イグナイター（2018年生、母ビアンコ）

イグナイター（2018年4月13日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「点火薬」。毛色は鹿毛。種牡馬のエスポワールシチー（当時13歳）と交配したビアンコが19歳のときに産んだ9番仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は春木ファーム。2023年のJBCスプリント(Jpn1)に勝利した他、2023年のマイルチャンピオンシップ南部杯（Road to JBC）(Jpn1)で2着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

1歳のとき、春木ファームから「北海道サマーセールサラブレッド1歳」に上場され、野田善己によって702万円で落札された。

牧田和弥厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2020年）

11月7日、デビュー戦は武藤雅騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京ダート1600m 曇/良）に出走。馬体重は508kg。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。非常に速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のジンジャーブラッドに7馬身の差をつけて初白星を挙げた。

3歳（2021年）

1月17日、中9週で迎えた2戦目は、藤岡佑介騎手を鞍上に迎えて、3歳1勝クラス（小倉ダート1700m 晴/良）に出走。9頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。最後は勢いを失って7着に敗れた。

3月24日、中8週で迎えた3戦目は、矢野貴之騎手を鞍上に迎えて、3歳S2の京浜盃（大井ダート1700m 晴/稍重）に出走。10頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち前の強靭な心肺能力でしぶとく走り抜いたが、チサットに交わされて1馬身1/4差の2着となった。

4月29日、中4週で迎えた4戦目は、3歳S1の羽田盃（大井ダート1800m 雨/重）に出走。鞍上は2戦連続で矢野貴之騎手（1戦0勝）。15頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は失速してしまい8着に敗れた。

6月20日、3歳G3のユニコーンステークス（東京ダート1600m 曇/重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は武藤雅騎手（1戦1勝）。16頭立ての15番人気で5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線では今一つ末脚が切れず12着に終わった。

7月12日、中2週で迎えた6戦目は、夕凪賞（大井ダート1800m 曇/重）に出走。鞍上は矢野貴之騎手（2戦0勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では目覚ましい伸び脚で追い上げたが、勝ったパストーソに詰め切れず、4馬身差の2着に敗北した。

8月11日、中3週で迎えた7戦目は、笹田知宏騎手を鞍上に迎えて、SPAT4のお得なポイント賞（園田ダート1400m 曇/稍重）に出走。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のマイティバローズに約13馬身の大差をつけて断然の支持に応えた。

9月15日、中4週で迎えた8戦目は、3歳以上B1（園田ダート1400m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で笹田知宏騎手（1戦1勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のバーゲニングパワーに約19馬身の大差をつけて圧倒的人気に応えた。

10月11日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた9戦目は、3歳地方重賞の秋の鞍（名古屋ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で笹田知宏騎手（2戦2勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではビュッとキレる脚で猛追したが、勝ったトミケンシャイリに詰め切れず、2馬身差の2着に敗北した。

11月2日、中2週で馬体重を前走から10kg戻して迎えた10戦目は、田中学騎手を鞍上に迎えて、3歳地方重賞の楠賞（園田ダート1400m 晴/良）に出走。9頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。ハナを奪い、で一団を先導。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のリュウノシンゲンに4馬身の差をつけて勝利をモノにする

12月3日、中3週で迎えた11戦目は、3歳以上A2（園田ダート1400m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で田中学騎手（1戦1勝）。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。先手を取る形となり、で馬群を先導。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアスカノハヤテに約14馬身の大差をつけて圧倒的支持に応えた。

12月22日、中2週で迎えた12戦目は、ハンデJpn3の兵庫ゴールドトロフィー（園田ダート1400m 曇/稍重）に52kgの軽斤量で出走。鞍上は笹田知宏騎手（3戦2勝）。11頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。ハナを奪い、で一団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では脚色がやや鈍り、3着に終わった。

4歳（2022年）

1月30日、中5週で迎えた13戦目は、地方重賞の黒潮スプリンターズカップ（高知ダート1300m 曇/重）に出走。鞍上は田中学騎手（2戦2勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のイダペガサスに7馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

3月16日、中5週で迎えた14戦目は、Jpn3の黒船賞（高知ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で田中学騎手（3戦3勝）。11頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線ではぐいぐいと終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のヘリオスに1馬身の差をつけて重賞初制覇を遂げる

5月3日、中6週で迎えた15戦目は、ハンデJpn3のかきつばた記念（名古屋ダート1500m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で田中学騎手（4戦4勝）。12頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではぐいぐいと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のヘリオスに1馬身の差をつけて3連勝で2つ目の重賞タイトルを獲得した。

10月10日、約5か月半の休養明けで迎えた16戦目は、Jpn1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/不良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で田中学騎手（5戦5勝）。16頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。でレースが進む中、終始4番手を追走。直線では鋭さ光る末脚を披露し、4着に入った。

11月3日、中2週で迎えた17戦目は、Jpn1のJBCスプリント（盛岡ダート1200m 小雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で田中学騎手（6戦5勝）。14頭立ての6番人気で5番ゲートからスタート。でレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では脚色がやや鈍り、5着に終わった。

12月21日、中6週で馬体重を前走から23kg増やして迎えた18戦目は、ハンデJpn3の兵庫ゴールドトロフィー（園田ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で田中学騎手（7戦5勝）。12頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では見せ場なく5着に敗れた。

5歳（2023年）

1月29日、中5週で馬体重を前走から20kg絞って迎えた19戦目は、地方重賞の黒潮スプリンターズカップ（高知ダート1300m 晴/重）に出走。鞍上は7戦連続で田中学騎手（8戦5勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアメージングランに9馬身の差をつけて断トツの支持に応えた。

3月14日、中5週で迎えた20戦目は、Jpn3の黒船賞（高知ダート1400m 晴/不良）に出走。鞍上は8戦連続で田中学騎手（9戦6勝）。12頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

5月4日、中6週で迎えた21戦目は、笹川翼騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のかしわ記念（船橋ダート1600m 晴/良）に出走。13頭立ての8番人気で12番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では見せ場なく7着に終わった。

5月31日、中3週で迎えた22戦目は、Jpn2のさきたま杯（浦和ダート1400m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で笹川翼騎手（1戦0勝）。10頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るスマイルウィを上がり1位タイの末脚でクビ差だけ差し切って3つ目の重賞タイトルを掴み取った。

9月15日、約3か月半の休養明けで迎えた23戦目は、園田チャレンジカップ（園田ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は田中学騎手（10戦6勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。逃げを打つ恰好となり、で集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のアポロティアモに2馬身半の差をつけて断然の支持に応えた。

10月9日、中2週で馬体重を前走から11kg減らして迎えた24戦目は、Jpn1のマイルチャンピオンシップ南部杯（Road to JBC）（盛岡ダート1600m 曇/稍重）に出走。鞍上は笹川翼騎手（2戦1勝）。14頭立ての4番人気で12番ゲートからスタート。でレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち味のタフネスで最後まで奮闘したが、勝ったレモンポップに詰め切れず、約12馬身差の2着となった。

11月3日、中3週で迎えた25戦目は、Jpn1のJBCスプリント（大井ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で笹川翼騎手（3戦1勝）。15頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、グングンと終いの脚を伸ばして、最後は2着のリメイクに1馬身半の差をつけてG1ホースの称号を獲得した。

6歳（2024年）

2月18日、西村淳也騎手を鞍上に迎えて、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。16頭立ての8番人気で1番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では余力が残っておらず11着に敗れた。

2024年2月20日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。

3月30日、G1のドバイゴールデンシャヒーン（アラブ首長国連邦・メイダンダート1200m）に出走。鞍上は笹川翼騎手（4戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。5着に終わった。