ディアドラ（2014年生、母ライツェント）

ディアドラ（2014年4月4日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「ケルト神話に登場する女性名」。毛色は鹿毛。種牡馬のハービンジャー（当時8歳）と交配したライツェントが8歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地18戦7勝2着3回、海外1戦0勝。2019年のナッソーステークス(英・牝G1)に勝利した他、2018年の香港カップ(香・G1)で2着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

1歳のとき、ノーザンファームから「セレクトセールサラブレッド1歳」に上場され、森田藤治によって2,268万円で落札された。

橋田満厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2016年）

7月2日、デビュー戦はM.デムーロ騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（中京芝1400m 晴/良）に出走。馬体重は452kg。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、逃げるメイショウソウビを差し切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

7月23日、中2週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた2戦目は、2歳未勝利（中京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続でM.デムーロ騎手（1戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では強靭な末脚を繰り出したが、4着に終わった。

10月15日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走からさらに10kg増やして迎えた3戦目は、加藤祥太騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の2歳未勝利（新潟芝1400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。14頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では凄まじい末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のアプトに1馬身3/4の差をつけて初白星を挙げた。

11月5日、中2週で迎えた4戦目は、牝馬限定2歳G3のファンタジーステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上はM.デムーロ騎手（2戦0勝）。12頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線ではキレのある末脚を発揮したが、3着に終わった。

11月27日、中2週で迎えた5戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定2歳500万下の白菊賞（京都芝1600m 雨/重）に出走。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では逸出した伸び脚で猛追したが、勝ったゴールドケープに詰め切れず、2馬身差の2着に敗北した。

12月17日、中2週で迎えた6戦目は、牝馬限定2歳500万下のつわぶき賞（中京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は加藤祥太騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線ではパワフルな末脚を繰り出したが、4着に終わった。

3歳（2017年）

2月12日、中7週で迎えた7戦目は、3歳500万下のこぶし賞（京都芝1600m 晴/稍重）に出走。鞍上はM.デムーロ騎手（3戦0勝）。8頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では脚勢がやや鈍り、3着に終わった。

3月11日、中3週で迎えた8戦目は、A.シュタルケ騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳オープンのアネモネステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で驀進したが、伸びてきたライジングリーズン決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

4月9日、中3週で迎えた9戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は岩田康誠騎手（1戦0勝）。17頭立ての14番人気で大外17番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、15番手を追走し、4コーナーは16番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を繰り出し、6着に入り込んだ。

5月7日、中3週で迎えた10戦目は、牝馬限定3歳500万下の矢車賞（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（2戦0勝）。9頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では目の覚めるような末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のドロウアカードに2馬身の差をつけてファンの高評価に応えた。

5月21日、中1週で迎えた11戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岩田康誠騎手（3戦1勝）。18頭立ての9番人気で7番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線ではキレのある末脚を発揮し、4着に入った。

8月13日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から12kg減らして迎えた12戦目は、3歳以上1000万下のHTB賞（札幌芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で岩田康誠騎手（4戦1勝）。10頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では驚異的な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のラヴィエベールをクビ差振り切って勝利を手中に収めた。

9月9日、中3週で馬体重を前走から12kg戻して迎えた13戦目は、牝馬限定3歳G3の紫苑ステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岩田康誠騎手（5戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて16番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では豪快な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のカリビアンゴールドをハナ差振り切って初の重賞タイトルを獲得した。

10月15日、中4週で馬体重を前走からさらに12kg増やして迎えた14戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 雨/重）に出走。18頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを9番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた8頭を交わし去り、最後は2着のリスグラシューに1馬身1/4の差をつけて3連勝でG1ホースの称号を勝ち取った。

11月12日、中3週で迎えた15戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は岩田康誠騎手（6戦3勝）。18頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始17番手を追走。直線では上がり3位の伸び脚を披露したが上位には食い込めず12着に敗れた。

4歳（2018年）

2月11日、約3か月の休養明けで迎えた16戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り晴/重）に出走。10頭立ての6番人気で3番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では他馬と同じ脚色になってしまい6着に終わった。

3月31日、G1のドバイターフ（アラブ首長国連邦・メイダン芝1800m）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（1戦1勝）。15頭立ての10番人気で13番ゲートからスタート。最後はリアルスティールと並んで3着同着となった。

7月29日、約4か月の休養明けで迎えた18戦目は、牝馬限定G3のクイーンステークス（札幌芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線では凄まじい末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のフロンテアクイーンに3馬身の差をつけて重賞3勝目を挙げた。

10月13日、約2か月半の間隔を開けて迎えた19戦目は、牝馬限定G2の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続でC.ルメール騎手（3戦2勝）。11頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを9番手で通過。直線では圧倒的な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のリスグラシューをクビ差振り切って4つ目の重賞タイトルをゲットした。

12月9日、G1の香港カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は4戦連続でC.ルメール騎手（4戦3勝）。9頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、勝ったGlorious Foreverから1馬身差の2着に敗北した。

5歳（2019年）

2月24日、約2か月半の間隔を開けて迎えた21戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続でC.ルメール騎手（5戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では他馬と同じ脚勢になってしまい6着に敗れた。

3月30日、J.モレイラ騎手を鞍上に迎えて、G1のドバイターフ（アラブ首長国連邦・メイダン芝1800m）に出走。13頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。4着に終わった。

4月28日、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1のクイーンエリザベス2世カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。13頭立ての9番人気で5番ゲートからスタート。6着に終わった。

6月19日、G1のプリンスオブウェールズステークス（イギリス・アスコット芝2004m）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。8頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。6着に終わった。

8月1日、O.マーフィー騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のナッソーステークス（イギリス・グッドウッド芝1991m）に出走。9頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。最後は、2着のMehdaayihに1馬身1/4の差をつけて2つ目のG1タイトルを手にした。

9月14日、G1のアイリッシュチャンピオンステークス（アイルランド・レパーズタウン芝2012m）に出走。鞍上は2戦連続でO.マーフィー騎手（1戦1勝）。8頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。4着に敗れた。

10月19日、G1のチャンピオンステークス（イギリス・アスコット芝2012m）に出走。鞍上は3戦連続でO.マーフィー騎手（2戦1勝）。9頭立ての3番人気で1番ゲートからスタート。3着に終わった。

12月8日、G1の香港ヴァーズ（香港・シャティン芝2400m）に出走。鞍上は4戦連続でO.マーフィー騎手（3戦1勝）。14頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。4着に終わった。

6歳（2020年）

2月29日、モハメドユスフナギモーターズカップ（サウジアラビア・ジャナドリヤ芝2100m）に出走。鞍上は5戦連続でO.マーフィー騎手（4戦1勝）。8頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、勝ったPort Lionsからアタマ差の2着に甘んじた。

7月5日、G1のコーラルエクリプスステークス（イギリス・サンダウン芝2002m）に出走。鞍上は6戦連続でO.マーフィー騎手（5戦1勝）。7頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。5着に終わった。

7月30日、牝馬限定G1のナッソーステークス（イギリス・グッドウッド芝1991m）に出走。鞍上は7戦連続でO.マーフィー騎手（6戦1勝）。7頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。7着に終わった。

10月4日、J.スペンサー騎手を鞍上に迎えて、G1の凱旋門賞（フランス・ロンシャン芝2400m）に出走。11頭立ての8番人気で12番ゲートからスタート。8着に終わった。