イナリワン（1984年生、母テイトヤシマ）

イナリワン（1984年5月7日）は、日本の競走馬、種牡馬。1989年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牡馬、2016年にNARグランプリ特別表彰馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のミルジヨージ（当時9歳）と交配したテイトヤシマが15歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は山本文雄。戦績は、中央平地11戦3勝2着2回、地方14戦9勝2着1回。1989年の天皇賞（春）(G1)に勝利した他、1989年の宝塚記念(G1)を制するなど、G1級競走3勝を含む重賞5勝を挙げた。

経歴

デビュー前

福永二三雄厩舎（大井）へ入厩。

2歳（1986年）

12月9日、デビュー戦は宮浦正行騎手を鞍上に据えて、3歳（大井ダート1000m 晴/良）に出走。馬体重は454kg。9頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のシヤレーセデスに4馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（1987年）

5月20日、約5か月半の休み明けで迎えた2戦目は、4歳（大井ダート1500m 内回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で宮浦正行騎手（1戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のエスペラントに2馬身の差をつけて久々の実戦をモノにした。

6月14日、中3週で迎えた3戦目は、4歳（大井ダート1600m 内回り曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で宮浦正行騎手（2戦2勝）。10頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。最後は、2着のミスターシユウに1馬身の差をつけて負け無しの3連勝を決めた。

6月28日、中1週で迎えた4戦目は、3歳戦のライラック特別（大井ダート1600m 内回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で宮浦正行騎手（3戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、2着のリンドマシーンに1馬身半の差をつけて負け知らずの4連勝を決めた。

8月21日、中7週で迎えた5戦目は、3歳戦のりんどう特別（大井ダート1600m 内回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で宮浦正行騎手（4戦4勝）。10頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。最後は、2着のニユータカラヒメに2馬身半の差をつけて土付かずの5連勝を決めた。

9月23日、中4週で迎えた6戦目は、3歳戦のトウインクルエイジ（大井ダート1700m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で宮浦正行騎手（5戦5勝）。8頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。最後は、2着のハナキリュウに1馬身半の差をつけて無傷の6連勝を決めた。

11月11日、中6週で迎えた7戦目は、3歳戦の東京王冠賞（大井ダート2600m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で宮浦正行騎手（6戦6勝）。10頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。最後は、2着のチヤンピオンスターに1馬身の差をつけて無傷の7連勝を決めた。

12月28日、中6週で迎えた8戦目は、3歳戦の東京湾カップ（船橋ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で宮浦正行騎手（7戦7勝）。10頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。最後は、2着のマルケンアキーラをアタマ差制して無傷の8連勝を決めた。

4歳（1988年）

3月3日、中8週で迎えた9戦目は、金盃（大井ダート2000m 晴/重）に出走。鞍上は9戦連続で宮浦正行騎手（8戦8勝）。11頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。3着に終わった。

4月13日、中5週で迎えた10戦目は、帝王賞（大井ダート2000m 雨/重）に出走。鞍上は10戦連続で宮浦正行騎手（9戦8勝）。14頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。7着に敗れた。

8月10日、約4か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた11戦目は、関東盃（大井ダート1600m 内回り雨/重）に出走。鞍上は11戦連続で宮浦正行騎手（10戦8勝）。10頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。5着に敗れた。

11月2日、約3か月の間隔を開けて迎えた12戦目は、東京記念（大井ダート2400m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で宮浦正行騎手（11戦8勝）。10頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。3着に終わった。

11月23日、中2週で迎えた13戦目は、全日本サラブレッドカップ（笠松ダート2500m 曇/良）に出走。鞍上は13戦連続で宮浦正行騎手（12戦8勝）。10頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。最後は、勝ったフェートノーザンから1馬身半差の2着となった。

12月29日、中4週で迎えた14戦目は、東京大賞典（大井ダート3000m 晴/良）に出走。鞍上は14戦連続で宮浦正行騎手（13戦8勝）。12頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、2着のアラナスモンタに半馬身の差をつけて勝利を手中に収めた。

5歳（1989年）

2月11日、中5週で迎えた15戦目は、小島太騎手を鞍上に迎えて、すばるステークス（京都芝2000m 曇/重）に出走。芝レースへの出走及び長時間の輸送競馬は初となった。9頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では全く伸びず4着に敗れた。

3月12日、中3週で迎えた16戦目は、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で小島太騎手（1戦0勝）。11頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではジリ脚になってしまい5着に敗れた。

4月29日、中6週で迎えた17戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての4番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のミスターシクレノンに5馬身の差をつけて春の盾を勝ち取った。

6月11日、中5週で迎えた18戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のフレッシュボイスをクビ差振り切ってグランプリホースの称号を獲得した。

10月8日、約4か月の休養明けで迎えた19戦目は、柴田政人騎手を鞍上に迎えて、G2の毎日王冠（東京芝1800m 曇/稍重）に59kgの斤量を背負って出走。8頭立ての3番人気で4番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では迫力満点の伸び脚で猛追したが、抜け出したオグリキャップにハナ差届かず2着に惜敗した。

10月29日、中2週で迎えた20戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で柴田政人騎手（1戦0勝）。14頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず6着に敗れた。

11月26日、中3週で迎えた21戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で柴田政人騎手（2戦0勝）。15頭立ての8番人気で12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では伸びが劣勢になり11着に敗れた。

12月24日、中3週で迎えた22戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 雨/良）に出走。鞍上は4戦連続で柴田政人騎手（3戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて15番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のスーパークリークをハナ差振り切って春秋グランプリ連覇を果たした。

6歳（1990年）

3月11日、約2か月半の間隔を開けて迎えた23戦目は、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 曇/良）に62kgの斤量を背負って出走。鞍上は5戦連続で柴田政人騎手（4戦1勝）。6頭立ての2番人気で1番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では今一つ末脚が切れず5着に敗れた。

4月29日、中6週で迎えた24戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で柴田政人騎手（5戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では弾けるように急駛したが、抜け出したスーパークリークを捕まえ切れず、半馬身差の2着に敗北した。

6月10日、中5週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた25戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で柴田政人騎手（6戦1勝）。10頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線ではじわじわとしか伸びず4着に敗れた。