ファインモーション（1999年生、母Cocotte）

ファインモーション（1999年1月27日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。2002年にJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のデインヒル（当時13歳）と交配したCocotteが17歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地15戦8勝2着3回。2002年のエリザベス女王杯(牝G1)に勝利した他、2003年のマイルチャンピオンシップ(G1)で2着に入るなど、G1級競走2勝を含む重賞5勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤雄二厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2001年）

12月1日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（阪神芝2000m 晴/良）に出走。馬体重は488kg。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。主導権を握り、非常に緩いペースで一団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では途轍もない末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のネオマエストロに4馬身の差をつけて初白星を挙げた。

3歳（2002年）

8月4日、約8か月の休み明けで迎えた2戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、3歳以上500万下（函館芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るプリティジュエルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は5馬身の差をつけて久方ぶりの一戦を制した。

8月25日、中2週で迎えた3戦目は、ハンデ戦で3歳以上1000万下の阿寒湖特別（札幌芝2600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（1戦1勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るメジロライデンを次元の違う末脚で交わし去り、最後は5馬身の差をつけて負け無しの3連勝を決めた。

9月15日、中2週で迎えた4戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で松永幹夫騎手（2戦2勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて難なく抜け出し、最後は2着のサクラヴィクトリアに3馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

10月13日、中3週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて12番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のサクラヴィクトリアに3馬身半の差をつけてG1初挑戦初制覇を果たした。

11月10日、中3週で迎えた6戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（2戦2勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて12番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のダイヤモンドビコーに2馬身半の差をつけて中距離女王の称号を奪取した。

12月22日、中5週で迎えた7戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/稍重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（3戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ハナを奪い、少し遅いペースで一団を先導。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線では脚色がやや鈍り、5着に終わった。

4歳（2003年）

8月17日、約8か月の休み明けで迎えた8戦目は、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 晴/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（4戦3勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で急追したが、抜け出したオースミハルカにクビ差届かず2着に甘んじた。

10月12日、中7週で迎えた9戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 曇/稍重）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（5戦3勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。端を奪う形となり、平均ペースで馬群を引っ張る。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。最後は垂れてしまい7着に敗れた。

11月23日、中5週で迎えた10戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（6戦3勝）。18頭立ての2番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線ではスパッと切れる脚で猛進したが、伸びてきたデュランダル決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。

12月21日、中3週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた11戦目は、牝馬限定G2の阪神牝馬ステークス（阪神芝1600m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（7戦3勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では豪快な末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のハッピーパスをクビ差振り切って重賞4勝目をマークした。

5歳（2004年）

6月6日、約5か月半の休み明けで馬体重を前走から16kg絞って迎えた12戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 雨/稍重）に出走。鞍上は8戦連続で武豊騎手（8戦4勝）。18頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では伸びが鈍く13着に敗れた。

7月25日、中6週で馬体重を前走から12kg戻して迎えた13戦目は、ハンデG3の函館記念（函館芝2000m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は9戦連続で武豊騎手（9戦4勝）。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を見せたが、伸びてきたクラフトワーク決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

8月22日、中3週で迎えた14戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は10戦連続で武豊騎手（10戦4勝）。11頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のバランスオブゲームを半馬身振り切って重賞5勝目をマークした。

11月21日、約3か月の休み明けで迎えた15戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で武豊騎手（11戦5勝）。16頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では決め手に欠いて9着に敗れた。