タマモクロス（1984年生、母グリーンシヤトー）

タマモクロス（1984年5月23日）は、日本の競走馬、種牡馬。1988年にJRA賞年度代表馬、最優秀4歳以上牡馬及び最優秀父内国産馬を受賞した。毛色は芦毛。種牡馬のシービークロス（当時9歳）と交配したグリーンシヤトーが11歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道新冠郡新冠町、生産者は（有）錦野牧場。戦績は、中央平地18戦9勝2着3回。1988年の天皇賞（春）(G1)に勝利した他、1988年の天皇賞（秋）(G1)を制するなど、G1級競走3勝を含む重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

小原伊佐美厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1987年）

3月1日、デビュー戦は南井克巳騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（阪神芝2000m 晴/良）に出走。馬体重は456kg。10頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。先手を奪う形となり、やや厳しいペースで馬群を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は勢いを失って7着に敗れた。

3月21日、中2週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた2戦目は、4歳新馬（阪神ダート1800m 晴/重）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（1戦0勝）。10頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では伸びが劣勢になり4着に敗れた。

4月11日、中2週で迎えた3戦目は、4歳未勝利（阪神ダート1700m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（2戦0勝）。11頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のビューティフルをクビ差振り切って未勝利勝ちを決めた。

5月10日、中3週で迎えた4戦目は、4歳400万下（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で南井克巳騎手（3戦1勝）。15頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。競走中止となった。

6月28日、中6週で迎えた5戦目は、田原成貴騎手を鞍上に迎えて、4歳以上400万下（札幌ダート1800m 曇/良）に出走。8頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では他馬と同じ脚色になってしまい6着に終わった。

7月11日、中1週で迎えた6戦目は、安田富男騎手を鞍上に迎えて、4歳以上400万下の礼文特別（札幌ダート2000m 曇/良）に出走。9頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではスパッとキレる脚で猛進したが、勝ったヒロノハヤテにねじ伏せられて1馬身差の2着となった。

9月19日、中9週で迎えた7戦目は、4歳以上400万下の能勢特別（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（4戦1勝）。9頭立ての3番人気で4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、3着に終わった。

10月4日、中1週で迎えた8戦目は、4歳以上400万下（阪神ダート1700m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（5戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を繰り出したが、3着に終わった。

10月18日、中1週で迎えた9戦目は、4歳以上400万下（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（6戦1勝）。16頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線に入ると、前で粘るナチノパーソを次元の違う末脚で交わし去り、最後は7馬身の差をつけて2勝目をマークした。

11月1日、中1週で迎えた10戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、4歳以上400万下の藤森特別（京都芝2000m 曇/稍重）に出走。14頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のメイショウヒエンに8馬身の差をつけてファンの支持に応えた。

12月6日、中4週で迎えた11戦目は、ハンデG2の鳴尾記念（阪神芝2500m 曇/稍重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は南井克巳騎手（7戦2勝）。13頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを8番手で通過。直線に入ると、前で粘るメイショウエイカンを次元の違う末脚で交わし去り、最後は6馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

4歳（1988年）

1月5日、中3週で迎えた12戦目は、ハンデG3の金杯（京都芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（8戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、16番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では圧倒的な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のハローポイントを3/4馬身振り切って4連勝で2つ目の重賞タイトルを掴み取った。

3月13日、中9週で迎えた13戦目は、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（9戦4勝）。7頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後はダイナカーペンターと並んで1着同着となった。

4月29日、中6週で迎えた14戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り曇/稍重）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で南井克巳騎手（10戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のランニングフリーに3馬身の差をつけて春の盾を手中に収めた。

6月12日、中5週で迎えた15戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/稍重）に出走。鞍上は5戦連続で南井克巳騎手（11戦6勝）。13頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線に入ると、前で粘るニッポーテイオーを驚異的な末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけてグランプリホースの称号を手中に収めた。

10月30日、約4か月半の休み明けで迎えた16戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は6戦連続で南井克巳騎手（12戦7勝）。13頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では異次元の末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のオグリキャップに1馬身1/4の差をつけて春秋天皇賞連覇を成し遂げた。

11月27日、中3週で迎えた17戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で南井克巳騎手（13戦8勝）。14頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では一際目立つ伸び脚で猛進したが、勝ったペイザバトラーにねじ伏せられて半馬身差の2着に敗北した。

12月25日、中3週で迎えた18戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で南井克巳騎手（14戦8勝）。13頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線ではシャープな伸び脚で猛進したが、勝ったオグリキャップにねじ伏せられて半馬身差の2着に敗北した。