オグリキャップ（1985年生、母ホワイトナルビー）

オグリキャップ（1985年3月27日）は、日本の競走馬、種牡馬。1988年にJRA賞最優秀3歳牡馬、1989年にJRA賞特別賞（特別敢闘賞）、1990年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牡馬、NARグランプリ特別賞を受賞、1991年にはJRA顕彰馬に選出された。毛色は芦毛。種牡馬のダンシングキヤツプ（当時17歳）と交配したホワイトナルビーが12歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道三石郡三石町、生産者は稲葉不奈男。戦績は、中央平地20戦12勝2着4回、地方12戦10勝2着2回。1988年、1990年と有馬記念(G1)を2勝した他、1990年の安田記念(G1)に勝利するなど、G1級競走4勝を含む重賞13勝を挙げた。

経歴

デビュー前

鷲見昌勇厩舎（笠松）へ入厩。

2歳（1987年）

5月19日、デビュー戦は青木達彦騎手を鞍上に据えて、3歳（笠松ダート800m 晴/良）に出走。馬体重は452kg。10頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。最後は、勝ったマーチトウショウからクビ差の2着に甘んじた。

6月2日、中1週で迎えた2戦目は、加藤一成騎手を鞍上に迎えて、3歳（笠松ダート800m 曇/良）に出走。7頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。最後は、2着のノースヒーローに4馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

6月15日、中1週で迎えた3戦目は、3歳（笠松ダート800m 雨/重）に出走。鞍上は青木達彦騎手（1戦0勝）。9頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、2着のフエートチヤールスに6馬身の差をつけて制した。

7月26日、中5週で馬体重を前走から14kg増やして迎えた4戦目は、3歳（笠松ダート800m 晴/良）に出走。鞍上は加藤一成騎手（1戦1勝）。7頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。最後は、勝ったマーチトウショウからクビ差の2着に甘んじた。

8月12日、中1週で迎えた5戦目は、3歳（笠松ダート800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で加藤一成騎手（2戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。最後は、2着のマーチトウショウに2馬身半の差をつけて1着ゴールを果たした。

8月30日、中2週で迎えた6戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、2歳戦の秋風ジュニアイ（笠松ダート1400m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。最後は、2着のマーチトウショウに4馬身の差をつけて4勝目を挙げた。

10月4日、中4週で迎えた7戦目は、2歳戦のジュニアクラウン（笠松ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（1戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。最後は、2着のマーチトウショウをハナ差制して5勝目を挙げた。

10月14日、中0週で迎えた8戦目は、2歳戦の中京盃（中京(地)芝1200m 晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（2戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。最後は、2着のアーデントラブに2馬身の差をつけて破竹の4連勝を決めた。

11月4日、中2週で迎えた9戦目は、2歳戦の中日スポ杯（名古屋ダート1400m 曇/不良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（3戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。最後は、2着のハロープリンセスに2馬身半の差をつけて怒涛の5連勝を決めた。

12月7日、中4週で迎えた10戦目は、師走特別（笠松ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（4戦4勝）。10頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。最後は、2着のヤングオージヤに6馬身の差をつけて獅子奮迅の6連勝を決めた。

12月29日、中2週で迎えた11戦目は、2歳戦のジュニアグランプリ（笠松ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（5戦5勝）。10頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。最後は、2着のトウカイシャークに4馬身の差をつけて圧巻の7連勝を決めた。

3歳（1988年）

1月10日、中1週で迎えた12戦目は、3歳戦のゴールドジュニア（笠松ダート1600m 晴/不良）に出走。鞍上は7戦連続で安藤勝己騎手（6戦6勝）。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のマーチトウショウに2馬身半の差をつけて貫禄の8連勝を決めた。

3月6日、中7週で迎えた13戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、3歳G3のペガサスステークス（阪神芝1600m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。10頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のラガーブラックに3馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

3月27日、中2週で迎えた14戦目は、3歳G3の毎日杯（阪神芝2000m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（1戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では次元の違う末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のファンドリデクターをクビ差振り切って10連勝で重賞2勝目をマークした。

5月8日、中5週で迎えた15戦目は、南井克巳騎手を鞍上に迎えて、3歳G3の京都4歳特別（京都芝2000m 晴/稍重）に58kgの斤量を背負って出走。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のコウエイスパートに5馬身の差をつけて11連勝で3つ目の重賞タイトルを掴み取った。

6月5日、中3週で迎えた16戦目は、3歳G2のニュージーランドトロフィー4歳ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は河内洋騎手（2戦2勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のリンドホシに7馬身の差をつけて12連勝で4つ目の重賞タイトルを獲得した。

7月10日、中4週で迎えた17戦目は、G2の高松宮杯（中京芝2000m 晴/良）に55kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（3戦3勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るランドヒリュウを途轍もない末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて13連勝で5つ目の重賞タイトルを手に入れた。

10月9日、約3か月の休養明けで馬体重を前走から16kg増やして迎えた18戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で河内洋騎手（4戦4勝）。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では自慢の末脚を炸裂させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のシリウスシンボリに1馬身1/4の差をつけて14連勝で6つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

10月30日、中2週で迎えた19戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で河内洋騎手（5戦5勝）。13頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では卓抜な伸び脚で急追したが、勝ったタマモクロスに詰め切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

11月27日、中3週で迎えた20戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で河内洋騎手（6戦5勝）。14頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを8番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

12月25日、中3週で迎えた21戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。13頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら6番手で通過。直線では勢いよく末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のタマモクロスを半馬身振り切ってグランプリホースの称号を手にした。

4歳（1989年）

9月17日、約9か月の休養明けで迎えた22戦目は、G3のオールカマー（中山芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（1戦1勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では驚異的な末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のオールダッシュに1馬身3/4の差をつけて8つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

10月8日、中2週で迎えた23戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 曇/稍重）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（2戦2勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では鋭く末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のイナリワンをハナ差振り切って連覇達成

10月29日、中2週で迎えた24戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（3戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で急追したが、抜け出したスーパークリークにクビ差届かず2着に甘んじた。

11月19日、中2週で迎えた25戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で南井克巳騎手（4戦3勝）。17頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では次元の違う末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のバンブーメモリーをハナ差振り切って下半期マイル王の称号を獲得した。

11月26日、連闘で迎えた26戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で南井克巳騎手（5戦4勝）。15頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではものすごい伸び脚で猛追したが、抜け出したホーリックスにクビ差届かず2着に甘んじた。

12月24日、中3週で迎えた27戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 雨/良）に出走。鞍上は6戦連続で南井克巳騎手（6戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線ではあとひと押しが利かず、5着に終わった。

5歳（1990年）

5月13日、約4か月半の休み明けで迎えた28戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では圧倒的な末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のヤエノムテキに2馬身の差をつけて上半期マイル王の座を手中に収めた。

6月10日、中3週で迎えた29戦目は、岡潤一郎騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では忍耐力が光る走りを見せたが、勝ったオサイチジョージに詰め切れず、3馬身半差の2着に敗北した。

10月28日、約4か月半の休み明けで迎えた30戦目は、増沢末夫騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では速い脚を持続できず、6着に終わった。

11月25日、中3週で迎えた31戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で増沢末夫騎手（1戦0勝）。15頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを11番手で通過。直線では今ひとつ伸びが無く11着に敗れた。

12月23日、中3週で迎えた32戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて8番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では一歩一歩着実に終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のメジロライアンを3/4馬身振り切って4つ目のG1タイトルを掴み取った。