タイキシャトル（1994年生、母ウェルシュマフィン）

タイキシャトル（1994年3月23日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。1997年にJRA賞最優秀短距離馬、1998年にJRA賞年度代表馬、最優秀4歳以上牡馬及び最優秀短距離馬を受賞、1999年にはJRA顕彰馬に選出された。毛色は栗毛。種牡馬のDevil's Bag（当時13歳）と交配したウェルシュマフィンが8歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地12戦10勝2着1回、海外1戦1勝。1998年のジャック・ル・マロワ賞(仏・G1)に勝利した他、1997年、1998年とマイルチャンピオンシップ(G1)を連覇するなど、G1級競走5勝を含む重賞8勝を挙げた。

経歴

デビュー前

大樹レーシングクラブにて総額5,000万円（50万×100口）で一口馬主が募集された。

藤沢和雄厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（1997年）

4月19日、デビュー戦は岡部幸雄騎手を鞍上に据えて、4歳未勝利（東京ダート1600m 曇/良）に出走。馬体重は498kg。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のアカシグリスンに4馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

5月3日、中1週で迎えた2戦目は、4歳500万下（京都ダート1200m 雨/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、そのまま渾身の走りで持ち堪えて、最後は2着のサウンドカスケードに1馬身の差をつけて勝利を手に入れた。

6月8日、中4週で迎えた3戦目は、3歳オープンの菖蒲ステークス（東京芝1600m 曇/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦2勝）。9頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。敢然と先頭に立ち、非常に遅いペースでレースを引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではグイグイと終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のシンコウスプレンダに1馬身3/4の差をつけて負け無しの3連勝を決めた。

7月6日、中3週で迎えた4戦目は、3歳オープンの菩提樹ステークス（阪神芝1400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（3戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したテンザンストームにクビ差届かず2着に甘んじた。

10月4日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた5戦目は、3歳G3のユニコーンステークス（東京ダート1600m 雨/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（4戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のワシントンカラーに2馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

10月25日、中2週で迎えた6戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では猛烈な末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のスギノハヤカゼを3/4馬身振り切って重賞2勝目をマークした。

11月16日、中2週で迎えた7戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦1勝）。18頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線に入ると、前で粘るキョウエイマーチを異次元の末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて下半期マイル王の座を奪取した。

12月14日、中3週で迎えた8戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（5戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のスギノハヤカゼに1馬身3/4の差をつけて秋のスプリント王の座を射止めた。

4歳（1998年）

5月16日、約5か月の休み明けで迎えた9戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（6戦5勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、猛烈な末脚を爆発させて、最後は2着のオースミタイクーンに1馬身半の差をつけて5連勝で5つ目の重賞タイトルを奪取した。

6月14日、中3週で迎えた10戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 雨/不良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（7戦6勝）。17頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のオリエンタルエクスプレスに2馬身半の差をつけて上半期マイル王の称号を手にした。

8月16日、G1のジャック・ル・マロワ賞（フランス・ドーヴィル芝1600m）に出走。8頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。最後は、2着のAmong Menに半馬身の差をつけて4つ目のG1タイトルを手にした。

11月22日、約3か月半の休養明けで迎えた12戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（8戦7勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のビッグサンデーに5馬身の差をつけて5つ目のG1タイトルを手中に収めた。

12月20日、中3週で迎えた13戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（9戦8勝）。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて13番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では末脚が続かず、3着に終わった。