ユートピア（2000年生、母ドリームビジヨン）

ユートピア（2000年3月1日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「理想郷（母名から連想）」。毛色は栗毛。種牡馬のフォーティナイナー（当時15歳）と交配したドリームビジヨンが15歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地18戦3勝2着1回、地方12戦4勝2着3回、海外4戦2勝。2004年、2005年とマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)を連覇した他、2003年のダービーグランプリ(G1)に勝利するなど、G1級競走4勝を含む重賞7勝を挙げた。

経歴

デビュー前

当歳のとき、ノーザンファームから「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、金子真人によって5,355万円で落札された。

橋口弘次郎厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2002年）

11月3日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1400m 晴/良）に出走。馬体重は488kg。17頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、5着に終わった。

11月17日、中1週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた2戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、2歳新馬（京都ダート1400m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。15頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線に入ると、前で粘るエイシンアソザンを次元の違う末脚で交わし去り、最後は9馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

12月8日、中2週で迎えた3戦目は、小牧太騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンのシクラメンステークス（阪神ダート1400m 小雨/良）に出走。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、やや厳しいペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のサチノグローリに6馬身の差をつけて圧倒的支持に応えた。

12月25日、中1週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた4戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、2歳G1の全日本2歳優駿（川崎ダート1600m 曇/重）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。11頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。逃げを打つ恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のエースインザレースに4馬身の差をつけてG1初挑戦初制覇を達成した。

3歳（2003年）

3月29日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から6kg戻して迎えた5戦目は、3歳G3の毎日杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦0勝）。13頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。先頭に立つ形となり、ミドルペースでレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では目を引く伸び脚で猛進したが、タカラシャーディーに交わされて1馬身1/4差の2着となった。

5月11日、中5週で迎えた6戦目は、3歳G1のNHKマイルカップ（東京芝1600m 小雨/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は安藤勝己騎手（1戦1勝）。18頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

6月7日、中3週で迎えた7戦目は、3歳G3のユニコーンステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（2戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のブイロッキーに5馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

7月8日、中3週で迎えた8戦目は、3歳G1のジャパンダートダービー（大井ダート2000m 曇/重）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（3戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では矢のような伸びを見せたが、伸びてきたビッグウルフ決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

9月23日、約2か月半の間隔を開けて迎えた9戦目は、3歳G1のダービーグランプリ（盛岡ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（4戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。ハナに立つ恰好となり、で馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のビッグウルフに4馬身の差をつけて2つ目のG1タイトルをゲットした。

11月3日、中5週で迎えた10戦目は、G1のJBCクラシック（大井ダート2000m 雨/良）に出走。鞍上は武豊騎手（2戦0勝）。15頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを8番手で通過。直線では見せ場を作れず10着に敗れた。

11月29日、中3週で迎えた11戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 雨/不良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（3戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では末脚のキレが鈍く12着に敗れた。

4歳（2004年）

1月5日、中4週で迎えた12戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京都金杯（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では天資の負けん気を発揮してゴールまで力戦し、3着に入った。

2月22日、中6週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた13戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではいい脚を見せられず8着に敗れた。

4月4日、中5週で迎えた14戦目は、ハンデG3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で四位洋文騎手（2戦0勝）。15頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、馬場の外目を通りながら4コーナーを8番手で通過。直線では今ひとつ伸びが無く7着に敗れた。

6月6日、中8週で迎えた15戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 雨/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で四位洋文騎手（3戦0勝）。18頭立ての10番人気で12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では天資の負けん性を発揮してゴールまで力戦し、4着を確保した。

7月18日、中5週で迎えた16戦目は、G3の北九州記念（小倉芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（5戦3勝）。13頭立ての1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では目立つような脚を使えず5着に敗れた。

10月11日、約3か月の間隔を開けて迎えた17戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/稍重）に出走。12頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ハナに立ち、で集団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一完歩ずつ前との差を詰めて、最後は2着のアドマイヤドンを半馬身振り切って3つ目のG1タイトルを手にした。

11月3日、中2週で迎えた18戦目は、G1のJBCクラシック（大井ダート2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦1勝）。13頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。ハナを奪い、緩いペースで一団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では脚色がやや鈍り、4着に終わった。

11月28日、中3週で迎えた19戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。16頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では上がり4位タイの伸び脚を披露したが上位には届かず6着に敗れた。

12月29日、中3週で迎えた20戦目は、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 雪/重）に出走。鞍上は横山典弘騎手（2戦1勝）。14頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では堅調な伸びを見せたが、勝ったアジュディミツオーに詰め切れず、3馬身差の2着となった。

5歳（2005年）

2月20日、中7週で迎えた21戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 小雨/不良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（3戦1勝）。15頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って11番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では末脚にキレが無く15着に敗れた。

3月27日、中4週で迎えた22戦目は、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は安藤勝己騎手（6戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線ではやや伸びを欠き、3着に終わった。

5月3日、中4週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた23戦目は、G3のかきつばた記念（名古屋ダート1400m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（7戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、4着に終わった。

6月5日、中4週で迎えた24戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（8戦3勝）。18頭立ての14番人気で14番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。最後は減速してしまい14着に終わった。

6月29日、中2週で迎えた25戦目は、G1の帝王賞GI（大井ダート2000m 曇/重）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（9戦3勝）。13頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを7番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、4着に終わった。

10月10日、約3か月半の休養明けで迎えた26戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（10戦3勝）。14頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、で馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では、そのまま渾身の走りで粘り込んで、最後は2着のシーキングザダイヤに1馬身1/4の差をつけてG1・4勝目を挙げた。

11月3日、中2週で迎えた27戦目は、G1のJBCクラシック（名古屋ダート1900m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（11戦4勝）。12頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったタイムパラドックスにねじ伏せられて1馬身差の2着となった。

11月26日、中2週で迎えた28戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で安藤勝己騎手（12戦4勝）。16頭立ての8番人気で4番ゲートからスタート。先手を取り、非常に緩いペースで一団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では最後まで息が続かず8着に敗れた。

12月29日、中4週で迎えた29戦目は、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で安藤勝己騎手（13戦4勝）。15頭立ての6番人気で8番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では脚色がやや衰え、5着に終わった。

6歳（2006年）

2月19日、中6週で迎えた30戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で安藤勝己騎手（14戦4勝）。16頭立ての11番人気で3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では強靭な末脚を発揮し、3着に入り込んだ。

3月25日、G2のゴドルフィンマイル（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート1600m）に出走。鞍上は武豊騎手（4戦0勝）。10頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。最後は、2着のWin River Winに4馬身の差をつけて6つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

7歳（2007年）

5月2日、ハンデG3のウエストチェスターハンデキャップ（アメリカ合衆国・ベルモントパークダート1609m）に出走。5頭立ての2番人気で5番ゲートからスタート。最後は、2着のPolitical Forceに1馬身の差をつけて7つ目の重賞タイトルを掴み取った。

10月6日、ハンデG2のメドウランズカップハンデキャップ（アメリカ合衆国・メドウランズダート1811m）に出走。7頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。6着に敗れた。

11月17日、ハンデG3のスタイブサントハンデキャップ（アメリカ合衆国・アキダクトダート1811m）に出走。6頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。最後は、勝ったHuntingから1馬身差の2着に敗れた。