ナックビーナス（2013年生、母レディトゥプリーズ）

ナックビーナス（2013年3月11日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「冠名＋美の女神」。毛色は青鹿毛。種牡馬のダイワメジャー（当時12歳）と交配したレディトゥプリーズが11歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道千歳市、生産者は社台ファーム。戦績は、中央平地28戦7勝2着8回、地方1戦0勝。2018年の高松宮記念(G1)で3着に入った他、2018年のキーンランドカップ(G3)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

2歳のとき、社台ファームから「千葉サラブレッド・セールサラブレッド2歳」に上場され、小松欣也によって2,160万円で落札された。

杉浦宏昭厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2015年）

10月10日、デビュー戦は勝浦正樹騎手を鞍上に据えて、牝馬限定の2歳新馬（東京芝1600m 曇/良）に出走。馬体重は510kg。17頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では脚勢がやや衰え、3着に終わった。

10月17日、連闘で迎えた2戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（東京芝1600m 曇/稍重）に出走。10頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。端に立つ恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、クインズサンに交わされて1馬身3/4差の2着に敗北した。

11月15日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、2歳未勝利（東京ダート1400m 曇/不良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。15頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。端を取り切り、ややハイペースでレースを引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では迫力満点の伸びを見せたが、ジャルーズに交わされて1馬身1/4差の2着に敗北した。

3歳（2016年）

1月10日、中7週で馬体重を前走から10kg戻して迎えた4戦目は、3歳未勝利（中山ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（2戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。先頭に立つ形となり、極端なハイペースでレースを進める。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では根気強くタフに走り抜いたが、ハイデンガールズにクビ差交わされて2着に甘んじた。

1月23日、中1週で迎えた5戦目は、牝馬限定の3歳未勝利（中山ダート1200m 曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で横山典弘騎手（3戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。ハナを奪い、非常に速いペースで一団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一完歩ずつ着実に終いの脚を伸ばして、最後は2着のリバティークイーンをハナ差振り切って初勝利を挙げた。

2月13日、中2週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G3のクイーンカップ（東京芝1600m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は5戦連続で横山典弘騎手（4戦1勝）。16頭立ての13番人気で5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では目立つような脚を使えず6着に終わった。

3月13日、中3週で迎えた7戦目は、3歳500万下（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で横山典弘騎手（5戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では終いが甘くなり、3着に終わった。

4月17日、中4週で迎えた8戦目は、3歳500万下の雪うさぎ賞（福島芝1200m 曇/稍重）に出走。鞍上は勝浦正樹騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では自慢の末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のキーナンバーに1馬身3/4の差をつけて優勝

5月15日、中3週で迎えた9戦目は、酒井学騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの葵ステークス（京都芝1200m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。12頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るラズールリッキーを豪脚で半馬身差し切って3勝目を手にした。

8月28日、約3か月半の休み明けで迎えた10戦目は、G3のキーンランドカップ（札幌芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で酒井学騎手（1戦1勝）。14頭立ての9番人気で13番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では天性の負けん気を発揮してゴールまで力闘し、5着を確保した。

10月9日、中5週で迎えた11戦目は、ハンデ戦でオープンのオパールステークス（京都芝1200m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で酒井学騎手（2戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では見せ場を作れず6着に敗れた。

11月13日、中4週で迎えた12戦目は、ハンデ戦でオープンのオーロカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（6戦1勝）。18頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。先陣を切る形となり、若干遅いペースでレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では不撓の闘魂で渋太く粘り続けて、最後は2着のアルバタックスをクビ差振り切って1着ゴールを果たした。

12月10日、中3週で迎えた13戦目は、ラピスラズリステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（7戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったメラグラーナにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着に敗北した。

4歳（2017年）

1月21日、中5週で迎えた14戦目は、カーバンクルステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（8戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではしっかりと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のコスモドームを3/4馬身振り切って勝利を手中に収めた。

2月18日、中3週で迎えた15戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬ステークス（京都芝1400m 外回り晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で横山典弘騎手（9戦3勝）。18頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では末脚が振るわず7着に敗れた。

3月4日、中1週で迎えた16戦目は、石川裕紀人騎手を鞍上に迎えて、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では持ち味の心肺能力で最後まで奮闘したが、伸びてきたメラグラーナ決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

3月26日、中2週で迎えた17戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 小雨/稍重）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で石川裕紀人騎手（1戦0勝）。18頭立ての12番人気で17番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線ではジワジワとしか伸びず8着に終わった。

8月27日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた18戦目は、G3のキーンランドカップ（札幌芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（10戦3勝）。13頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。主導権を奪う恰好となり、些か速いペースで集団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では天稟の負けん気を発揮してゴールまで力走し、3着に入った。

10月4日、中4週で迎えた19戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、Jpn2の東京盃（大井ダート1200m 曇/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線ではピリッとした末脚を使えず9着に敗れた。

10月29日、中3週で馬体重を前走から11kg減らして迎えた20戦目は、ルミエールオータムダッシュ（新潟芝1000m 雨/重）に出走。鞍上は勝浦正樹騎手（2戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。最後は、勝ったアペルトゥーラから半馬身差の2着に敗北した。

12月3日、中4週で馬体重を前走から6kg戻して迎えた21戦目は、ラピスラズリステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（11戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では根気強くタフに走り抜いたが、勝ったアルティマブラッドにねじ伏せられて半馬身差の2着に敗北した。

5歳（2018年）

1月8日、中4週で迎えた22戦目は、カーバンクルステークス（中山芝1200m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（12戦3勝）。9頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。果敢にハナを切り、少し遅いペースで集団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では長く末脚を持続させて、最後は2着のペイシャフェリシタを3/4馬身振り切ってファンの期待に応えた。

1月28日、中2週で迎えた23戦目は、ハンデG3のシルクロードステークス（京都芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は勝浦正樹騎手（3戦1勝）。18頭立ての6番人気で15番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では末脚が続かず、5着に終わった。

3月3日、中4週で迎えた24戦目は、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（13戦4勝）。16頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では勝負根性が光る走りを見せたが、抜け出したキングハートにアタマ差届かず2着に甘んじた。

3月25日、中2週で迎えた25戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/良）に出走。18頭立ての10番人気で7番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では天稟の負けじ魂を発揮してゴールまで力走し、3着に入り込んだ。

6月17日、約3か月の間隔を開けて迎えた26戦目は、G3の函館スプリントステークス（函館芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で三浦皇成騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では天稟の闘争本能でゴールまで力走したが、3着に終わった。

8月26日、中9週で迎えた27戦目は、J.モレイラ騎手を鞍上に迎えて、G3のキーンランドカップ（札幌芝1200m 晴/稍重）に出走。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。敢然と端をきり、ミドルペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではぐんぐんと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のダノンスマッシュに2馬身半の差をつけて念願の重賞初制覇を果たした。

9月30日、中4週で迎えた28戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り雨/稍重）に出走。鞍上は2戦連続でJ.モレイラ騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では末脚がパッとせず7着に敗れた。

11月4日、中4週で迎えた29戦目は、大野拓弥騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のJBCスプリント（京都ダート1200m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての9番人気で8番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、終始6番手を追走。最後は一杯になって15着に終わった。

6歳（2019年）

1月5日、中8週で迎えた30戦目は、カーバンクルステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で大野拓弥騎手（1戦0勝）。16頭立ての5番人気で15番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では持ち前のタフネスでしぶとく脚を伸ばしたが、抜け出したモズスーパーフレアを捕まえ切れず、1馬身1/4差の2着となった。

3月2日、中7週で迎えた31戦目は、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で大野拓弥騎手（2戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では堅調な伸びを見せたが、逃げるモズスーパーフレアを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

3月24日、中2週で迎えた32戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で大野拓弥騎手（3戦0勝）。18頭立ての6番人気で9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。最後はガス欠状態になり14着に敗れた。

4月28日、G1のチェアマンズスプリントプライズ（香港・シャティン芝1200m）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦0勝）。9頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。6着に終わった。

8月25日、約4か月の休養明けで迎えた34戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、G3のキーンランドカップ（札幌芝1200m 晴/稍重）に出走。16頭立ての4番人気に推されて1番ゲートからスタート。主導権を握る恰好となり、些か速いペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではあとひと押しが足りず、5着に終わった。

12月1日、約3か月半の休み明けで迎えた35戦目は、田辺裕信騎手を鞍上に迎えて、ラピスラズリステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。9頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。果敢に端をきり、遅いペースで一団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では豪快に末脚を伸ばして先頭に躍り出て、最後は2着のハウメアに2馬身半の差をつけて勝利を手中に収めた。

12月14日、中1週で迎えた36戦目は、ハンデ戦でオープンのタンザナイトステークス（阪神芝1200m 小雨/良）に出走。鞍上は武豊騎手（2戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。主導権を奪い、若干速いペースで一団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前のスタミナでしぶとく走り抜いたが、ジョイフルに3/4馬身交わされて2着に敗北した。

7歳（2020年）

3月7日、約3か月の間隔を開けて迎えた37戦目は、G3の夕刊フジ賞オーシャンステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（14戦4勝）。16頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではシャープな伸びを見せたが、勝ったダノンスマッシュにねじ伏せられて1馬身半差の2着に敗北した。

3月29日、中2週で迎えた38戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/重）に出走。鞍上は田辺裕信騎手（1戦1勝）。18頭立ての14番人気で15番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始4番手を追走。最後はスピードが落ちてしまい14着に終わった。

2020年4月1日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。