デアリングタクト（2017年生、母デアリングバード）

デアリングタクト（2017年4月15日）は、日本の競走馬。牝馬。馬名の意味は「大胆な+Tactics(戦法)より。大胆な戦法。父、母名より連想」。毛色は青鹿毛。種牡馬のエピファネイア（当時7歳）と交配したデアリングバードが7歳のときに産んだ2番仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は長谷川牧場。2020年に桜花賞、オークス（優駿牝馬）及び秋華賞を制して中央競馬3歳牝馬三冠を達成するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

当歳のとき、長谷川牧場から「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場されたが主取りとなった。1歳のとき、長谷川牧場から「セレクトセールサラブレッド1歳」に上場され、ノルマンディーファームによって1,296万円で落札された。

ノルマンディーオーナーズクラブにて総額1,760万円（4.4万×400口）で一口馬主が募集された。

杉山晴紀厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2019年）

11月16日、デビュー戦は松山弘平騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1600m 晴/良）に出走。馬体重は464kg。11頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のノーセキュリティに1馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（2020年）

2月8日、約3か月の間隔を開けて迎えた2戦目は、牝馬限定3歳オープンのエルフィンステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で松山弘平騎手（1戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた9頭を次々と抜き去り、最後は2着のライティアに4馬身の差をつけて勝利を手中に収めた。

4月12日、中8週で迎えた3戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り雨/重）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で松山弘平騎手（2戦2勝）。18頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。壮絶なハイペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた11頭をごぼう抜きし、最後は2着のレシステンシアに1馬身半の差をつけて桜の女王の称号を勝ち取った。

5月24日、中5週で迎えた4戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で松山弘平騎手（3戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のウインマリリンを半馬身振り切って3歳女王の称号を射止めた。

10月18日、約5か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は5戦連続で松山弘平騎手（4戦4勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて13番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のマジックキャッスルに1馬身1/4の差をつけて牝馬三冠を成し遂げた。

11月29日、中5週で迎えた6戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で松山弘平騎手（5戦5勝）。15頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では長くいい脚を使ってゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

4歳（2021年）

3月14日、約3か月半の休み明けで迎えた7戦目は、G2の金鯱賞（中京芝2000m 晴/重）に出走。鞍上は7戦連続で松山弘平騎手（6戦5勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では勝負根性が光る走りを見せたが、抜け出したギベオンにクビ差届かず2着に甘んじた。

4月25日、G1のクイーンエリザベス2世カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は8戦連続で松山弘平騎手（7戦5勝）。7頭立ての3番人気で1番ゲートからスタート。3着に敗れた。

5歳（2022年）

5月15日、約13か月の休み明けで迎えた9戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で松山弘平騎手（8戦5勝）。18頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では天性の敢闘精神でゴールまで力闘したが、6着に終わった。

6月26日、中5週で迎えた10戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で松山弘平騎手（9戦5勝）。17頭立ての4番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を繰り出したが、3着に終わった。

9月25日、約3か月の休養明けで迎えた11戦目は、G2のオールカマー（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で松山弘平騎手（10戦5勝）。13頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位争いには絡めず6着に敗れた。

11月13日、中6週で迎えた12戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（阪神芝2200m 曇/重）に出走。鞍上は12戦連続で松山弘平騎手（11戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では天性の闘志でゴールまで力闘したが、6着に終わった。

11月27日、中1週で迎えた13戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は13戦連続で松山弘平騎手（12戦5勝）。18頭立ての5番人気で8番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは14番手で通過。直線では閃光の如き末脚を繰り出し、4着に入った。