ナリタタイシン（1990年生、母タイシンリリイ）

ナリタタイシン（1990年6月10日）は、日本の競走馬、種牡馬。毛色は鹿毛。種牡馬のリヴリア（当時8歳）と交配したタイシンリリイが10歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道新冠郡新冠町、生産者は川上悦夫。戦績は、中央平地15戦4勝2着6回。1993年の皐月賞(G1)に勝利した他、1994年の天皇賞（春）(G1)で2着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

大久保正陽厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1992年）

7月11日、デビュー戦は横山典弘騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（札幌芝1000m 曇/良）に出走。馬体重は422kg。9頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線ではいいところがなく6着に敗れた。

10月10日、約3か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた2戦目は、清水英次騎手を鞍上に迎えて、3歳未勝利（福島芝1700m 晴/稍重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。5頭立ての2番人気で3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では豪快な末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のエーピーアイアンに1馬身3/4の差をつけて未勝利勝ちを決めた。

10月25日、中1週で迎えた3戦目は、内山正博騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下のきんもくせい特別（福島芝1700m 晴/良）に出走。9頭立ての3番人気で大外9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では余力が残っておらず6着に敗れた。

11月21日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた4戦目は、2歳オープンの福島3歳ステークス（福島芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は清水英次騎手（1戦1勝）。10頭立ての7番人気で2番ゲートからスタート。速いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではものすごい伸び脚で追い上げたが、抜け出したセントグローリを捕まえ切れず、1馬身差の2着となった。

12月19日、中3週で迎えた5戦目は、3歳500万下の千両賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で清水英次騎手（2戦1勝）。11頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線ではスパッと切れる脚で追い上げたが、抜け出したグランドシンゲキに半馬身届かず2着となった。

12月26日、連闘で迎えた6戦目は、2歳G3のラジオたんぱ杯3歳ステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で清水英次騎手（3戦1勝）。12頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のマルカツオウジャを半馬身振り切って重賞初挑戦初制覇を達成した。

3歳（1993年）

1月17日、中2週で迎えた7戦目は、3歳G3のシンザン記念（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で清水英次騎手（4戦2勝）。13頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線では矢のような伸び脚で猛追したが、抜け出したアンバーライオンに半馬身届かず2着に敗北した。

3月7日、中6週で迎えた8戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。11頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、勝ったウイニングチケットにねじ伏せられて2馬身差の2着に敗北した。

4月18日、中5週で迎えた9戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。18頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、17番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを12番手で通過。直線では驚異的な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のビワハヤヒデをクビ差振り切ってクラシックの一冠目を獲得した。

5月30日、中5週で迎えた10戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを14番手で通過。直線では閃光の如き末脚を披露したが、3着に終わった。

7月11日、中5週で迎えた11戦目は、G2の高松宮杯（京都芝2000m 晴/良）に56kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では弾けるような伸び脚で追い上げたが、抜け出したロンシャンボーイを差し切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

11月7日、約4か月の休み明けで迎えた12戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（4戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、18番手を追走し、4コーナーは17番手で通過。直線ではジリ脚になってしまい17着に敗れた。

4歳（1994年）

2月20日、約3か月半の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた13戦目は、ハンデG2の目黒記念（東京芝2500m 晴/良）に58.5kgの斤量を背負って出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（5戦1勝）。13頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では猛烈な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のダンシングサーパスをアタマ差振り切って3つ目の重賞タイトルを掴み取った。

4月24日、中8週で迎えた14戦目は、G1の天皇賞（春）（阪神芝3200m 曇/稍重）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（6戦2勝）。11頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線ではものすごい伸び脚で猛追したが、抜け出したビワハヤヒデを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

5歳（1995年）

6月4日、約13か月半の休み明けで迎えた15戦目は、山田泰誠騎手を鞍上に迎えて、G1の宝塚記念（京都芝2200m 外回り曇/稍重）に出走。17頭立ての7番人気で8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、15番手を追走し、4コーナーは14番手で通過。直線では末脚がパッとせず16着に敗れた。