か月の休み明けで迎えた12戦目は、津村明秀騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3の福島牝馬ステークス（新潟芝1800m 外回り晴/良）に出走。15頭立ての9番人気で3番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を繰り出したが上位争いには加われず10着に終わった。

6月20日、中7週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた13戦目は、荻野極騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定のハンデG3のマーメイドステークス（阪神芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての15番人気で11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始9番手を追走。最後は減速してしまい16着に終わった。