トゥザヴィクトリー（1996年生、母フェアリードール）

トゥザヴィクトリー（1996年2月22日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。2001年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のサンデーサイレンス（当時10歳）と交配したフェアリードールが6歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地19戦6勝2着3回、海外2戦0勝。2001年のドバイワールドカップ(唖・G1)で2着に入った他、2001年のエリザベス女王杯(牝G1)に勝利するなど、G1級競走1勝を含む重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

池江泰郎厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1998年）

12月13日、デビュー戦は幸英明騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（阪神芝1600m 晴/良）に出走。馬体重は494kg。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて、最後は2着のスピードマニアを半馬身振り切って初白星を挙げた。

3歳（1999年）

1月10日、中3週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた2戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、4歳500万下の福寿草特別（京都芝2000m 曇/良）に出走。15頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではしぶとく脚を使って伸び続けたが、勝ったスリリングサンデーに詰め切れず、2馬身差の2着に敗北した。

1月30日、中2週で迎えた3戦目は、4歳500万下のつばき賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。主導権を握る恰好となり、少し緩いペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では鮮やかな末脚を弾けさせて楽々と抜け出し、最後は2着のタヤスタモツに3馬身半の差をつけて断トツの支持に応えた。

3月20日、中6週で迎えた4戦目は、牝馬限定3歳オープンのアネモネステークス（阪神芝1400m 雨/重）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて15番ゲートからスタート。端をきる恰好となり、壮絶なハイペースで集団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では終いの伸びを欠き、3着に終わった。

4月11日、中2週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は幸英明騎手（1戦1勝）。18頭立ての5番人気で16番ゲートからスタート。速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では天稟の闘志でゴールまで力走し、3着に入った。

5月30日、中6週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は武豊騎手（3戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではしぶとく伸び続けたが、伸びてきたウメノファイバー決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

9月26日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（4戦1勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では末脚が続かず、4着に終わった。

10月24日、中3週で迎えた8戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（5戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚を失くしてしまい13着に敗れた。

4歳（2000年）

6月11日、約7か月半の休養明けで迎えた9戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 雨/不良）に出走。15頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では終いの伸びを欠き、5着に終わった。

7月9日、中3週で迎えた10戦目は、牝馬限定G3のマーメイドステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は幸英明騎手（2戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、平均ペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前のタフネスでしぶとく脚を伸ばしたが、フサイチエアデールに交わされて1馬身半差の2着に敗北した。

8月13日、中4週で迎えた11戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 晴/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ハナを切る形となり、平均ペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では強烈な末脚を弾けさせて、最後は2着のエイダイクインをクビ差振り切って待望の重賞初制覇を果たした。

10月15日、中8週で迎えた12戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 雨/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。先陣を切る形となり、かなり遅いペースでレースを進める。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では異次元の末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のハイフレンドコードに4馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

11月12日、中3週で馬体重を前走から14kg増やして迎えた13戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦1勝）。17頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ハナを切る恰好となり、極端なスローペースで馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではもうひと伸びが足りず、4着に終わった。

12月17日、中4週で迎えた14戦目は、牝馬限定G2のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝1600m 雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で四位洋文騎手（2戦1勝）。14頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のタイキダイヤに2馬身半の差をつけて重賞3勝目をマークした。

5歳（2001年）

2月18日、中8週で迎えた15戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。ダート戦への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は武豊騎手（6戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では詰めが甘くなり、3着に終わった。

3月24日、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（7戦1勝）。12頭立ての6番人気で5番ゲートからスタート。最後は、勝ったキャプテンスティーヴから3馬身差の2着となった。

11月11日、約7か月半の休養明けで迎えた17戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（8戦1勝）。15頭立ての4番人気で13番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では鋭く末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のローズバドをハナ差振り切って中距離女王の称号を掴み取った。

11月25日、中1週で迎えた18戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は四位洋文騎手（3戦2勝）。15頭立ての11番人気で5番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを先頭で通過。最後はバタバタになってしまい14着に終わった。

12月23日、中3週で迎えた19戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（9戦2勝）。13頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。逃げる恰好となり、非常に遅いペースでレースを牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では天稟の勝負根性でゴールまで力走し、3着に入った。

6歳（2002年）

2月17日、中7週で迎えた20戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（10戦2勝）。16頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではもうひとつ伸びを欠き、4着に終わった。

3月23日、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。11頭立ての6番人気で8番ゲートからスタート。11着に敗れた。