イルーシヴパンサー（2018年生、母イルーシヴキャット）

イルーシヴパンサー（2018年2月15日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「母名の一部+豹」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のハーツクライ（当時17歳）と交配したイルーシヴキャットが8歳のときに産んだ初仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者は追分ファーム。2023年の京都金杯(ハンデG3)に勝利した他、2022年の東京新聞杯(G3)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

1歳のとき、追分ファームから「セレクトセールサラブレッド1歳」に上場され、草間庸文によって4,320万円で落札された。

久保田貴士厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2020年）

8月15日、デビュー戦は横山典弘騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（新潟芝1600m 外回り曇/良）に出走。馬体重は456kg。18頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線ではグイグイと末脚を伸ばして先頭に躍り出て、最後は2着のマイネルダグラスに1馬身1/4の差をつけて初白星を挙げた。

9月12日、中3週で迎えた2戦目は、2歳1勝クラスのアスター賞（中山芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では見事な伸び脚で急追したが、勝ったドゥラモンドを半馬身捉え切れず2着に敗北した。

3歳（2021年）

2月20日、約5か月半の休養明けで馬体重を前走から24kg増やして迎えた3戦目は、3歳1勝クラスのフリージア賞（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（2戦1勝）。14頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線ではしぶとく伸び続けたが、抜け出したレインフロムヘヴンを捕まえ切れず、半馬身差の2着となった。

3月21日、中3週で迎えた4戦目は、3歳G2のフジテレビ賞スプリングステークス（中山芝1800m 雨/重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で横山典弘騎手（3戦1勝）。15頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、4着に終わった。

4月18日、中3週で迎えた5戦目は、大野拓弥騎手を鞍上に迎えて、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/稍重）に出走。G1級競走への出走は初となった。16頭立ての15番人気で4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では他馬と同じような脚色になり10着に終わった。

6月26日、中9週で迎えた6戦目は、田辺裕信騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1勝クラス（東京芝1600m 曇/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では次元の違う末脚を弾けさせて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のスリートップキズナに1馬身1/4の差をつけて勝利をモノにする

10月17日、約4か月の休養明けで迎えた7戦目は、ハンデ戦で3歳以上2勝クラスの鷹巣山特別（東京芝1600m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で田辺裕信騎手（1戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線に入ると、前で粘るリフレイムを凄まじい末脚で半馬身差し切って3勝目を挙げた。

11月6日、中2週で迎えた8戦目は、3歳以上3勝クラスのノベンバーステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で田辺裕信騎手（2戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線に入ると、前で粘るシンボを上がり1位の末脚で3/4馬身差し切って人気に違わぬ実力を証明した。

4歳（2022年）

2月6日、約3か月の休養明けで迎えた9戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で田辺裕信騎手（3戦3勝）。15頭立ての4番人気で11番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた12頭をごぼう抜きし、最後は2着のファインルージュに1馬身3/4の差をつけて4連勝で初の重賞タイトルをゲットした。

6月5日、約4か月の休養明けで迎えた10戦目は、G1の農林水産省賞典安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で田辺裕信騎手（4戦4勝）。18頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、17番手を追走し、4コーナーは16番手で通過。直線では上がり1位タイの末脚を見せたが上位には届かず8着に敗れた。

8月14日、中9週で迎えた11戦目は、木幡巧也騎手を鞍上に迎えて、G3の関屋記念（新潟芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。14頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では末脚にキレが無く11着に敗れた。

5歳（2023年）

1月5日、約5か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた12戦目は、岩田望来騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京都金杯（中京芝1600m 晴/良）に出走。16頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では一気に末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のエアロロノアを半馬身振り切って2つ目の重賞タイトルを掴み取った。

2月26日、中6週で迎えた13戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。14頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では見せ場を作れず8着に敗れた。

6月4日、約3か月半の休養明けで迎えた14戦目は、G1の農林水産省賞典安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は岩田望来騎手（1戦1勝）。18頭立ての7番人気で11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では他馬と同じような脚色になり10着に敗れた。

10月21日、約4か月半の休み明けで迎えた15戦目は、G2の富士ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岩田望来騎手（2戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで力闘したが、4着に終わった。

11月19日、中3週で迎えた16戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岩田望来騎手（3戦1勝）。16頭立ての11番人気で15番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位には食い込めず6着に終わった。

6歳（2024年）

2月25日、約3か月半の休養明けで迎えた17戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 小雨/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で岩田望来騎手（4戦1勝）。16頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを14番手で通過。直線では見所を作れず16着に敗れた。

2024年3月2日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。