フィエールマン（2015年生、母リュヌドール）

フィエールマン（2015年1月20日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「気高く、勇ましく(音楽用語)」。毛色は鹿毛。種牡馬のディープインパクト（当時13歳）と交配したリュヌドールが15歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地4戦3勝2着1回。2020年の天皇賞（春）(G1)を連覇した他、2018年の菊花賞(G1)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

サンデーサラブレッドクラブにて総額1億円（250万×40口）で一口馬主が募集された。

手塚貴久厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（2018年）

1月28日、デビュー戦は石橋脩騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（東京芝1800m 曇/良）に出走。馬体重は488kg。16頭立ての1番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではグングンと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のサンライズシェルをクビ差振り切って初勝利を挙げた。

4月14日、約2か月半の間隔を開けて迎えた2戦目は、3歳500万下の山藤賞（中山芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で石橋脩騎手（1戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では圧倒的な末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のニシノベースマンに2馬身半の差をつけて勝利をモノにする

7月1日、約2か月半の間隔を開けて馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、3歳ハンデG3のラジオNIKKEI賞（福島芝1800m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で石橋脩騎手（2戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線ではビュッと切れる脚で追い上げたが、抜け出したメイショウテッコンに半馬身届かず2着に敗北した。

10月21日、約3か月半の休養明けで迎えた4戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての7番人気で12番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では鮮やかな末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のエタリオウをハナ差振り切って最後の一冠を手中に収めた。

4歳（2019年）

1月20日、約3か月の休養明けで迎えた5戦目は、G2のアメリカジョッキークラブカップ（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（1戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではスパッとキレる脚で追い上げたが、抜け出したシャケトラにアタマ差届かず2着に甘んじた。

4月28日、約3か月半の休養明けで迎えた6戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続でC.ルメール騎手（2戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のグローリーヴェイズをクビ差振り切って最強ステイヤーの称号を掴み取った。

8月18日、約3か月半の休み明けで迎えた7戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続でC.ルメール騎手（3戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では切れ味のいい末脚を発揮したが、3着に終わった。

10月6日、G1の凱旋門賞（フランス・ロンシャン芝2400m）に出走。鞍上は5戦連続でC.ルメール騎手（4戦2勝）。12頭立ての12番人気で2番ゲートからスタート。12着に終わった。

12月22日、約2か月半の間隔を開けて迎えた9戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。16頭立ての6番人気で5番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸び、4着に入った。

5歳（2020年）

5月3日、約4か月半の休養明けで迎えた10戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り曇/良）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（5戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のスティッフェリオをハナ差振り切って3つ目のG1タイトルを手中に収めた。

11月1日、約6か月の休み明けで馬体重を前走から12kg減らして迎えた11戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。12頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したアーモンドアイに半馬身届かず2着となった。

12月27日、中7週で迎えた12戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（6戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では終いの伸びを欠き、3着に終わった。

2021年1月8日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。