アイビートウコウ（1985年生、母トウコウアドロ）

アイビートウコウ（1985年4月21日）は、日本の競走馬。牡馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のホスピタリテイ（当時6歳）と交配したトウコウアドロが9歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道新冠郡新冠町、生産者は（有）ラツキー牧場。戦績は、中央平地26戦6勝2着2回。1989年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)に勝利した他、1989年の谷川岳ステークス(オープン)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

稲葉幸夫厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（1987年）

10月4日、デビュー戦は吉沢宗一騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（福島芝1200m 晴/良）に出走。馬体重は460kg。13頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。端に立つ恰好となり、些か速いペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではものすごい伸び脚で驀進したが、タイガーローザに交わされて1馬身半差の2着となった。

10月17日、中1週で迎えた2戦目は、3歳新馬（福島芝1000m 曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で吉沢宗一騎手（1戦0勝）。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。先手を奪う恰好となり、平均ペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では自慢の末脚を弾けさせて悠々と抜け出し、最後は2着のアンバーネックレスに3馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

11月8日、中2週で迎えた3戦目は、3歳400万下の野菊賞（福島芝1700m 晴/不良）に出走。鞍上は3戦連続で吉沢宗一騎手（2戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。主導権を握る形となり、やや緩いペースで馬群を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のタイガーローザに6馬身の差をつけて2勝目をつかんだ。

11月22日、中1週で迎えた4戦目は、2歳オープンの福島3歳ステークス（福島芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で吉沢宗一騎手（3戦2勝）。10頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では末脚がパッとせず6着に敗れた。

12月11日、中2週で迎えた5戦目は、嶋田功騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンのすずかけ賞（中山芝1200m 外回り曇/稍重）に出走。7頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、厳しいペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではグングンと末脚を伸ばして、最後は2着のシルバースパンカーに3馬身の差をつけて3勝目を挙げた。

3歳（1988年）

2月28日、約2か月半の間隔を開けて迎えた6戦目は、3歳オープンのバイオレット賞（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で嶋田功騎手（1戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。敢然と先頭に立ち、ややハイペースでレースを引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一完歩ずつ前との差を詰めて、最後は2着のジムクインをクビ差振り切って制した。

3月27日、中3週で迎えた7戦目は、郷原洋行騎手を鞍上に迎えて、3歳G2のスプリングステークス（東京芝1800m 曇/重）に出走。重賞競走への出走は初となった。10頭立ての3番人気で9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では脚が残っておらず6着に敗れた。

4月17日、中2週で迎えた8戦目は、3歳G1の皐月賞（東京芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で郷原洋行騎手（1戦0勝）。18頭立ての10番人気で4番ゲートからスタート。ハナに立つ形となり、やや緩いペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は失速してしまい15着に終わった。

5月7日、中2週で迎えた9戦目は、3歳オープンの菖蒲特別（東京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で郷原洋行騎手（2戦0勝）。11頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ハナに立つ形となり、やや厳しいペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では終いが甘くなり、3着に終わった。

6月5日、中3週で迎えた10戦目は、3歳G2のニュージーランドトロフィー4歳ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で郷原洋行騎手（3戦0勝）。13頭立ての6番人気で大外13番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、平均ペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は勢いを失って12着に敗れた。

11月6日、約5か月の休養明けで迎えた11戦目は、中舘英二騎手を鞍上に迎えて、G3の根岸ステークス（東京ダート1400m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。13頭立ての11番人気で10番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。最後は失速してしまい13着に終わった。

11月20日、中1週で迎えた12戦目は、ハンデG3の福島記念（福島芝2000m 曇/重）に51kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で中舘英二騎手（1戦0勝）。14頭立ての11番人気で12番ゲートからスタート。敢然と端をきり、若干速いペースで一団を引っ張る。しかし、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを9番手で通過。直線では末脚がパッとせず10着に終わった。

12月18日、中3週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた13戦目は、蓑田早人騎手を鞍上に迎えて、G3のCBC賞（中京芝1200m 晴/良）に53kgの軽斤量で出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての12番人気で大外16番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを14番手で通過。直線では末脚を伸ばせず16着に終わった。

4歳（1989年）

1月20日、中4週で迎えた14戦目は、ニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り曇/不良）に出走。鞍上は中舘英二騎手（2戦0勝）。9頭立ての9番人気で大外9番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを9番手で通過。直線では上がり2位タイの末脚を見せたが上位には食い込めず6着に終わった。

2月5日、中1週で迎えた15戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で中舘英二騎手（3戦0勝）。9頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では伸びが劣勢になり7着に終わった。

2月25日、中2週で迎えた16戦目は、柴田政人騎手を鞍上に迎えて、アメジストステークス（中山芝1600m 外回り小雨/不良）に出走。8頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では上がり2位の末脚を見せたが上位には割り込めず4着に敗れた。

3月26日、中3週で迎えた17戦目は、ハンデ戦でオープンのマーチステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に53kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で柴田政人騎手（1戦0勝）。12頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

4月16日、中2週で迎えた18戦目は、谷川岳ステークス（新潟芝1600m 外回り曇/重）に出走。鞍上は吉沢宗一騎手（4戦2勝）。9頭立ての2番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線に入ると、前で粘るアドバンスモアを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて勝利を手に入れた。

5月14日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた19戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で吉沢宗一騎手（5戦3勝）。17頭立ての15番人気で7番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では他馬と同じような脚勢になり9着に終わった。

6月3日、中2週で迎えた20戦目は、パラダイスステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は柴田政人騎手（2戦0勝）。10頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では末脚にキレが無く6着に敗れた。

11月12日、約5か月半の休み明けで馬体重を前走から22kg増やして迎えた21戦目は、富士ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は中舘英二騎手（4戦0勝）。9頭立ての9番人気で6番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち味のファイティングスピリットで最後まで奮闘したが、オラクルアスカにアタマ差交わされて2着となった。

12月3日、中2週で迎えた22戦目は、G3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は郷原洋行騎手（4戦0勝）。13頭立ての8番人気で3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら5番手で通過。直線ではきっちりと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のバリエンテーをクビ差振り切って待望の重賞初制覇を果たした。

12月23日、中2週で迎えた23戦目は、クリスマスステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で郷原洋行騎手（5戦1勝）。16頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸び、3着に入った。

5歳（1990年）

1月7日、中1週で迎えた24戦目は、ニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で郷原洋行騎手（6戦1勝）。8頭立ての3番人気で2番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では見せ場を作れず5着に敗れた。

9月29日、約9か月の休養明けで迎えた25戦目は、オータムスプリントステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は中舘英二騎手（5戦0勝）。11頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では全く伸びず6着に終わった。

6歳（1991年）

1月6日、約3か月半の休み明けで迎えた26戦目は、ニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で中舘英二騎手（6戦0勝）。10頭立ての5番人気で大外10番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを9番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず6着に敗れた。