ラッキーライラック（2015年生、母ライラックスアンドレース）

ラッキーライラック（2015年4月3日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「五弁のライラックの花(幸運のシンボル)」。2017年にJRA賞最優秀2歳牝馬を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のオルフェーヴル（当時7歳）と交配したライラックスアンドレースが8歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地7戦4勝2着1回。2020年の大阪杯(G1)に勝利した他、2019年の香港ヴァーズ(香・G1)で2着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

サンデーサラブレッドクラブにて総額3,000万円（75万×40口）で一口馬主が募集された。

松永幹夫厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2017年）

8月20日、デビュー戦は石橋脩騎手を鞍上に据えて、牝馬限定の2歳新馬（新潟芝1600m 外回り晴/良）に出走。馬体重は480kg。18頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のラヴァクールに1馬身半の差をつけて初白星を挙げた。

10月28日、中9週で迎えた2戦目は、牝馬限定2歳G3のアルテミスステークス（東京芝1600m 雨/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で石橋脩騎手（1戦1勝）。15頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るサヤカチャンを上がり1位の末脚で3/4馬身差し切って重賞初挑戦初制覇を果たした。

12月10日、中5週で迎えた3戦目は、牝馬限定2歳G1の阪神ジュベナイルフィリーズ（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で石橋脩騎手（2戦2勝）。18頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では鬼脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のリリーノーブルを3/4馬身振り切って2歳女王の称号を掴み取った。

3歳（2018年）

3月3日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から10kg増やして迎えた4戦目は、牝馬限定3歳G2のチューリップ賞（阪神芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で石橋脩騎手（3戦3勝）。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のマウレアに2馬身の差をつけて無傷の4連勝で重賞3勝目を挙げた。

4月8日、中4週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で石橋脩騎手（4戦4勝）。17頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では堅実に脚を伸ばしたが、勝ったアーモンドアイにねじ伏せられて1馬身3/4差の2着に敗北した。

5月20日、中5週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で石橋脩騎手（5戦4勝）。17頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではキレのいい末脚を披露したが、3着に終わった。

10月14日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた7戦目は、北村友一騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。17頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではいい脚を見せられず9着に敗れた。

4歳（2019年）

2月24日、約4か月半の休養明けで迎えた8戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は石橋脩騎手（6戦4勝）。11頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、伸びてきたウインブライト決め手に屈してクビ差の2着となった。

4月6日、中5週で迎えた9戦目は、牝馬限定G2の阪神牝馬ステークス（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で石橋脩騎手（7戦4勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では脚を伸ばせず8着に敗れた。

5月12日、中4週で迎えた10戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で石橋脩騎手（8戦4勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

10月14日、約5か月の休み明けで馬体重を前走から16kg増やして迎えた11戦目は、牝馬限定G2の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で石橋脩騎手（9戦4勝）。15頭立ての2番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

11月10日、中3週で迎えた12戦目は、C.スミヨン騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線に入ると、前で粘るクロコスミアを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて中距離女王の称号を射止めた。

12月8日、G1の香港ヴァーズ（香港・シャティン芝2400m）に出走。鞍上は2戦連続でC.スミヨン騎手（1戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。最後は、勝ったグローリーヴェイズから3馬身半差の2着に敗北した。

5歳（2020年）

3月1日、約3か月の間隔を開けて迎えた14戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。9頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったダノンキングリーに詰め切れず、1馬身3/4差の2着に敗北した。

4月5日、中4週で迎えた15戦目は、G1の大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でM.デムーロ騎手（1戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では鮮やかな末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のクロノジェネシスをクビ差振り切って春の中距離王の座を勝ち取った。

6月28日、約3か月の間隔を開けて迎えた16戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続でM.デムーロ騎手（2戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では終いの伸びを欠き、6着に終わった。

8月23日、中7週で迎えた17戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続でM.デムーロ騎手（3戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では末脚が続かず、3着に終わった。

11月15日、約3か月の間隔を開けて迎えた18戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（阪神芝2200m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では別次元の末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のサラキアをクビ差振り切って中距離女王の座を掴み取った。

12月27日、中5週で迎えた19戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では天稟の敢闘精神でゴールまで力走したが、4着に終わった。

2021年1月4日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。