ファストフレンド（1994年生、母ザラストワード）

ファストフレンド（1994年5月12日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。2000年にNARグランプリ特別表彰馬を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のアイネスフウジン（当時7歳）と交配したザラストワードが8歳のときに産んだ2番仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は中前牧場。戦績は、中央平地24戦7勝2着2回、地方14戦8勝2着2回。2000年の東京大賞典(G1)に勝利した他、2000年の帝王賞GI(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞9勝を挙げた。

経歴

デビュー前

高市圭二厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（1997年）

5月24日、デビュー戦は中舘英二騎手を鞍上に据えて、牝馬限定の4歳未勝利（東京芝1600m 雨/良）に出走。馬体重は456kg。18頭立ての5番人気で8番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では脚が上がってしまい9着に敗れた。

6月7日、中1週で迎えた2戦目は、柴田未崎騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の4歳未勝利（函館ダート1700m 小雨/良）に50kgの軽斤量で出走。ダート戦への出走は初となった。12頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったスージークーパーに詰め切れず、3馬身差の2着に敗北した。

9月7日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた3戦目は、4歳未勝利（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は中舘英二騎手（1戦0勝）。16頭立ての5番人気で8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のオースミスラッガーに1馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

9月27日、中2週で迎えた4戦目は、牝馬限定の4歳以上500万下（中山ダート1800m 曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で中舘英二騎手（2戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったホームメードケーキにねじ伏せられて1馬身半差の2着に敗北した。

10月18日、中2週で迎えた5戦目は、牝馬限定の4歳以上500万下（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は柴田未崎騎手（1戦0勝）。13頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のマサヒコクイーンに4馬身の差をつけて2勝目を奪取した。

11月15日、中3週で迎えた6戦目は、牝馬限定の4歳以上900万下（東京ダート1600m 曇/良）に51kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で柴田未崎騎手（2戦1勝）。13頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のタカラカンナに5馬身の差をつけて3勝目を手中に収めた。

12月13日、中3週で迎えた7戦目は、ハンデ戦でオープンの師走ステークス（中山ダート1800m 晴/良）に50kgの軽斤量で出走。鞍上は3戦連続で柴田未崎騎手（3戦2勝）。10頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。最後は脚が止まってしまい6着に敗れた。

4歳（1998年）

3月8日、約3か月の間隔を開けて迎えた8戦目は、5歳以上1600万下のアクアマリンステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で柴田未崎騎手（4戦2勝）。16頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では瞬発力に優れた末脚を発揮したが、3着に終わった。

4月5日、中3週で迎えた9戦目は、5歳以上1600万下の京葉ステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で柴田未崎騎手（5戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では速い脚を使えず6着に敗れた。

4月25日、中2週で迎えた10戦目は、後藤浩輝騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのオアシスステークス（東京ダート1600m 曇/不良）に50kgの軽斤量で出走。13頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では上がり1位の末脚を見せたが上位争いには絡めず5着に敗れた。

5月30日、中4週で迎えた11戦目は、ハンデ戦で5歳以上1600万下の欅ステークス（東京ダート1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は柴田未崎騎手（6戦2勝）。16頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では圧倒的な末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のスペースクラウンに1馬身の差をつけて勝利を手に入れた。

12月12日、約6か月半の休養明けで馬体重を前走から30kg増やして迎えた12戦目は、4歳以上1600万下の北総ステークス（中山ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で柴田未崎騎手（7戦3勝）。16頭立ての8番人気で9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では見せ場を作れず7着に敗れた。

12月27日、中1週で迎えた13戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下の’98フェアウェルステークス（中山ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で柴田未崎騎手（8戦3勝）。16頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではパワフルな末脚を繰り出し、3着に入った。

5歳（1999年）

1月9日、中1週で迎えた14戦目は、鹿戸雄一騎手を鞍上に迎えて、5歳以上1600万下のアレキサンドライトステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では勢いよく末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のノーザンウェーを半馬身振り切って勝利を手中に収めた。

2月14日、中4週で迎えた15戦目は、5歳以上1600万下のテレビ山梨杯（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は柴田未崎騎手（9戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では強靭な末脚を繰り出したが、4着に終わった。

3月7日、中2週で迎えた16戦目は、5歳以上1600万下のアクアマリンステークス（中山ダート1800m 雨/良）に出走。鞍上は鹿戸雄一騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では天稟の負けん性を発揮してゴールまで力走したが、4着に終わった。

4月7日、中3週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた17戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。9頭立ての2番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のマジックリボンを3/4馬身振り切って重賞初挑戦初制覇を果たした。

4月24日、中1週で迎えた18戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのオアシスステークス（東京ダート1600m 雨/不良）に出走。11頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではパワフルな末脚を繰り出したが、3着に終わった。

5月22日、中3週で迎えた19戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦0勝）。15頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では息の長い末脚を披露し、3着に入った。

6月15日、中2週で迎えた20戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。最後は、2着のアブクマレディーに2馬身の差をつけて重賞2勝目をマークした。

7月19日、中4週で迎えた21戦目は、牝馬限定G2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（2戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のアブクマレディーに5馬身の差をつけて重賞3勝目を挙げた。

10月6日、約2か月半の間隔を開けて迎えた22戦目は、牝馬限定G3のクイーン賞（船橋ダート1800m 曇/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（3戦3勝）。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のマジックリボンをアタマ差振り切って3連勝で4つ目の重賞タイトルを奪取した。

11月13日、中4週で迎えた23戦目は、霜月ステークス（東京ダート2100m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で蛯名正義騎手（4戦4勝）。8頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のロックリズムをアタマ差振り切って破竹の4連勝を決めた。

12月29日、中6週で迎えた24戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。16頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では矢のような伸びで驀進したが、伸びてきたワールドクリーク決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

6歳（2000年）

2月9日、中5週で迎えた25戦目は、G1の川崎記念（川崎ダート2100m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。13頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。3着に終わった。

2月20日、中1週で迎えた26戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（5戦5勝）。16頭立ての7番人気で1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を発揮し、3着に入った。

5月21日、約3か月の休養明けで迎えた27戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（6戦5勝）。16頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るスマートボーイを次元の違う末脚でクビ差だけ差し切って重賞5勝目を挙げた。

6月22日、中4週で迎えた28戦目は、G1の帝王賞GI（大井ダート2000m 雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（7戦6勝）。16頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では鮮やかな末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のドラールアラビアンをハナ差振り切ってG1ホースの称号を奪取した。

7月5日、中1週で迎えた29戦目は、牝馬限定G2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で蛯名正義騎手（8戦7勝）。7頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のアブクマレディーに3馬身の差をつけて連覇達成

10月9日、約3か月の休養明けで迎えた30戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で蛯名正義騎手（9戦8勝）。14頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

11月3日、中3週で迎えた31戦目は、G2の東海菊花賞（名古屋ダート2500m 曇/重）に出走。鞍上は6戦連続で蛯名正義騎手（10戦8勝）。12頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。最後は、2着のスナークレイアースに1馬身半の差をつけて8つ目の重賞タイトルを獲得した。

11月25日、中2週で迎えた32戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で蛯名正義騎手（11戦9勝）。15頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走したが、5着に終わった。

12月29日、中4週で迎えた33戦目は、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で蛯名正義騎手（12戦9勝）。16頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のレギュラーメンバーに1馬身半の差をつけて2つ目のG1タイトルを掴み取った。

7歳（2001年）

1月26日、中3週で迎えた34戦目は、G1の川崎記念（川崎ダート2100m 曇/不良）に出走。鞍上は9戦連続で蛯名正義騎手（13戦10勝）。11頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、勝ったレギュラーメンバーから半馬身差の2着に敗北した。

2月18日、中2週で迎えた35戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で蛯名正義騎手（14戦10勝）。16頭立ての6番人気で1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では目立つような脚を使えず6着に敗れた。

4月30日、中9週で迎えた36戦目は、G2のオグリキャップ記念（笠松ダート2500m 曇/不良）に出走。鞍上は11戦連続で蛯名正義騎手（15戦10勝）。9頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。でレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、3着に終わった。

5月20日、中2週で迎えた37戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は12戦連続で蛯名正義騎手（16戦10勝）。12頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では伸びが劣勢になり5着に敗れた。

6月26日、中4週で迎えた38戦目は、G1の帝王賞GI（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は13戦連続で蛯名正義騎手（17戦10勝）。13頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では脚が残っておらず11着に敗れた。