スルーオベスト（1985年生、母ベルダンサー）

スルーオベスト（1985年3月22日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。毛色は鹿毛。種牡馬のタイテエム（当時16歳）と交配したベルダンサーが10歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡浦河町、生産者は（有）齊藤英牧場。戦績は、中央平地16戦2勝2着3回、中央障害2戦0勝。1987年のラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス(牝G3)で2着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

松田由太郎厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1987年）

11月14日、デビュー戦は松田幸春騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（京都ダート1200m 曇/良）に出走。馬体重は498kg。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。かなりのハイペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のタイセイソブリンに約14馬身の大差をつけて初白星を挙げた。

12月13日、中3週で迎えた2戦目は、牝馬限定2歳G3のラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス（阪神芝1600m 曇/良）に出走。芝レース及び重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で松田幸春騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。逃げを打つ恰好となり、激烈なハイペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、プリンセススキーに3/4馬身交わされて2着に敗北した。

3歳（1988年）

5月1日、約4か月半の休養明けで馬体重を前走から16kg減らして迎えた3戦目は、牝馬限定3歳G2のサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別（東京芝2000m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で松田幸春騎手（2戦1勝）。16頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。ハナを奪う恰好となり、後続との差を2馬身以上キープして、速いペースで集団を先導。先頭のまま5馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線ではもうひと伸びが足りず、5着に終わった。

5月22日、中2週で迎えた4戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 雨/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で松田幸春騎手（3戦1勝）。22頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。先手を奪う恰好となり、後続との差を2馬身以上確保して、ユッタリとしたペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は脚を失くしてしまい14着に敗れた。

6月26日、中4週で迎えた5戦目は、土肥幸広騎手を鞍上に迎えて、4歳900万下のゆうすげ賞（中京芝1200m 曇/重）に出走。11頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。主導権を握る恰好となり、些か速いペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では豪快な末脚を爆発させてすんなりと抜け出し、最後は2着のタイレグルスに3馬身の差をつけて1番人気に応えた。

8月14日、中6週で迎えた6戦目は、ハンデ戦でオープンの北九州短距離ステークス（小倉芝1200m 曇/稍重）に牝馬ながら54kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で土肥幸広騎手（1戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では見せ場を作れず4着に敗れた。

10月2日、中6週で迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G3のサファイヤステークス（阪神芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は松田幸春騎手（4戦1勝）。13頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。最後は脚色が悪くなり11着に敗れた。

4歳（1989年）

3月5日、約5か月の休み明けで迎えた8戦目は、G3の中日新聞杯（中京芝1800m 曇/重）に51kgの軽斤量で出走。鞍上は土肥幸広騎手（2戦1勝）。12頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。最後は力尽きて9着に敗れた。

4月16日、中5週で迎えた9戦目は、ハンデ戦でオープンの陽春ステークス（阪神芝1600m 晴/稍重）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で土肥幸広騎手（3戦1勝）。15頭立ての12番人気で8番ゲートからスタート。果敢にハナを切り、忙しいペースで集団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は脚色が悪くなり15着に終わった。

5月6日、中2週で迎えた10戦目は、シルクロードステークス（京都芝1600m 外回り小雨/良）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は3戦連続で土肥幸広騎手（4戦1勝）。14頭立ての11番人気で5番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では切れる脚を使えず9着に終わった。

5歳（1990年）

3月18日、約10か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた11戦目は、5歳以上900万下の伊丹特別（阪神ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は松田幸春騎手（5戦1勝）。10頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。タフなペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では末脚に勢いがなく4着に敗れた。

4月15日、中3週で迎えた12戦目は、5歳以上900万下（阪神ダート1200m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で松田幸春騎手（6戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では脚色がやや衰え、4着に終わった。

4月28日、中1週で迎えた13戦目は、牝馬限定の5歳以上900万下（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で松田幸春騎手（7戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。前に出て、ややスローペースでレースを引っ張る。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。最後は脚勢が悪くなり17着に敗れた。

5月19日、中2週で迎えた14戦目は、宮徹騎手を鞍上に迎えて、5歳以上900万下（阪神ダート1800m 曇/不良）に出走。16頭立ての5番人気で大外16番ゲートからスタート。ハナを切る恰好となり、やや速いペースで馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後はタレてしまい7着に敗れた。

6月23日、中4週で迎えた15戦目は、林満明騎手を鞍上に迎えて、障害4歳以上未勝利（中京障害芝2800m 晴/良）に出走。9頭立ての4番人気で大外9番ゲートからスタート。4着に敗れた。

7月7日、中1週で迎えた16戦目は、障害4歳以上400万下（中京障害芝2800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で林満明騎手（1戦0勝）。6頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。競走中止となった。

7月21日、中1週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた17戦目は、田村正光騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の4歳以上900万下の信濃川特別（新潟芝1800m 晴/良）に出走。10頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。逃げを打ち、リードを5馬身以上確保して、ミドルペースでレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では堅実な伸びを見せたが、カタリナラビットに交わされて3馬身半差の2着となった。

8月18日、中3週で迎えた18戦目は、牝馬限定の4歳以上900万下の飯豊特別（新潟芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で田村正光騎手（1戦0勝）。7頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前の粘り強さで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったシャルドンに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。