ノースフライト（1990年生、母シヤダイフライト）

ノースフライト（1990年4月12日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。1994年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のトニービン（当時7歳）と交配したシヤダイフライトが18歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡荻伏村、生産者は（有）大北牧場。戦績は、中央平地11戦8勝2着2回。1994年の安田記念(G1)に勝利した他、1994年のマイルチャンピオンシップ(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

加藤敬二厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1993年）

5月1日、デビュー戦は西園正都騎手を鞍上に据えて、4歳未出走（新潟芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。馬体重は472kg。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るサザングレートを次元の違う末脚で交わし去り、最後は9馬身の差をつけて初白星を挙げた。

7月25日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から10kg増やして迎えた2戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、4歳以上500万下の足立山特別（小倉芝1700m 雨/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のロマンストウショウに8馬身の差をつけて2勝目を手中に収めた。

9月18日、中7週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた3戦目は、牝馬限定の4歳以上900万下の秋分特別（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では伸びが劣勢になり最後はコガネセンガンと並んで5着同着となった。

10月17日、中3週で迎えた4戦目は、角田晃一騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1600m 曇/良）に50kgの軽斤量で出走。重賞競走への出走は初となった。16頭立ての4番人気に推されて3番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では渾身の力で末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のパーシャンスポットを3/4馬身振り切って重賞初挑戦初制覇を達成した。

11月14日、中3週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1のエリザベス女王杯（京都芝2400m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で角田晃一騎手（1戦1勝）。18頭立ての5番人気で14番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では見事な伸び脚で驀進したが、勝ったホクトベガにねじ伏せられて1馬身半差の2着となった。

12月19日、中4週で迎えた6戦目は、牝馬限定のハンデG3のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝2000m 曇/良）に牝馬ながら56kgの斤量を背負って出走。鞍上は武豊騎手（2戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では驚異的な末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のベストダンシングに1馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルを掴み取った。

4歳（1994年）

1月30日、中5週で迎えた7戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬特別（阪神芝1600m 曇/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のフェイヴァーワンに6馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルを奪取した。

3月6日、中4週で迎えた8戦目は、G2のマイラーズカップ（中京芝1700m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（4戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では一完歩ずつ着実に終いの脚を伸ばして、最後は2着のマーベラスクラウンをクビ差振り切って3連勝で重賞4勝目をマークした。

5月15日、中9週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた9戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 小雨/良）に出走。鞍上は角田晃一騎手（2戦1勝）。16頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを10番手で通過。直線では圧倒的な末脚を爆発させて前にいた9頭を次々と抜き去り、最後は2着のトーワダーリンに2馬身半の差をつけて上半期マイル王の座を手にした。

10月29日、約5か月半の休み明けで馬体重を前走から8kg戻して迎えた10戦目は、G2のスワンステークス（阪神芝1400m 曇/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で角田晃一騎手（3戦2勝）。18頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では見事な伸び脚で追い上げたが、抜け出したサクラバクシンオーを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

11月20日、中2週で迎えた11戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で角田晃一騎手（4戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では鬼脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のサクラバクシンオーに1馬身半の差をつけて春秋マイルG1連覇を果たした。