モーリス（2011年生、母メジロフランシス）

モーリス（2011年3月2日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「人名より」。2015年にJRA賞年度代表馬及び最優秀短距離馬、2016年にJRA賞特別賞を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のスクリーンヒーロー（当時7歳）と交配したメジロフランシスが11歳のときに産んだ6番仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は戸川牧場。戦績は、中央平地15戦8勝2着2回、海外3戦3勝。2016年の香港カップ(香・G1)に勝利した他、2016年のチャンピオンズマイル(香・G1)を制するなど、G1級競走6勝を含む重賞7勝を挙げた。

経歴

デビュー前

1歳のとき、戸川牧場から「北海道サマーセールサラブレッド1歳」に上場され、ターフマネジメントによって157.5万円で落札された。2歳のとき、大作ステーブルから「北海道トレーニングセールサラブレッド2歳」に上場され、ノーザンファームによって1,050万円で落札された。

吉田直弘厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2013年）

10月6日、デビュー戦は内田博幸騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1400m 晴/良）に出走。馬体重は502kg。12頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線に入ると、前で粘るインヴォークを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて初白星を挙げた。

11月9日、中4週で迎えた2戦目は、R.ムーア騎手を鞍上に迎えて、2歳G2の京王杯2歳ステークス（東京芝1400m 曇/良）に出走。重賞競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では上がり1位の末脚を見せたが上位には届かず6着に敗れた。

12月23日、中5週で迎えた3戦目は、川田将雅騎手を鞍上に迎えて、2歳500万下の万両賞（阪神芝1400m 晴/良）に出走。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではぐんぐんと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のフェルメッツァを半馬身振り切って断然の支持に応えた。

3歳（2014年）

1月12日、中2週で迎えた4戦目は、3歳G3のシンザン記念（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は内田博幸騎手（1戦1勝）。13頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では伸びが劣勢になり5着に敗れた。

3月23日、中9週で迎えた5戦目は、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は川田将雅騎手（1戦1勝）。15頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では力強いフットワークでゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

5月10日、中6週で迎えた6戦目は、3歳G2の京都新聞杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で川田将雅騎手（2戦1勝）。18頭立ての7番人気で17番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではいいところがなく7着に敗れた。

5月31日、中2週で迎えた7戦目は、浜中俊騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの白百合ステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。12頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では切れ味光る末脚を披露し、3着に入った。

4歳（2015年）

1月25日、約8か月の休養明けで迎えた8戦目は、F.ベリー騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で4歳以上1000万下の若潮賞（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では圧倒的な末脚を爆発させてあっさりと抜け出し、最後は2着のサクラダムールに3馬身の差をつけて単勝一倍台の評価に応えた。

3月7日、中5週で迎えた9戦目は、戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、4歳以上1600万下のスピカステークス（中山芝1800m 曇/稍重）に出走。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では凄まじい末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のダイワリベラルを3/4馬身振り切って圧倒的支持に応えた。

4月5日、中3週で迎えた10戦目は、ハンデG3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で戸崎圭太騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた12頭をごぼう抜きし、最後は2着のクラリティシチーに3馬身半の差をつけて3連勝で初の重賞タイトルを奪取した。

6月7日、中8週で迎えた11戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は川田将雅騎手（3戦1勝）。17頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではジリジリと前との差を詰めて先頭に立ち、最後は2着のヴァンセンヌをクビ差振り切って上半期マイル王の称号を勝ち取った。

11月22日、約5か月半の休み明けで迎えた12戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上はR.ムーア騎手（1戦0勝）。18頭立ての4番人気に推されて16番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では猛烈な末脚を弾けさせて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のフィエロに1馬身1/4の差をつけて春秋マイルG1連覇を成し遂げた。

12月13日、G1の香港マイル（香港・シャティン芝1600m）に出走。鞍上は2戦連続でR.ムーア騎手（2戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。最後は、2着のGiant Treasureに3/4馬身の差をつけて3つ目のG1タイトルを獲得した。

5歳（2016年）

5月1日、J.モレイラ騎手を鞍上に迎えて、G1のチャンピオンズマイル（香港・シャティン芝1600m）に出走。12頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のコンテントメントに2馬身の差をつけて4つ目のG1タイトルをつかんだ。

6月5日、中4週で迎えた15戦目は、T.ベリー騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったロゴタイプに詰め切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

8月21日、約2か月半の間隔を開けて迎えた16戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 雨/稍重）に出走。鞍上はJ.モレイラ騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では物凄い伸び脚で猛追したが、抜け出したネオリアリズムを差し切れず、2馬身差の2着に敗北した。

10月30日、中9週で迎えた17戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上はR.ムーア騎手（3戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、グイグイと終いの脚を伸ばして、最後は2着のリアルスティールに1馬身半の差をつけて秋の盾を奪取した。

12月11日、G1の香港カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は2戦連続でR.ムーア騎手（4戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、2着のSecret Weaponに3馬身の差をつけて6つ目のG1タイトルをゲットした。