モズアスコット（2014年生、母India）

モズアスコット（2014年3月31日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬。牡馬。馬名の意味は「冠名+イギリスの競馬場の名前」。毛色は栗毛。種牡馬のFrankel（当時6歳）と交配したIndiaが12歳のときに産んだ仔が本馬である。2018年の安田記念(G1)に勝利した他、2020年のフェブラリーステークス(G1)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

矢作芳人厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（2017年）

6月10日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、3歳未勝利（阪神芝2000m 晴/良）に出走。馬体重は484kg。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを12番手で通過。直線では切れ味光る末脚を繰り出したが、4着に終わった。

6月24日、中1週で迎えた2戦目は、3歳未勝利（阪神芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

7月16日、中2週で迎えた3戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、3歳未勝利（中京芝1600m 晴/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では自慢の末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のトルネードアレイに2馬身の差をつけて未勝利戦を制した。

9月24日、中9週で迎えた4戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、3歳以上500万下（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての2番人気に推されて17番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のキャスパリーグに3馬身半の差をつけて1着ゴールを果たした。

11月11日、中6週で迎えた5戦目は、3歳以上1000万下の三鷹特別（東京芝1400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（1戦1勝）。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では猛烈な末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のバリスに1馬身1/4の差をつけて断然の支持に応えた。

11月26日、中1週で迎えた6戦目は、吉原寛人騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1600万下の渡月橋ステークス（京都芝1400m 外回り曇/良）に出走。15頭立ての1番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では猛烈な末脚を爆発させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のクライムメジャーに2馬身の差をつけて破竹の4連勝を決めた。

12月23日、中3週で迎えた7戦目は、C.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G2の阪神カップ（阪神芝1400m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。18頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸びたが、4着に終わった。

4歳（2018年）

2月25日、中8週で迎えた8戦目は、G3の阪急杯（阪神芝1400m 曇/良）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（2戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて17番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線ではビュッと切れる脚で追い上げたが、抜け出したダイアナヘイローにクビ差届かず2着に甘んじた。

4月22日、中7週で迎えた9戦目は、G2のマイラーズカップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（3戦2勝）。14頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、勝ったサングレーザーにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着に敗北した。

5月27日、中4週で迎えた10戦目は、坂井瑠星騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの安土城ステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。17頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線ではものすごい伸び脚で追い上げたが、抜け出したダイメイフジにクビ差届かず2着に甘んじた。

6月3日、連闘で迎えた11戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上はC.ルメール騎手（4戦2勝）。16頭立ての9番人気で10番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のアエロリットをクビ差振り切って上半期マイル王の座を獲得した。

10月27日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた12戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（5戦3勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で驀進したが、伸びてきたロードクエスト決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

11月18日、中2週で迎えた13戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続でC.ルメール騎手（6戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では見せ場なく13着に敗れた。

12月9日、G1の香港マイル（香港・シャティン芝1600m）に出走。鞍上は4戦連続でC.ルメール騎手（7戦3勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。7着に敗れた。

5歳（2019年）

4月21日、約4か月半の休養明けで迎えた15戦目は、G2のマイラーズカップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続でC.ルメール騎手（8戦3勝）。10頭立ての3番人気で4番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では脚を伸ばせず7着に敗れた。

6月2日、中5週で迎えた16戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は坂井瑠星騎手（1戦0勝）。16頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では他馬と同じような脚色になり6着に敗れた。

10月6日、約4か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた17戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は内田博幸騎手（1戦1勝）。10頭立ての5番人気で大外10番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。直線では上がり2位の末脚を見せたが上位争いには絡めず6着に敗れた。

10月26日、中2週で迎えた18戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/稍重）に出走。18頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では逸出した伸び脚で猛進したが、伸びてきたダイアトニック決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

11月17日、中2週で迎えた19戦目は、和田竜二騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。17頭立ての7番人気で12番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。最後は脚色が鈍り14着に敗れた。

6歳（2020年）

2月2日、約2か月半の間隔を開けて迎えた20戦目は、G3の根岸ステークス（東京ダート1400m 晴/良）に出走。ダート戦への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上はC.ルメール騎手（9戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では鬼脚を爆発させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のコパノキッキングに1馬身1/4の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

2月23日、中2週で迎えた21戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（10戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では異次元の末脚を弾けさせて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のケイティブレイブに2馬身半の差をつけてダートマイル王の座を射止めた。

3月29日、中4週で迎えた22戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/重）に出走。18頭立ての5番人気で14番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始17番手を追走。直線では上がり4位タイの伸び脚を披露したが上位には届かず13着に敗れた。

5月5日、中4週で迎えた23戦目は、Jpn1のかしわ記念（船橋ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（11戦5勝）。7頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを6番手で通過。直線では今一つ末脚が切れず6着に敗れた。

10月12日、約5か月半の休み明けで迎えた24戦目は、横山武史騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 雨/稍重）に出走。16頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、アルクトスにクビ差交わされて2着に甘んじた。

2020年10月19日付で地方競馬の競走馬登録を抹消した。

11月14日、中4週で迎えた25戦目は、G3の東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス（東京ダート1600m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で横山武史騎手（1戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線では決め手に欠いて7着に敗れた。

12月6日、中2週で迎えた26戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で横山武史騎手（2戦0勝）。16頭立ての11番人気で12番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では瞬発力に富んだ末脚を披露し、5着に入り込んだ。

2020年12月11日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。