ピサノエミレーツ（2005年生、母ネームヴァリュー）

ピサノエミレーツ（2005年3月5日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「冠名＋首長国」。毛色は鹿毛。種牡馬のブライアンズタイム（当時20歳）と交配したネームヴァリューが8歳のときに産んだ初仔が本馬である。産地は北海道静内郡静内町、生産者は（有）飛野牧場。戦績は、中央平地24戦5勝2着4回、地方8戦1勝2着1回。2008年のプリンシパルステークス(オープン)で4着に入った他、2012年のせきれい賞(地方重賞)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

当歳のとき、飛野牧場から「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、多田信尊によって6,300万円で落札された。

藤沢和雄厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2007年）

10月20日、デビュー戦は安藤勝己騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京芝1800m 晴/稍重）に出走。馬体重は500kg。9頭立ての3番人気で5番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では迫力満点の伸び脚で追い上げたが、抜け出したロスペトリュスを捕まえ切れず、3/4馬身差の2着となった。

11月3日、中1週で迎えた2戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（東京芝2000m 曇/良）に出走。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではシャープな伸び脚で猛追したが、抜け出したドリームノクターンを捕まえ切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

11月24日、中2週で迎えた3戦目は、2歳未勝利（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（1戦0勝）。17頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では猛烈な末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のディープスカイに1馬身半の差をつけて未勝利戦を制した。

3歳（2008年）

4月26日、約5か月の休養明けで迎えた4戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下の新緑賞（東京芝2300m 曇/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではビュッと切れる脚で追い上げたが、勝ったダイワワイルドボアに詰め切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

5月10日、中1週で迎えた5戦目は、3歳オープンのプリンシパルステークス（東京芝2000m 雨/稍重）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（2戦1勝）。18頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では息の長い末脚を発揮したが、4着に終わった。

6月1日、中2週で迎えた6戦目は、3歳500万下（東京芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（3戦1勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したコンベンションを差し切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

6月15日、中1週で迎えた7戦目は、3歳500万下（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（4戦1勝）。17頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のベルクハイルを半馬身振り切って2勝目を挙げた。

4歳（2009年）

2月8日、約8か月の休み明けで迎えた8戦目は、ハンデ戦で4歳以上1000万下の箱根特別（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（5戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではしっかりと末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のマイネルーチェをクビ差振り切って久々の一戦を制した。

2月28日、中2週で迎えた9戦目は、4歳以上1600万下の御堂筋ステークス（阪神芝2400m 外回り晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（6戦3勝）。13頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では決め手に欠いて7着に敗れた。

4月12日、中5週で迎えた10戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下の梅田ステークス（阪神ダート2000m 晴/良）に出走。ダート戦への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（7戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを6番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

5月9日、中3週で馬体重を前走から14kg増やして迎えた11戦目は、北村宏司騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1600万下の丹沢ステークス（東京ダート2100m 晴/稍重）に出走。15頭立ての4番人気で12番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、異次元の末脚を炸裂させて、最後は2着のシビルウォーに1馬身半の差をつけて4勝目をマークした。

5月24日、中1週で迎えた12戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で北村宏司騎手（1戦1勝）。16頭立ての9番人気で5番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。最後はバテてしまい10着に終わった。

6月20日、中3週で迎えた13戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下の安達太良ステークス（福島ダート1700m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で北村宏司騎手（2戦1勝）。15頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では末脚を伸ばせず6着に敗れた。

5歳（2010年）

5月8日、約10か月半の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた14戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下の丹沢ステークス（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（1戦0勝）。16頭立ての5番人気で8番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを9番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず7着に敗れた。

5月30日、中2週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた15戦目は、安部幸夫騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1600万下の東大路ステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。14頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では末脚のキレが鈍く8着に敗れた。

7月17日、中6週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた16戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下の柳都ステークス（新潟ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は北村宏司騎手（3戦1勝）。15頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始9番手を追走。直線では伸びが劣勢になり10着に敗れた。

11月1日、約3か月半の休養明けで馬体重を前走から6kg絞って迎えた17戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下の赤富士ステークス（東京ダート2100m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で北村宏司騎手（4戦1勝）。16頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではキレのいい末脚を披露し、3着に入った。

12月18日、中6週で迎えた18戦目は、3歳以上1600万下のサンタクロースステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（2戦0勝）。16頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では長くいい末脚でゴールまで走り切り、3着に入った。

12月26日、連闘で迎えた19戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1600万下の2010フェアウェルステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。15頭立ての4番人気で大外15番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では別次元の末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のミダースタッチに2馬身の差をつけて久方ぶりに勝ち星を挙げた。

6歳（2011年）

1月23日、中3週で迎えた20戦目は、G2のアメリカジョッキークラブカップ（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で三浦皇成騎手（1戦1勝）。11頭立ての7番人気で8番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず10着に終わった。

5月8日、約3か月半の休養明けで迎えた21戦目は、ハンデ戦でオープンのブリリアントステークス（東京ダート2100m 晴/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は内田博幸騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて2番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では長くいい末脚でゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

6月11日、中4週で迎えた22戦目は、ハンデ戦でオープンのオアシスステークス（東京ダート1600m 曇/重）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は横山典弘騎手（3戦0勝）。15頭立ての7番人気で大外15番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではあとひと押しが利かず、5着に終わった。

7月2日、中2週で迎えた23戦目は、ハンデ戦でオープンの大沼ステークス（函館ダート1700m 晴/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は安藤勝己騎手（8戦3勝）。13頭立ての6番人気で9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず10着に敗れた。

7月17日、中1週で迎えた24戦目は、丸山元気騎手を鞍上に迎えて、マリーンステークス（函館ダート1700m 晴/稍重）に出走。11頭立ての9番人気で大外11番ゲートからスタート。ハナを切る形となり、後続との差を2馬身以上保って、やや緩いペースで馬群を先導。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では天性の負けん気を発揮してゴールまで力闘し、4着を確保した。

12月23日、約5か月半の休養明けで迎えた25戦目は、A.ムンロ騎手を鞍上に迎えて、S3のゴールドカップ（浦和ダート1500m 晴/良）に出走。12頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では末脚が冴えず5着に敗れた。

7歳（2012年）

1月3日、中1週で迎えた26戦目は、S3の報知オールスターカップ（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でA.ムンロ騎手（1戦0勝）。14頭立ての5番人気で12番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを11番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず9着に敗れた。

2月15日、中5週で迎えた27戦目は、的場文男騎手を鞍上に迎えて、S2の金盃（大井ダート2000m 曇/稍重）に出走。16頭立ての8番人気で大外16番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを11番手で通過。直線では長くいい末脚でゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

3月29日、中5週で迎えた28戦目は、ハンデ戦でオープンの隅田川オープン（大井ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は丸山元気騎手（1戦0勝）。13頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では末脚がパッとせず8着に敗れた。

5月23日、中7週で迎えた29戦目は、町田直希騎手を鞍上に迎えて、S2の大井記念（大井ダート2600m 曇/重）に出走。16頭立ての4番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したトーセンルーチェを差し切れず、1馬身3/4差の2着に敗北した。

7月22日、中8週で迎えた30戦目は、坂井英光騎手を鞍上に迎えて、地方重賞のせきれい賞（盛岡芝2400m 晴/良）に出走。11頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線に入ると、前で粘るマイネルアトレを別次元の末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて下馬評通りの実力を証明した。

8歳（2013年）

5月15日、約10か月の休養明けで迎えた31戦目は、S2の大井記念（大井ダート2600m 晴/良）に出走。鞍上は町田直希騎手（1戦0勝）。16頭立ての7番人気で14番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では今一つ末脚が切れず7着に敗れた。

8月4日、約2か月半の間隔を開けて迎えた32戦目は、地方重賞のせきれい賞（盛岡芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で町田直希騎手（2戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では天稟の負けん性を発揮してゴールまで力走したが、4着に終わった。