グラスワンダー（1995年生、母Ameriflora）

グラスワンダー（1995年2月18日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。1997年にJRA賞最優秀2歳牡馬、1999年にJRA賞特別賞（特別敢闘賞）を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のSilver Hawk（当時16歳）と交配したAmerifloraが7歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地15戦9勝2着1回。1998年、1999年と有馬記念(G1)を連覇した他、1999年の宝塚記念(G1)に勝利するなど、G1級競走4勝を含む重賞7勝を挙げた。

経歴

デビュー前

尾形充弘厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（1997年）

9月13日、デビュー戦は的場均騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中山芝1800m 曇/良）に出走。馬体重は480kg。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るビルトシェーンを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

10月12日、中3週で迎えた2戦目は、2歳オープンのアイビーステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で的場均騎手（1戦1勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のマチカネサンシローに5馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

11月8日、中3週で迎えた3戦目は、2歳G2の京成杯3歳ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で的場均騎手（2戦2勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では凄まじい末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のマチカネサンシローに6馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

12月7日、中3週で迎えた4戦目は、2歳G1の朝日杯3歳ステークス（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で的場均騎手（3戦3勝）。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のマイネルラヴに2馬身半の差をつけてG1初挑戦初制覇を果たした。

3歳（1998年）

10月11日、約10か月半の休養明けで迎えた5戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で的場均騎手（4戦4勝）。9頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では伸びを欠き5着に敗れた。

11月7日、中3週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた6戦目は、ハンデG2のアルゼンチン共和国杯（東京芝2500m 曇/良）に57kgの斤量を背負って出走。鞍上は6戦連続で的場均騎手（5戦4勝）。18頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではあとひと押しが利かず、6着に終わった。

12月27日、中6週で迎えた7戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で的場均騎手（6戦4勝）。16頭立ての4番人気に推されて2番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では異次元の末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のメジロブライトを半馬身振り切ってグランプリホースの称号を獲得した。

4歳（1999年）

5月15日、約4か月半の休み明けで迎えた8戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で的場均騎手（7戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では猛烈な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のエアジハードを3/4馬身振り切って4つ目の重賞タイトルをつかんだ。

6月13日、中3週で迎えた9戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で的場均騎手（8戦6勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で驀進したが、伸びてきたエアジハード決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

7月11日、中3週で迎えた10戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は10戦連続で的場均騎手（9戦6勝）。12頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るスペシャルウィークを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて3つ目のG1タイトルを手中に収めた。

10月10日、約3か月の休み明けで迎えた11戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は11戦連続で的場均騎手（10戦7勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではグングンと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のメイショウオウドウをハナ差振り切って6つ目の重賞タイトルを獲得した。

12月26日、約2か月半の間隔を開けて馬体重を前走から12kg増やして迎えた12戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で的場均騎手（11戦8勝）。14頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では一歩一歩確実に終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のスペシャルウィークをハナ差振り切って4つ目のG1タイトルをつかんだ。

5歳（2000年）

3月26日、約3か月の休養明けで馬体重を前走からさらに18kg増やして迎えた13戦目は、G2の日経賞（中山芝2500m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は13戦連続で的場均騎手（12戦9勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では見せ場を作れず6着に敗れた。

5月14日、中6週で馬体重を前走から20kg絞って迎えた14戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は14戦連続で的場均騎手（13戦9勝）。18頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では上がり4位タイの末脚を繰り出したが上位争いには加われず9着に敗れた。

6月25日、中5週で迎えた15戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 雨/良）に出走。11頭立ての2番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では目立つような脚を使えず6着に敗れた。