ヒシナタリー（1993年生、母Devil’s Sister）

ヒシナタリー（1993年2月16日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。毛色は青鹿毛。種牡馬のSeattle Slew（当時19歳）と交配したDevil's Sisterが11歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地16戦6勝2着2回。1996年のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別(牝G2)に勝利した他、1996年のローズステークス(牝G2)を制するなど、重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

佐山優厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1995年）

11月25日、デビュー戦は角田晃一騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中京芝1800m 晴/良）に出走。馬体重は452kg。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではもうひと伸びが足りず、3着に終わった。

12月17日、中2週で迎えた2戦目は、猿橋重利騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（中京芝2000m 晴/良）に出走。9頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。逃げる形となり、緩やかなペースでレースを牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では矢のような伸びを見せたが、エイシンコンカードに3/4馬身交わされて2着となった。

3歳（1996年）

1月5日、中2週で迎えた3戦目は、4歳未勝利（京都ダート1800m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は角田晃一騎手（1戦0勝）。11頭立ての1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。主導権を握り、遅いペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では異次元の末脚を弾けさせて、最後は2着のインタートラストをクビ差振り切って初勝利を挙げた。

1月21日、中1週で迎えた4戦目は、3歳オープンの若駒ステークス（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で角田晃一騎手（2戦1勝）。10頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るザフォリアを凄まじい末脚で交わし去り、最後は3馬身半の差をつけて勝利を手中に収めた。

2月17日、中3週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳オープンのエルフィンステークス（京都ダート1400m 小雪/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で角田晃一騎手（3戦2勝）。10頭立ての3番人気で8番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では脚勢がやや鈍り、3着に終わった。

3月16日、中3週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G3のフラワーカップ（中山芝1800m 曇/重）に出走。重賞競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で角田晃一騎手（4戦2勝）。15頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では鮮烈な末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のメイショウヤエガキに1馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

4月7日、中2週で迎えた7戦目は、牝馬限定3歳オープンの忘れな草賞（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で角田晃一騎手（5戦3勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では矢のような伸びを見せたが、勝ったナナヨーストームにねじ伏せられて2馬身差の2着に敗北した。

5月12日、中4週で迎えた8戦目は、3歳G1のNHKマイルカップ（東京芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は6戦連続で角田晃一騎手（6戦3勝）。18頭立ての10番人気で10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では天資の負けじ魂を発揮してゴールまで力戦し、6着を確保した。

6月9日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた9戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの白百合ステークス（中京芝2000m 曇/良）に出走。9頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。敢然と端を奪い、ミドルペースでレースを進める。しかし、徐々にポジションが下がり4コーナーを3番手で通過。直線では余力が残っておらず7着に敗れた。

7月7日、中3週で馬体重を前走から10kg戻して迎えた10戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は角田晃一騎手（7戦3勝）。13頭立ての10番人気で3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで頑張り、4着に入り込んだ。

8月11日、中4週で迎えた11戦目は、G3の小倉記念（小倉芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で角田晃一騎手（8戦3勝）。12頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではグングンと終いの脚を伸ばして先頭に躍り出て、最後は2着のスターマンに1馬身1/4の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手に入れた。

9月22日、中5週で迎えた12戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で角田晃一騎手（9戦4勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では猛烈な末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のシーズグレイスに2馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルを掴み取った。

10月20日、中3週で迎えた13戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で角田晃一騎手（10戦5勝）。18頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず11着に敗れた。

11月24日、中4週で迎えた14戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で角田晃一騎手（11戦5勝）。15頭立ての12番人気で16番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では上がり1位タイの伸び脚を披露したが上位争いには加われず7着に終わった。

12月15日、中2週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた15戦目は、牝馬限定G2のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は河内洋騎手（1戦0勝）。15頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを10番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のマジックキスをクビ差振り切って4つ目の重賞タイトルを獲得した。

4歳（1997年）

4月19日、約4か月の休養明けで迎えた16戦目は、ハンデ戦でオープンのオーストラリアトロフィー（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（2戦1勝）。17頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。最後はタレてしまい17着に敗れた。