エアジハード（1995年生、母アイシーゴーグル）

エアジハード（1995年4月9日）は、日本の競走馬、種牡馬。1999年にJRA賞最優秀父内国産馬及び最優秀短距離馬を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のサクラユタカオー（当時13歳）と交配したアイシーゴーグルが9歳のときに産んだ2番仔が本馬である。産地は北海道千歳市、生産者は社台ファーム。戦績は、中央平地12戦7勝2着2回。1999年のマイルチャンピオンシップ(G1)に勝利した他、1999年の安田記念(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤正徳厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（1997年）

12月7日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。馬体重は466kg。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のファーディーンに3馬身半の差をつけて初白星を挙げた。

3歳（1998年）

2月1日、中7週で迎えた2戦目は、4歳500万下のカトレア賞（東京ダート1200m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。15頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では驚異的な末脚を弾けさせて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のアイアムアブラザーに1馬身半の差をつけて勝利をモノにする

3月22日、中6週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた3戦目は、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 曇/稍重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦2勝）。15頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを9番手で通過。直線ではキレのいい末脚を披露したが、4着に終わった。

5月17日、中7週で迎えた4戦目は、橋本広喜騎手を鞍上に迎えて、3歳G1のNHKマイルカップ（東京芝1600m 晴/稍重）に出走。G1級競走への出走は初となった。17頭立ての10番人気で16番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って8番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線ではジリジリとしか伸びず8着に終わった。

10月18日、約5か月の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた5戦目は、4歳以上900万下（東京芝1600m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で橋本広喜騎手（1戦0勝）。9頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではしっかりと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のコンキスタクラウンに1馬身半の差をつけて休み明けの一戦を制した。

11月14日、中3週で迎えた6戦目は、ハンデ戦で4歳以上1600万下の奥多摩ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で橋本広喜騎手（2戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では息長く終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のワカサバロンをクビ差振り切って制した。

11月28日、中1週で迎えた7戦目は、G3の富士ステークス（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で橋本広喜騎手（3戦2勝）。15頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では鋭く末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のプレストシンボリをクビ差振り切って3連勝で初の重賞タイトルを獲得した。

4歳（1999年）

4月25日、約5か月の休養明けで迎えた8戦目は、谷川岳ステークス（新潟芝1600m 外回り曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は5戦連続で橋本広喜騎手（4戦3勝）。15頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では目を引く伸びを見せたが、伸びてきたナリタプロテクター決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

5月15日、中2週で迎えた9戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。18頭立ての4番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前のしぶとさで最後まで脚を伸ばしたが、伸びてきたグラスワンダー決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。

6月13日、中3週で迎えた10戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（1戦0勝）。14頭立ての4番人気で12番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のグラスワンダーをハナ差振り切って上半期マイル王の座を手に入れた。

10月31日、約4か月半の休養明けで迎えた11戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で蛯名正義騎手（2戦1勝）。17頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸び、3着に入った。

11月21日、中2週で迎えた12戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で蛯名正義騎手（3戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では自慢の末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のキングヘイローに1馬身半の差をつけて春秋マイルG1連覇を成し遂げた。