ブロードアピール（1994年生、母Valid Allure）

ブロードアピール（1994年4月13日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のBroad Brush（当時11歳）と交配したValid Allureが10歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地32戦12勝2着4回、地方3戦1勝2着1回、海外1戦0勝。2001年のJBCスプリント(G1)で2着に入った他、1999年のスワンステークス(G2)で2着に入る活躍をした。その他にも重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

松田国英厩舎（栗東）へ入厩。

4歳（1998年）

9月12日、デビュー戦は横山賀一騎手を鞍上に据えて、4歳以上500万下（札幌芝1200m 曇/良）に出走。馬体重は474kg。15頭立ての8番人気で6番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切り、3着に入った。

9月20日、連闘で迎えた2戦目は、4歳以上500万下（札幌ダート1000m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で横山賀一騎手（1戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では一完歩ずつ前との差を詰めて先頭をうかがい、最後は2着のアプサラをハナ差振り切って初勝利を挙げた。

10月25日、中4週で迎えた3戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、4歳以上500万下の堀川特別（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。最後は勢いを失って11着に敗れた。

11月14日、中2週で迎えた4戦目は、武幸四郎騎手を鞍上に迎えて、4歳以上500万下（京都芝1200m 晴/良）に出走。18頭立ての4番人気に推されて14番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では自慢の末脚を爆発させて悠々と抜け出し、最後は2着のハギノオベイションに3馬身の差をつけて2勝目を手に入れた。

11月29日、中1週で迎えた5戦目は、秋山真一郎騎手を鞍上に迎えて、4歳以上500万下の清洲特別（中京芝1200m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを9番手で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のアーネストリーランに3馬身の差をつけて制した。

12月26日、中3週で迎えた6戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、4歳以上900万下（阪神芝1600m 晴/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では豪脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のテンザンストームに2馬身の差をつけて勝利をモノにする

5歳（1999年）

1月5日、中0週で迎えた7戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、5歳以上900万下の室町特別（京都芝1200m 晴/良）に出走。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線に入ると、前で粘るフィールドノンノンを驚異的な末脚で交わし去り、最後は2馬身の差をつけて破竹の4連勝を決めた。

1月30日、中3週で迎えた8戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では力強いフットワークでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

3月6日、中4週で迎えた9戦目は、牝馬限定の5歳以上1600万下のうずしおステークス（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線に入ると、前で粘るニシノファイナルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は4馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

4月10日、中4週で迎えた10戦目は、ハンデG3の阪急杯（阪神芝1200m 雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではスパッとキレる脚で追い上げたが、抜け出したキョウエイマーチを差し切れず、1馬身差の2着に敗北した。

5月15日、中4週で迎えた11戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではやや伸びを欠き、6着に終わった。

5月23日、連闘で迎えた12戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。16頭立ての6番人気で11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では上がり2位タイの伸び脚を披露したが上位争いには加われず6着に敗れた。

10月3日、約4か月半の休養明けで迎えた13戦目は、G3のセントウルステークス（阪神芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は武幸四郎騎手（1戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、馬場の外目を回って3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では伸びを欠き5着に敗れた。

10月30日、中3週で迎えた14戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（4戦2勝）。12頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線ではシャープな伸び脚で急追したが、勝ったブラックホークに詰め切れず、2馬身差の2着に敗北した。

11月27日、中3週で迎えた15戦目は、M.キネーン騎手を鞍上に迎えて、G3の富士ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを9番手で通過。直線では持ち前の忍耐力で最後まで脚を伸ばしたが、勝ったレッドチリペッパーにねじ伏せられて3馬身差の2着に敗北した。

12月19日、中2週で迎えた16戦目は、牝馬限定G2のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（1戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを14番手で通過。直線では上がり2位タイの末脚を見せたが上位には割り込めず7着に敗れた。

6歳（2000年）

1月30日、中5週で迎えた17戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（京都芝1600m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は武豊騎手（5戦2勝）。11頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではいい脚を見せられず8着に敗れた。

2月6日、連闘で迎えた18戦目は、G3のシルクロードステークス（京都芝1200m 雨/不良）に出走。鞍上は武幸四郎騎手（2戦1勝）。14頭立ての4番人気で13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では次元の違う末脚を爆発させて前にいた11頭をごぼう抜きし、最後は2着のトロットスターに1馬身1/4の差をつけて待望の重賞初制覇を果たした。

3月26日、中6週で迎えた19戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武幸四郎騎手（3戦2勝）。17頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では上がり1位の末脚を見せたが上位には届かず8着に敗れた。

4月15日、中2週で迎えた20戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で武幸四郎騎手（4戦2勝）。18頭立ての9番人気で2番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では脚を伸ばせず12着に敗れた。

5月14日、中3週で迎えた21戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、栗東ステークス（京都ダート1200m 雨/重）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。16頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のエイシンサンルイスをアタマ差振り切って雨中の激闘を制した。

7月2日、中6週で迎えた22戦目は、G3の函館スプリントステークス（函館芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では上がり1位の伸び脚を披露したが上位争いには参加できず6着に敗れた。

8月27日、中7週で迎えた23戦目は、ハンデ戦でオープンのキーンランドカップ（札幌芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で松永幹夫騎手（2戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始7番手を追走。直線ではパワフルな末脚を繰り出したが、3着に終わった。

10月1日、中4週で迎えた24戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で松永幹夫騎手（3戦1勝）。16頭立ての8番人気で12番ゲートからスタート。壮絶なハイペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線では閃光の如き末脚を発揮し、4着に入った。

10月28日、中3週で迎えた25戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で松永幹夫騎手（4戦1勝）。17頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では切れ味光る末脚を発揮したが、4着に終わった。

11月12日、中1週で迎えた26戦目は、G3の根岸ステークス（東京ダート1200m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は武幸四郎騎手（5戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線に入ると、前で粘るエイシンサンルイスを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて2つ目の重賞タイトルを奪取した。

7歳（2001年）

1月7日、中7週で迎えた27戦目は、G3のガーネットステークス（中山ダート1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武幸四郎騎手（6戦3勝）。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では卓出した伸び脚で追い上げたが、抜け出したビーマイナカヤマにクビ差届かず2着に甘んじた。

1月29日、中2週で迎えた28戦目は、G3の根岸ステークス（東京ダート1400m 晴/不良）に出走。鞍上は3戦連続で武幸四郎騎手（7戦3勝）。13頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では出色の末脚を披露したが、3着に終わった。

5月3日、約3か月の休み明けで迎えた29戦目は、K.デザーモ騎手を鞍上に迎えて、G3のかきつばた記念（名古屋ダート1400m 曇/重）に出走。12頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。最後は、2着のビーチフラッグに半馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルをつかんだ。

6月17日、中5週で迎えた30戦目は、G3のプロキオンステークス（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でK.デザーモ騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを9番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のレイズスズランに5馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを奪取した。

7月1日、中1週で迎えた31戦目は、後藤浩輝騎手を鞍上に迎えて、G3の函館スプリントステークス（函館芝1200m 晴/稍重）に出走。14頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。かなりのハイペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは14番手で通過。直線では上がり2位の末脚を繰り出したが上位には届かず6着に敗れた。

9月29日、約3か月の休養明けで迎えた32戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のシリウスステークス（阪神ダート1400m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では自慢の末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のトシザミカをハナ差振り切って重賞5勝目をマークした。

10月31日、中4週で迎えた33戦目は、G1のJBCスプリント（大井ダート1200m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では印象的な伸び脚で猛追したが、抜け出したノボジャックを差し切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

11月23日、中2週で迎えた34戦目は、G3の全日本サラブレッドカップ（笠松ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で四位洋文騎手（2戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではパワフルな末脚を披露したが、3着に終わった。

8歳（2002年）

1月6日、中5週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた35戦目は、G3のガーネットステークス（東京ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（6戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線に入ると、前で粘るサウスヴィグラスを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて6つ目の重賞タイトルを獲得した。

3月23日、G1のドバイゴールデンシャヒーン（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート1200m）に出走。鞍上はO.ペリエ騎手（1戦1勝）。13頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。5着に敗れた。