アドマイヤムーン（2003年生、母マイケイティーズ）

アドマイヤムーン（2003年2月23日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「冠名＋月。月のように光り輝くように」。2007年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牡馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のエンドスウィープ（当時12歳）と交配したマイケイティーズが6歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地14戦9勝2着1回、海外3戦1勝。2007年のドバイデューティーフリー(唖・G1)に勝利した他、2007年のジャパンカップ(G1)を制するなど、G1級競走3勝を含む重賞8勝を挙げた。

経歴

デビュー前

当歳のとき、ノーザンレーシングから「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、近藤利一によって1,680万円で落札された。

松田博資厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2005年）

7月10日、デビュー戦は本田優騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（函館芝1800m 雨/良）に出走。馬体重は474kg。16頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のグラスウィークに2馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

8月27日、中6週で迎えた2戦目は、2歳オープンのクローバー賞（札幌芝1500m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で本田優騎手（1戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線に入ると、前で粘るニシノアンサーを途轍もない末脚でハナ差だけ差し切って1着ゴールを果たした。

10月1日、中4週で迎えた3戦目は、2歳G3の札幌2歳ステークス（札幌芝1800m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で本田優騎手（2戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のディープエアーに1馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を達成した。

12月24日、約3か月の間隔を開けて迎えた4戦目は、2歳G3のラジオたんぱ杯2歳ステークス（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で本田優騎手（3戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では印象的な伸び脚で驀進したが、伸びてきたサクラメガワンダー決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

3歳（2006年）

2月5日、中5週で迎えた5戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、3歳G3の共同通信杯（東京芝1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。11頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のフサイチリシャールを半馬身振り切って重賞2勝目を挙げた。

3月5日、中3週で迎えた6戦目は、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では驚異的な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のグロリアスウィークを半馬身振り切って重賞3勝目をマークした。

4月16日、中5週で迎えた7戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では力感溢れるフットワークでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

5月28日、中5週で迎えた8戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。18頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では上がり4位タイの末脚を見せたが上位争いには絡めず7着に敗れた。

8月20日、約3か月の間隔を開けて迎えた9戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（4戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを9番手で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のレクレドールに1馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを獲得した。

10月29日、中9週で迎えた10戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（5戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて15番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では超凡な末脚を繰り出したが、3着に終わった。

12月10日、G1の香港カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（6戦3勝）。12頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。最後は、勝ったPrideから短アタマ差の2着となった。

4歳（2007年）

2月17日、中9週で迎えた12戦目は、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り雨/稍重）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は8戦連続で武豊騎手（7戦3勝）。14頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では一気に末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のポップロックをクビ差振り切って5つ目の重賞タイトルを獲得した。

3月31日、G1のドバイデューティーフリー（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバ芝1777m）に出走。鞍上は9戦連続で武豊騎手（8戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。最後は、2着のLinngariに半馬身の差をつけて初のG1タイトルを手にした。

4月29日、G1のクイーンエリザベス2世カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は10戦連続で武豊騎手（9戦5勝）。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。3着に終わった。

6月24日、中7週で迎えた15戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 小雨/稍重）に出走。18頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では圧倒的な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のメイショウサムソンを半馬身振り切ってグランプリホースの称号を射止めた。

10月28日、約4か月の休み明けで迎えた16戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず6着に敗れた。

11月25日、中3週で迎えた17戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岩田康誠騎手（2戦1勝）。18頭立ての5番人気で4番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では鮮烈な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のポップロックをアタマ差振り切って最強馬の称号を勝ち取った。