ミスターシクレノン（1985年生、母ナオユキ）

ミスターシクレノン（1985年4月15日）は、日本の競走馬、種牡馬。毛色は鹿毛。種牡馬のミルジヨージ（当時10歳）と交配したナオユキが17歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は白井牧場。戦績は、中央平地32戦5勝2着7回。1989年の天皇賞（春）(G1)で2着に入った他、1989年の鳴尾記念(ハンデG2)に勝利するなど、重賞2勝を挙げた。

経歴

デビュー前

服部正利厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1987年）

9月12日、デビュー戦は河内洋騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（阪神芝1600m 雨/良）に出走。馬体重は504kg。14頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るミズホキャッスルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は5馬身の差をつけて初白星を挙げた。

10月3日、中2週で迎えた2戦目は、2歳オープンの野路菊賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（1戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るアクロスザシーを圧倒的な末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて2勝目を手中に収めた。

11月14日、中5週で迎えた3戦目は、2歳G2のデイリー杯3歳ステークス（京都芝1400m 外回り曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で河内洋騎手（2戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では今ひとつ伸びが無く7着に敗れた。

12月20日、中4週で迎えた4戦目は、田原成貴騎手を鞍上に迎えて、2歳G1の阪神3歳ステークス（阪神芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。10頭立ての3番人気で大外10番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では伸びを欠き8着に敗れた。

3歳（1988年）

1月10日、中2週で迎えた5戦目は、3歳G3のシンザン記念（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で田原成貴騎手（1戦0勝）。16頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では決め手が足りず8着に敗れた。

9月24日、約8か月半の休み明けで迎えた6戦目は、塩村克己騎手を鞍上に迎えて、4歳以上900万下のSTV杯（函館芝1800m 曇/良）に出走。7頭立ての5番人気で4番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを6番手で通過。直線ではジリ脚になってしまい6着に終わった。

10月16日、中2週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた7戦目は、3歳G2の京都新聞杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で塩村克己騎手（1戦0勝）。16頭立ての16番人気で14番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って9番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを14番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず13着に終わった。

11月5日、中2週で迎えた8戦目は、ハンデ戦で4歳以上900万下の衣笠特別（京都芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は河内洋騎手（3戦2勝）。9頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では豪快に終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のタニノデザートに1馬身1/4の差をつけて3勝目を手中に収めた。

12月4日、中3週で迎えた9戦目は、ハンデG2の鳴尾記念（阪神芝2500m 曇/良）に51kgの軽斤量で出走。鞍上は塩村克己騎手（2戦0勝）。12頭立ての8番人気で8番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では伸びが劣勢になり5着に終わった。

4歳（1989年）

1月5日、中4週で迎えた10戦目は、ハンデG3の金杯（京都芝2000m 晴/良）に51kgの軽斤量で出走。鞍上は河内洋騎手（4戦3勝）。15頭立ての8番人気で7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では一際目立つ伸び脚で追い上げたが、抜け出したカツトクシンに半馬身届かず2着となった。

2月19日、中5週で迎えた11戦目は、松永幹夫騎手を鞍上に迎えて、ハンデG2の京都記念（京都芝2400m 外回り晴/稍重）に53kgの軽斤量で出走。12頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前のタフネスでしぶとく走り抜いたが、勝ったダイナカーペンターに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

3月19日、中3週で迎えた12戦目は、ハンデG3の中京記念（中京芝2000m 晴/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は河内洋騎手（5戦3勝）。14頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを11番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を使えず11着に敗れた。

4月29日、中5週で迎えた13戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で河内洋騎手（6戦3勝）。18頭立ての16番人気で13番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではスパッとキレる脚で猛進したが、勝ったイナリワンにねじ伏せられて5馬身差の2着となった。

6月11日、中5週で迎えた14戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で河内洋騎手（7戦3勝）。16頭立ての7番人気で1番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では電光石火の末脚を繰り出し、3着に入った。

9月10日、約3か月の休養明けで馬体重を前走から16kg増やして迎えた15戦目は、UHB杯（函館芝1800m 小雨/不良）に出走。鞍上は4戦連続で河内洋騎手（8戦3勝）。9頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではいいところがなく4着に敗れた。

10月8日、中3週で馬体重を前走から12kg絞って迎えた16戦目は、G2の京都大賞典（京都芝2400m 外回り曇/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（1戦0勝）。10頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では矢のような伸びを見せたが、伸びてきたスーパークリーク決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。

10月29日、中2週で迎えた17戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（2戦0勝）。14頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず9着に敗れた。

12月3日、中4週で迎えた18戦目は、ハンデG2の鳴尾記念（阪神芝2500m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で松永幹夫騎手（3戦0勝）。13頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では鮮やかな末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のハツシバエースに2馬身の差をつけて待望の重賞初制覇を果たした。

12月24日、中2週で迎えた19戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 雨/良）に出走。鞍上は4戦連続で松永幹夫騎手（4戦1勝）。16頭立ての6番人気で13番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを11番手で通過。直線では伸びを欠き13着に敗れた。

5歳（1990年）

1月21日、中3週で迎えた20戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で松永幹夫騎手（5戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを9番手で通過。直線では速い脚を使えず5着に敗れた。

3月11日、中6週で迎えた21戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 曇/良）に出走。6頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。端を奪い、緩やかなペースで一団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では堅実な伸びを見せたが、オースミシャダイに交わされて1馬身1/4差の2着に敗れた。

4月29日、中6週で迎えた22戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（6戦1勝）。16頭立ての5番人気で13番ゲートからスタート。先陣を切る恰好となり、非常に遅いペースでレースを牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では脚色がやや衰え、5着に終わった。

12月23日、約8か月の休養明けで迎えた23戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（7戦1勝）。16頭立ての13番人気で10番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚色が悪くなり8着に終わった。

6歳（1991年）

1月20日、中3週で迎えた24戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で松永幹夫騎手（8戦1勝）。9頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では迫力満点の伸びを見せたが、勝ったメルシーアトラにねじ伏せられて1馬身半差の2着となった。

2月17日、中3週で迎えた25戦目は、ハンデG2の京都記念（京都芝2400m 外回り曇/稍重）に59.5kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で松永幹夫騎手（9戦1勝）。11頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では今一つ末脚が切れず5着に敗れた。

6月9日、約3か月半の休み明けで迎えた26戦目は、角田晃一騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。10頭立ての9番人気で7番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では上がり1位の末脚を繰り出したが上位には届かず6着に終わった。

10月6日、約4か月の休養明けで迎えた27戦目は、G2の京都大賞典（京都芝2400m 外回り曇/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（10戦1勝）。7頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では見せ場を作れず4着に終わった。

10月27日、中2週で迎えた28戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 小雨/不良）に出走。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（11戦1勝）。18頭立ての12番人気で12番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、馬場の外目を回って8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では末脚が振るわず11着に終わった。

11月17日、中2週で迎えた29戦目は、ハンデG2のアルゼンチン共和国杯（東京芝2500m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は塩村克己騎手（3戦0勝）。16頭立ての11番人気で7番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず7着に終わった。

12月8日、中2週で迎えた30戦目は、ハンデG2の鳴尾記念（阪神芝2500m 曇/良）に出走。鞍上は松永幹夫騎手（12戦1勝）。11頭立ての7番人気で2番ゲートからスタート。ハナに立つ恰好となり、やや速いペースで馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、ナイスネイチャに半馬身交わされて2着となった。

7歳（1992年）

1月26日、中6週で迎えた31戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で松永幹夫騎手（13戦1勝）。12頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では切れる脚を使えず6着に敗れた。

2月3日、連闘で迎えた32戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のダイヤモンドステークス（東京芝3200m 曇/稍重）に59kgの斤量を背負って出走。15頭立ての6番人気で7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では驚異的な末脚を炸裂させてあっさりと抜け出し、最後は2着のアローガンテに3馬身半の差をつけて重賞2勝目をマークした。