ウイニングチケット（1990年生、母パワフルレデイ）

ウイニングチケット（1990年3月21日）は、日本の競走馬、種牡馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のトニービン（当時7歳）と交配したパワフルレデイが10歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道静内郡静内町、生産者は（有）藤原牧場。戦績は、中央平地14戦6勝2着1回。1993年の日本ダービー（東京優駿）(G1)に勝利した他、1993年のジャパンカップ(G1)で3着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤雄二厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1992年）

9月6日、デビュー戦は柴田政人騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（函館芝1200m 曇/不良）に出走。馬体重は452kg。14頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。タフなペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では脚勢がやや鈍り、5着に終わった。

9月13日、連闘で迎えた2戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（函館芝1700m 晴/重）に出走。12頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のヒノデクロスオーに1馬身1/4の差をつけて初勝利を挙げた。

12月6日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から10kg増やして迎えた3戦目は、田中勝春騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下の葉牡丹賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。9頭立ての2番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では別次元の末脚を弾けさせて突き抜け、最後は2着のパープルマジックに4馬身の差をつけて勝利を手中に収めた。

12月27日、中2週で迎えた4戦目は、2歳オープンのホープフルステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は柴田政人騎手（1戦0勝）。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて突き抜け、最後は2着のマイヨジョンヌに3馬身の差をつけて圧倒的人気に応えた。

3歳（1993年）

3月7日、中9週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた5戦目は、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で柴田政人騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のナリタタイシンに2馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を達成した。

4月18日、中5週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた6戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で柴田政人騎手（3戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では脚勢がやや衰え、4着に終わった。

5月30日、中5週で迎えた7戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で柴田政人騎手（4戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では凄まじい末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のビワハヤヒデを半馬身振り切って世代最強の称号を奪取した。

10月17日、約4か月半の休養明けで迎えた8戦目は、3歳G2の京都新聞杯（京都芝2200m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で柴田政人騎手（5戦3勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線に入ると、前で粘るマイヨジョンヌを鮮烈な末脚でクビ差だけ差し切って3つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

11月7日、中2週で迎えた9戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で柴田政人騎手（6戦4勝）。18頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では瞬発力に富んだ末脚を披露したが、3着に終わった。

11月28日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた10戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で柴田政人騎手（7戦4勝）。16頭立ての4番人気に推されて2番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

12月26日、中3週で迎えた11戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で柴田政人騎手（8戦4勝）。14頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では最後まで息が続かず11着に敗れた。

4歳（1994年）

7月10日、約6か月半の休み明けで迎えた12戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、G2の高松宮杯（中京芝2000m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。13頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず5着に敗れた。

9月18日、中9週で迎えた13戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G3のオールカマー（中山芝2200m 外回り晴/重）に出走。8頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では迫力のある伸び脚で猛追したが、勝ったビワハヤヒデに詰め切れず、1馬身3/4差の2着に敗北した。

10月30日、中5週で迎えた14戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。13頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では伸びを欠き8着に敗れた。